質問・回答(0151)


妊娠と風疹について教えてください。

はじめてお便りします
36歳で今回が初産の者(12W3D:)ですが、風疹のような症状がでて判断に困っています。ちなみに、6/9実施の風疹抗体免疫検査では(8倍未満)免疫なし の結果がでています。かかりつけの産婦人科に問い合わせたところ、7月10日に来るように言われましたが、区の夜間電話診療の産婦人科の先生からは、発疹がでてから1週間目に抗体ができるので、7月4日に検査するべきだと言われました。

私としましては、一日でも早く結果を知りたいと思いますが、今一番知りたいことが解りません。以下に簡単な状況を記しますので、どうかご教授くださるようお願いします。

・風疹はどのようにして感染するのか。また、風疹患者との接触とは、どのような範囲までを指すのかいまのところ感染源が思い当たりません。空気感染などでも感染するのでしょうか。

・風疹と同じような症状のでる発疹はあるのでしょうか。
とにかく、心配でたまらないのでアドバイスをいただきたいと思います。突然のメールでご迷惑かと思いますが、よろしくお願いします。なるべく早くのご返事をお待ちしてます
(97/ 6/29 東京都 Mさん)

(97/06/29)
最近関西でも風疹がとても流行っています。妊娠中に風疹にかかると動脈管開存や心房・心室中隔欠損などの心臓奇形のほかに、白内障、聴力障害などの奇形児出産の危険があり相当注意が必要です。実際,以前沖縄で風疹の大流行があったときにこういった「先天性風疹症候群」の患者さんがたくさん出て問題になったことがありました。

妊娠初期が特に危険で妊娠4週以前では奇形児出生率が確率50%以上ともいわれています。心臓の奇形や白内障は妊娠1−2ヶ月が主ですが、聴力障害は妊娠4−5ヶ月目でも認められます。

風疹患者は発疹出現後7日間は人に感染させる可能性があり特に妊娠の可能性がある女性に近づかないようにすべきです。主に経気道飛沫感染が考えられています。発疹などの典型的な症状を示さない不顕性感染例が20−25%はありますので知らないうちに感染してしまうことの方がむしろ多いです。

風疹の発疹は紅色の斑状の少し盛り上がった感じの発疹で普通3日くらいであとかたなく消えてしまいます。耳の後などのリンパ節が腫れることが多いです。目が赤くなることもあります。合併症としては血小板減少症が3000例に1例ほど、脳炎が6000例に1例ほど認められますが特に小児の場合は「3日はしか」と言われるくらいで比較的簡単に治ります。大人になってから罹ると熱も激しく関節炎症状などでかなり重症化することがあります。

風疹と同じような発疹を示す病気には麻疹(はしか)、伝染性紅斑(リンゴ病)などがあります。典型例は麻疹は熱が2回に分けて出て2度目に発疹とコプリック班という口の中の頬の白いぶつぶつが出るなどの特徴があり区別はすぐに付きます。伝染性紅斑は頬がレース状に赤くなるなどの様子で区別できます。

しかし、これらの発疹を示す病気は症状だけではときになかなか区別がつかないことがあります。そういう時や、診断をさらに確実にする必要のあるときには血液中の抗体の検査を参考にします。普通数千円単位のお金がかかりますが採血だけで数日後に結果が分かります。風疹の場合HI抗体価(エッチアイこうたいか)が8未満の場合には風疹にかかり得ると判断します。発疹が出たころのHI抗体価と発症2週間目のHI抗体価を比べてもし4倍以上高くなっていたらほぼ間違いなく風疹に罹っていたと考えられます。それからIgM(アイジーエム)という抗体が陽性に出れば最近1−2ヶ月の間に風疹に罹った可能性が極めて高くなりとても参考になります。御質問者の場合も少しお金がかかったとしても合わせて調べておかれるようお勧めします。のちほど専門の先生方に御相談される場合にとても参考になることがあります。

日本では昭和52年より女子中学生に風疹の生ワクチンを接種するようになりました。このワクチンの抗体獲得率(免疫がつく確率)は95%くらいですのでほとんどの人は風疹にかからなくなりますが残りの5%くらいの人や、生ワクチンの接種を中学生のときに何らかの理由で受けることができなかった人は風疹にかかる可能性が残ります。

ですから結婚適齢期の女性は、生ワクチン接種の有無にかかわらず皆さん全員必ず風疹のHI抗体価を測定しておき抗体価が8倍または8倍未満(4倍、2倍、陰性など)の人は、かかりつけの医師にご相談の上生ワクチンを受けておかれるようにお勧めします。

なお、妊娠中の人は生ワクチンを受けてはいけませんし、生ワクチンを受けたあと3ヶ月は妊娠しないようにします。