質問・回答(0145)


再びアペルト症候群について

( 97/ 5/31 22:46 東京都 Yさん)
突然の不躾なメールにも関わらず、早速ご回答ありがとうございました。また、メールには不慣れですので失礼をお許しください。

なお、すぐに回答をいただきたいということでもありませんので、お手すきの時にでも読んでいただければ幸いです。

私(OOOOO)は現在41歳で、妻も同年齢です。子供は一番上が中学OO年の男子で、その下に小学OO年の女子がいます。長男は健康です。長女は軽度な心室中核欠損がありますがいたって健康です。

さて、アペルトの次男ですが、妻の妊娠中は逆子であったくらいで特に大きな病気もなく過ごしました。産院での経過診断も特に問題を指摘されることもありませんでしたが、臨月前には異様に腹部がせり出しており、予定日の1月前に破水、出産しました。頭の骨が癒合しているほか、手足の合指症があり、親指は短指で外側に曲がっています。その他の指はすべて合指で、第3指と第4指は骨から癒合していました。その段階で呼吸困難であり、すぐにOO大学OOO病院に入院、アペルトと診断されました。

月足らずでの出産でしたが、生後1か月で開頭手術、以後、頭蓋骨の癒着が異様に進んでしまい、1年後に2回目の開頭手術をしました。このときMRSAに感染し、頻繁に肺炎を併発しています。

その後は東京OOOOO病院で半年から1年位のタームで手足の指の切り離し手術を合計4回行っています。このほかに口蓋裂の手術をしています。

生後から3歳位までは、肺炎、(アスペルギルスによるものもありましたが、マイコプラズマと誤診され様態が悪化したこともあります。)MRSAなどさんざんな体験をし、3年のうち半分は入院していました。特に気道が極端に狭く麻酔科の先生方には大変ご苦労をおかけしてしまって。

口蓋裂の手術前は、睡眠中に無呼吸症に近い状態に陥ることが多く、手術そのものは亀裂部分を縫合するだけでしたが、手術後は、体力が徐々につきはじめ、今はほとんど風邪をこじらせることもありません。

現在の様子ですが、結構元気でわがままです。ほかの部分の症状は、両肩の肩胛骨と上腕の骨が癒合しているため、腕が肩より上には上がりません。また、左腕の肘の関節が異常で、全く曲がりません。(右は正常です。)肘と肩はもう手術は不可能と聞いています。指は両手両足とも切り離し、一応5本づつになっていますが、それぞれの指の関節はまったく曲がらず、神経もないそうです。幸い親指と人差し指の根本のところでものを挟むことができますので、最低限の機能は確保されました。

5歳になる前に、重度身体障害と中度の精神障害に認定されています。 6歳になって、いまだに言葉が話せません。ア行の発音はできますが、濁音、破裂音はまったくだめです。ただ、結構知恵はついているようで、自閉的な感じはありません。

なお、現在、開頭した部分(前頭部分)が5〜6cmは骨がありません。術後に詳しい説明を受けなかったのですが、人工硬膜を使ったと言うことだったと思います。この部分もう骨ができることはないのでしょうね。最近診ていただいた脳外科医の先生は危ないから早く手術してカバーをした方がいいと言っていますが、他の病院ではそう急ぐことはないのではと言われています。

頭囲はだいたい53cm位で、開頭手術のおかげでほぼ順調に成長したようです。水頭症の形跡は無いようです。親としては不安ばかりですが、毎年毎年手術ばかりで、今後も手術(形成外科では、12〜13歳頃になったら、顔面の下部を前に出す手術をすると言っていました。)をしなければならず、できれば回数を少なくしてやりたいと思っているのですが。

概要はこのようなところですが、6年間、同じ症例の患者さんに出会ったことはありません。クルーゾンの患者さんにも出会ったことはありません。日本での発生率はどの程度なのでしょうか。一般的に精神障害は無いと言われていたのですが、精神遅滞があるということはうちは例外的なのでしょうか。

食欲はものすごくあり、現在通っている幼稚園(幸いにも教会幼稚園で受け入れてくれています。)の年長さんでは、なんと一番背が高いのです。このまま大きく(過食?)育ててしまっていいのでしょうか?でも、入院中に病院ででる食事よりは少ないと思うのですが。

文書構成がいい加減ですみません。よろしくお願いします。 P.S. メールの送信がうまくいきません。複数入りましたらお許し願います。


Apert症候群は尖頭合指症とも呼ばれ、頭や顔の骨の作りがうまくいかなかったり手や足の指がくっついてしまう大変珍しい生まれつきの病気です。海外では十数万人に一人、日本国内では50万人に一人くらいの割合で産まれるといわれますが乳幼児のときに原因不明の死亡と扱われる例も多くあると考えられ実際には頻度はもう少し多いでしょう。国内では1930年に古川という人が初めての発表をしてから数十例の報告があります。

それにしても大変珍しい病気であることには違いはなくApert症候群を専門的に扱っている病院などというのはなくて、遭遇した時点で担当医が文献を調べながら創意と工夫をこらして治療計画を考えるというのが現状でしょう。

最近数年間では新潟大学矯正歯科学教室、長野こども病院形成外科、神戸大学脳外科などから国際的に著名な雑誌へ治療方法などの報告がなされています。

殆どの報告例では何らかの知能障害が認められていますので「例外的」ではありません。

産まれたときの父親の年齢が高いことが関係しているのではと考える人もいますが御質問者の場合はそうではありませんね。

クルーゾン病と良く似ていてもともと同じ病気だと考える人もいます。

これからも何回か手術を重ねられることは避け難いでしょう。珍しい病気ですので同一例の文献検索もしっかりとして下さり、しかもその内容を詳しくお話下さる小児科あるいは内科の先生と相談をしつつ、一方手術経験も豊富で技術の高い外科系の先生に手術をしてもらうようにできると良いですね。


(97/ 6/ 4 22:01)
お忙しいのに、早速ご回答いただきまして本当にありがとうございました。
こんなに早く回答いただけるとは思っていませんでしたので、お礼が遅くなって誠に申し訳ありません。

50万人に1人では、全く会えないはずですね。単純に計算すれば1年間に2〜3人の出生ということでしょうか。

これからまだまだ長い闘いですが、頑張っていきたいと思います。私どもの経験が、何かのお役に立てれば幸いと思いますので、必要がありましたら声をかけてください。
本当にありがとうございました。
アペルトの皆さん ともに頑張りましょう