
テレビを見ていて痙攣を起こして光過敏性てんかんとわかりましたが朝日新聞のコラム欄で知りました。
はじめまして。足立先生。 私の息子(3才)のことでご相談です。16日夕方、テレビを見ていて全身性痙攣を起こし(5分ほど)、急患センターを受診しました。幸い診察の結果異常なく、帰宅しましたが、のちに光過敏性てんかんであることを知りました。痙攣を起こしたとき電気をつけていないすこし暗い部屋で1メートルぐらいの距離でテレビを見ていました。(32型テレビ)痙攣を今までに起こしたことはありませんし、家族にてんかん持ちもおらず、大変ショックを受けました。
光過敏性てんかんとはそもそもどういう病気なのでしょうか。後遺症はどのくらい残るのでしょうか。同じようにテレビを見ていてなんの症状も起きなかったお子さんが大多数であることからすると、私の息子はもともと痙攣を起こしやすい体質なのでしょうか。今後てんかんに移行していくのでしょうか。何か予防策はあるのでしょうか。怖くてあの日以来テレビを付けていません。
お忙しいところ申し訳ございませんがご回答よろしくお願い申しあげます。 (97/12/18
15:32 福岡県 Tさん)

(97/12/21)
とてもびっくりされたことと思い大至急お答えしたくコンピューターの操作をしているうちにウインドウズ95の調子が悪いような気がして再インストールしたところモデムの設定からプロバイダーへの接続から何から何まで消えてしまい再設定に手間取りコンピューターについてはしろうとなもので大失態をしてしまいました。そんなわけでお答えが大変遅くなり申し訳ありません。お電話でお答えを済まさせて頂きました方もいらっしゃいましてこの解答欄をお借りしてお詫び申し上げます。
今回大騒動になった「光過敏性てんかん」の患者さんを直接診察する機会がありませんでしたので断定的なことは言えませんが私は専門家の間で相当以前から「テレビてんかん」と呼ばれていたものと考えています。
一言で「てんかん」と言っても千差万別でさまざまなものがあります。一般の方の中にははイメージ的に「治らない病気」だとか「遺伝性の病気」など決め付けて自分たちとは異質のものだというような偏見的、差別的に考えられる方がありこの病気の人達に大変つらい思いをさせていますが正しい認識が必要と思います。
ここですべてを説明する余裕はありませんがこういった点に関心のある方はは「日本てんかん協会」という団体が真摯に活動を進めていますので入会されることをお勧めします。私は個人的にこの協会の長野県支部の永井瑞枝というとても熱心な方と連絡を保っていましたが最近は京阪神に職場が移り失礼しています。
「テレビてんかん」というのは文字どおりテレビを見ていて「てんかん発作」を起こす「てんかん」のことです。感覚刺激で誘発されるてんかんとして「反射てんかん」のひとつとされています。「反射てんかん」という呼び名が適切でないとして「感覚誘発てんかん」とか「感覚過敏てんかん」と呼ぶ人達もいます。 何らかの感覚刺激でてんかん発作を起こす状態で一番多いのは今回のように光(特に赤い光)の点滅刺激で起こす「光過敏てんかん」です。
この「反射てんかん」にはたくさんの種類があり「算数てんかん」、「入浴てんかん」、「音楽てんかん」、「閉眼てんかん」、「書字てんかん」などそれぞれ計算をしようとするとてんかん発作を起こしたり、「お風呂に入る」「音楽を聴く」「眼をつむる」「字を書く」などするとてんかん発作を起こす場合もあります。
「図形過敏てんかん」と言って特殊な図形を見ることにより発作を起こす人達もいます。
この「光過敏てんかん」は赤、白の点滅が強く長く(数秒間)続いたときに特に発作が起こりやすく青色や緑色の場合は反って発作を起こしにくくすることがわかっています。
「テレビてんかん」は昔テレビの映りが悪くてちらつきなどが多かった時代にはよくみられましたが最近はほとんど見られなくなっていたものです。たまたますごいちらつきを放映した番組で出たものですがイギリスのようにちゃんとした規制をしておけば防げた問題だと思います。
こういうことを最近の日本では役所も学者も政治家も本気になってやる人は誰一人としてほとんどいないというのが今の現状です。
一般国民は本当に安心が出来ません。 この種のてんかんも日常生活で障害を示すことは無く大人になるにつれて発作も起こしにくくなることがほとんどでそれほど心配は要りません。
神経内科、精神科、脳外科を標榜ししかも「てんかん」について経験ある医師に相談されておくと安心ですので一度脳波、CT、MRIなどの設備が整った病院のこれらの科を受診されることをお勧めします。
(97/12/24 13:43 )
拝啓 足立先生 光過敏性てんかんについて早速ご丁寧なご回答を頂きまして本当にありがとうございました。
先生のご回答でそれほど心配はいらないことがわかり、親としては大変安心いたしました。お陰様であれ以来、息子は特に不調訴えることなく元気に過ごしております。
しかし、先生のご助言に従いまして、一度小児神経科という診療科のある専門病院にかかってみようと考えております。今回の事件は社会的にも重大視されているようで、あの後新聞や週刊誌の記事も読みあさりましたが、まだまだ謎が多いことがわかりました。1日も早い原因究明と対策を心から望む次第です。
一方で、米露では光線点滅兵器の開発が進められているとの報告もあり、大変複雑な気分です。お忙しいにも関わらず早急にご回答をお送り下さるようにご配慮いただいたことを知り、
大変感激いたしております。 これからも病気に悩む方たちの大きな支えとして益々のご活躍をお祈り申し上げます。
敬具