質問・回答(0136)


献血の時のHBs抗原,またHBe抗体と肝臓の関係をお教え下さい

献血の際のウイルス検査の結果,HBs抗原陽性との連絡が届きました。HBe抗原は陰性であったもののHBe抗体も陽性だそうです。

HBs抗原,またHBe抗体と肝臓の関係をお教え下さい。また今後,病院に行って再度検査をすべきなのか,日常生活で気を付ける点などお教え下されば幸いです。現時点で,自覚症状はありません。

検査の結果をコピーします:
     1.HBs抗原検査結果
             RPHA法: 陽性     4096倍以上
             EIA法:    記載なし
     2.HBe抗原検査結果
             RPHA法: 陰性
        HBe抗体検査結果
             PHA法: 陽性      
           3.肝機能検査結果
            ALT(GPT)値: 18 IU/L(標準値;4ー45IU/L)
(97/ 3/10 10:27  兵庫県 Tさん)

(97/3/10)
「B型肝炎の無症候性で良性のキャリア」が最も考えられます。

肝炎にはA型、B型、C型などいろいろな種類があります。これら全体のことを簡単に新聞の健康相談欄で解説をしておきましたのでまず予備知識としてそちらをごらんさい。こちらをクリックすると見れます。「C型肝炎」についてお尋ねがあったときのものです。

そこにも書いておきましたがB型肝炎というのは急性の肝炎として発症することもありますが「キャリア」といって肝臓の細胞の中にウイルスが住み着いてしまう状態があります。この場合HBs抗原が陽性と出ます。抗原というのはウイルスのことをそう呼んでいると考えてもらっていいです。この「キャリア」という状態は殆どが母親から妊娠、分娩の時に感染したものです。一部幼少時期に家族などから感染した場合もあり得ます。

「キャリア」と呼ばれる人のうち90%はご質問の方のように全く症状も無く、肝臓の検査にも異常がありません。これを「無症候性キャリア」と呼んでいます。一方残りの10%位の人はALT(GPT)が高くなるなど慢性肝炎の検査結果が出ます。

母親からウイルスを受け継いでHBs抗原陽性となった「B型肝炎キャリア」の人は若い間は「HBe抗原」というのも普通陽性で血液中のウイルス量も多くその分他の人にも感染させやすいです。しかしそのうちにおおよそ20歳から30歳ころにウイルスを排除しようとして体の中で「戦闘状態」になります。

「戦闘状態」は「急性肝炎」ですが軽症のもので、黄疸が出たりすることも稀にはありますが普通は殆ど自覚症状がなくたまたま血液検査をしているとALT(GPT)が上昇していたりしていてみつかることがあるという程度です。

90%位の人はすぐにHBe抗体というものが出来てそのためHBe抗原が消滅し「停戦状態」に入りその後は肝炎になることは少なくなります。残り10%位の人は「停戦状態」にならず持続的な戦闘状態である「慢性肝炎」になってしまいます。それでも何年かのうちにはHBe抗体が出来てHBe抗原が消滅し沈静化する人が殆どで慢性肝炎から肝硬変や肝細胞癌にまでなってしまう人はごくわずかです。

ご質問者の場合既にHBe抗体が出来ていますので今後「B型肝炎」になることは殆どないと考えられます。しかしこれはあくまでも原則であり、特殊な場合もあり得ますので献血のためではなく今回はご自分の肝臓の精密検査の為の受診をお勧めします。特に肝臓の超音波検査(エコー)は年に1回くらいは受けられるのがよろしいでしょう。

HBe抗体が未だ出来ていないHBe抗体陰性のキャリアの方はもう少し頻繁に検査をされるのが安全です。

日常生活ではキャリアの人の血液から他の人にB型肝炎を発症させる可能性もありますので自分の血液の処理に注意します。普通の生活では家族であっても感染しませんので気にし過ぎないことも重要です。入浴を家族と一緒にしたり、食器の共用も構いません。鼻血、怪我や生理のときの出血の処置は自分でする、剃刀や歯ブラシは自分専用のものを使う、用便のあとの手洗いはしっかりする、献血はしないなどの注意だけで十分です。しかもご質問者のようにHBe抗体が出てHBe抗原がなくなってしまっている人はたとえHBs抗原が陽性であっても感染力はとても低くさらに安全です。

なお、ご家族の方は念の為B型肝炎の抗原、抗体の検査を受けてその結果に沿って日常生活の指導を受けておいて下さい。

ご本人は他の病気で医者にかかるときでも医師に必ずご自分がキャリアであることはおっしゃって下さい。例えばステロイドホルモンなどを使うときには特別な注意が必要になります。

なお、この「B型肝炎」という病気は原因であるキャリア妊婦から出生児への感染を止める手だてが講じられるようになり、日本の国からは急激に減少しつつあり数十年後には見られなくなるでしょう。


足立先生
 ご丁寧にありがとうございます。同時に先生の反応の早さには感激しました。

実は,あの内容は妻のことでした。早速,プリントしたものを持ち帰り渡しました。

やはり,かなり気にしていた様子だったので非常にほっとしたようです。近々の内に病院で検査してもらうと申しておりました。また,結果をお知らせいたします。本当にありがとうございました。これからも,先生のホームページが充実するよう期待しております。

 先生は犬の訓練がお好きだそうですね。0000000す。家庭犬のしつけ000,000ました。また一度は,0000ようと思ってます。


ご丁寧にお礼のメールをありがとうございました。犬を飼われる方、日本国中みんながマナーとしてご自分で訓練をされるようになるととても良いなと思っています。

先日は私の愛犬のシェルテイが「脚側行進」で散歩中に、同じく綱引き散歩中の近所のシベリアンハスキーに噛まれて(怪我はありませんでしたが)頭に来ているところです。

私の愛犬には散歩中他の犬が近づいて来た場合必ず「脚側停座」し、間違っても吠えたり、飛びついたりしないようしつけてあります。犬を飼う人の最低限のマナーではないでしょうか。

子供の教育に熱心でない親が増えてきているのにも憤慨しています。人の家を訪問したときには「靴を揃える」という最低限のしつけから出来ていない子供が多すぎます。

学校の成績はともかく「人に、社会に迷惑をかけない」という基本的なことだけでも必死になって教え込まないと日本全体が大変なことになりそうで心配でなりません。最近、「車の窓からゴミを平気で捨てる人」、「痰を道に平気で吐く人」、「騒音のオートバイ」などがいかに多くなったことか。

私たちが子供のころは日の丸がどうのという以前にこういうことはまずしっかり教わったもので恥ずかしいことと考えていました。

何とかしないと、このまま行くと政治家、官僚、学会権威者あたりから日本は衰退していきそうです。私たちはその現場確認者になってしまいそうに思っています。

若干話が逸れましたが、これからも当ページを宜しくお願い致します。