質問・回答(0122)


「溶連菌感染症」について教えて下さい。

溶連菌感染症について
私の三女 (2才)が 急な発熱で 流感と思っていたら.....

熱は2日ほどで下がりましたが その後発疹が 体中に

小児科医の診断で 上記の病名を告げられ あまりなじみがないので少々心配になりまして どうか 上記の病気について注意点などを教えてください

なんでも 昔は法定伝染病の一つであったとか合併症の予測というか 予後の看護についても どうかよろしく回答をいちいちするのは ご面倒でしょうが 何卒よろしくお願いします
(97/ 2/24 16:35 長崎県 Rさん)

(97/2/25)
まず始めにお嬢ちゃんは「突発性発疹」という病気はお済みでしょうか。かなりの高熱が2−3日出て出てそれが引いたと思ったら発疹が出る病気としては「突発性発疹」の可能性もあります。もっとも「突発性発疹」は生後6ヶ月くらいの赤ちゃんに多いですが2歳くらいでも時折みかけます。

「溶連菌感染症」は大半が4−5歳で、発熱のあと発疹が出ますが、半日くらいだけ遅れてという場合が最も多いです。2日も遅れてということであれば少し非典型的です。「溶連菌感染症」は赤い発疹ですが「皮膚がざらざらした感じがする」のが特徴的ですがいかがだったでしょうか。発疹の診断はかなり難しいので敢えてお尋ねしました。

ここでは「溶連菌感染症」について解説しておきます。
「溶連菌感染症」というのは「溶血性連鎖状球菌感染症」の略ですが、厳密には「A群β溶連菌」、すなわちA群という抗原型でありしかもα型ではなくβ型の溶血を示す特別な「溶血性連鎖状球菌」による感染症のことです。この特別な「溶血性連鎖状球菌」のことを細菌学では「化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)」と呼びます。

ご指摘のように昔は発熱と発疹で重症化することが多く「猩紅熱」と呼ばれ「法定伝染病」として恐れられてきましたが最近では「猩紅熱」という呼び方は殆どしなくなりました。「猩紅熱」として報告されるのは年に20例ほどになっています。「溶血性連鎖状球菌」は普通は「扁桃腺炎」の原因として知られていますがその合併症として「腎炎」や「リウマチ熱」、「心筋炎」などの原因にもなることが重要な点です。

「溶連菌感染症」の場合発熱は38度を超えることもありますが中には殆ど目立たない子供さんがおられます。発疹の他に頭痛、咽頭痛などの症状が出ることが多いですが4歳以下のお子さんの場合にはお話が通じないためにわかりません。のどの奥が真っ赤に腫れてぶつぶつしていたり、首のぐりぐり(リンパ腺)が腫れたり、時には「苺状舌」と言って舌にぶつぶつがついて腫れたりという症状を示します。

抗生物質の治療で殆どの場合良くなります。少し長めに飲むことが合併症を減らす為にも重要です。稀に治っから1−3週間ほどして尿に蛋白がおりていることから合併症の腎炎が発見されることもありますので、治ってから2週間ほどしたら一度尿の検査をしておかれることをお勧めします。

「溶血性連鎖状球菌」の激症型というのが「人喰いバクテリア」などとマスコミで騒がれたことがあります。これは子供には少なく糖尿病や肝臓、癌などの病気を持った大人に多いのですが突然体がだるくなり、全身の筋肉が痛みとともにくずれていき死亡率も高い怖い病気です。私は経験したことがありませんが常にこういう病気のことも頭の片隅において患者さんを診るように心がけています。しかし大変稀なことですので一般の方がご心配なさる必要はありません。