質問・回答(0187)


「慢性扁桃腺炎」と言われましたが

date: 21 Jun 1999 21:25:22 ****の***でお願いします   私は26才の男性です。 以前から耳鼻科の先生より慢性扁桃腺炎と診断されています。 3週間前に風邪をひいてから、のどの違和感(痛みはあまりない)とあごの奥の重い感じと首筋から肩にかけての(時々上腕まで)筋肉痛のような感じがとれません。
発熱はありません。これはやはり慢性扁桃腺炎によるものでしょうか? 医者から抗生物質をもらって飲んでいますがあまりかわりありません。
慢性化すると抗生物質はあまり効かないと聞きました。
扁桃腺にはいつも小さな膿(まるでにきびみたいに)がついています。
時々この膿がこれもにきびを潰した時のように出てきて嫌な匂いがします。
これらの症状以外には熱が出るわけでもなく、特に自分で困ることもないのですが、慢性扁桃腺炎の症状、治療法についてお教え下さい。(手術はよほどのことがない限りしない方がいいともいわれました。)

「慢性扁桃腺炎」(または「慢性扁桃炎」とも言います)の原因は大概は「急性扁桃炎」の後遺症によります。
ご質問者のように若い方によくみられます。 タバコ、粉塵などの空気の汚れも関係しているとも言われています。
また、鼻で呼吸すべきところを口で呼吸してしまう癖のある人にも見られます。
「後鼻漏」と言って鼻の奥からのどへ分泌物が流れやすい人にも多いとも考えられています。 「慢性扁桃炎」の症状としては通常
「軽い咽頭痛、違和感」、「口臭」、「頭痛」、「倦怠感(だるい、しんどい感じ)」、「肩こり」、「食欲不振」
などが多いですがご質問者のように
「のどの違和感」、「顎の奥の重い感じ」、「首筋から肩や上腕にかけての筋肉痛」
などもみられます。 ですからご質問者の症状は、もしも診察の結果、耳鼻科的にも整形外科的にも(「変形性頸椎症」や肩のあたりの病気など)他の病気が見つからなければ「慢性扁桃炎」によるものが考えやすいです。 「にきびみたいに膿がついて時々出てくる」のは口蓋扁桃の「陰窩膿栓(いんかのうせん)」でしょう。
口蓋扁桃炎のうちでも「陰窩性(いんかせい)扁桃炎」という種類の病気で主にみられます。 治療法で注意をしなければいけないのは「病巣感染(びょうそうかんせん)」です。
扁桃炎がからだの他の場所の病気の原因となっていることがあり、そう言う状態を「病巣感染」と言います。 「病巣感染」としては子供の場合は心臓、腎臓の病気が主ですが、
成人の場合は「IgA腎症」、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」、「胸肋鎖骨過形成症(きょうろくさこつかけいせいしょう)」などの病気の原因になることがあります。 尿に蛋白や血液が混じっていないか、手のひらや足のひらにできものができないか、首の下、胸の前の骨に出っ張りが出ないかなどは気をつけてみておいておかれると良いです。
ご質問者の場合はそのような記載がありませんので多分大丈夫とは思いますがもしも心当たりがあれば必ず主治医に申し出るようにしましょう。 「病巣感染」について詳しくは「扁桃誘発試験」や「打ち消し試験」などの諸検査で判定してもらえます。
血液検査を行い参考にすることもあります。 扁桃が大きすぎてご飯が食べることが難しかったり、息もしにくかったりと言う場合はもちろんですが「病巣感染」と考えられる場合も手術を積極的に考慮すべきです。 昔は扁桃を取ると免疫力が弱くなるのではと考えられた時代もありましたが今はそのようなことは余り言われません。
腕の良い耳鼻科医にさえ手術をしてもらえば安全ですし、ほとんど後遺症は無いとされています。 実際、私の患者さんでも優秀な耳鼻科専門医にご紹介をして手術をしてもらってくる人も多いです。
皆さん経過は順調です。 「病巣感染」が無く、発熱など扁桃炎の強い症状が年に3回以下の場合は患者さんの状況などで総合的に判断をしますが手術をしないで様子をみることが多いです。 扁桃炎の原因となる過食、疲労、睡眠不足、気候の変化、寒冷に気を付け、人ごみを避けるようにします。 水道水や塩水でもよろしいが、イソジンガーグルやハチアズレというお薬を使ってのうがいでかなりすっきりして気持ちの良いものです。
耳鼻科ではレーダー吸引管というもを使って先ほど述べた膿栓を吸い出してくれるところもあります。 ご質問者も書かれていましたが抗生物質入りのトローチなどしょっちゅう舐めていると「菌交代現象」と言って抗生物質に抵抗力を持った細菌が勢力を持ってしまいいざ急性炎症を起こしたときに抗生物質が効きにくくなることがあります。
ですから抗生物質の使用は信頼できる医師に相談されてからが安全です。 薬としては慢性期の扁桃炎では抗生物質よりもダーゼンなどの消炎酵素剤を内服して様子をみます。