****の***でお願い致します。
日本にいる親から**させて頂きます。30代の女性です。
数年前からワシントンDCにすんでおります。高校生のころから、5、6、年に一度ぐらいの割合で外陰部にかなりひどい潰瘍ができ、悩んでいます。
今までにいろいろな医院で、(主に関西の病院)ヘルペスの検査、ベーチェットも簡単な検査をしたように記憶しているのですが、その際には陰性ということでした。
でも、自分でいろいろ調べているうちに、やはりこれはベーチェットでは?と思うようになりました。
最初は、小さい傷かおできのようなものきっかけになって、それが数日のうちに潰瘍になります。(口内炎も子供のころからよくできます。)ただ、注射、点滴の際に、針反応のようなものにはなったことがないと思います。
米国でビザの関係でHIV検査も受けさせられたのですが、陰性でした。 今も、外陰部に1センチ強の潰瘍があります。年明けから、二回目です。
年明けにあったものは、仕事、家庭内のストレス、日本への強行旅行、大雪の中を歩かなければならなかった(DCで3年振りの大雪が降り、バスが止まってしまったのです)等、いろいろ悪条件が「これでもか!」というほど重なり、10円玉大の、深さも5ミリはある、今までで一番ひどいものができました。
排尿時の痛みも激しいものでした。でも、どうしても仕事が休めず、這うような思いで仕事をしているうちに、(それでも3カ月くらいかかりました)だんだんと治っていきました。
今あるものは、2週間ほど前に、本当に小さな傷のようなものに気が付いたのが始まりです。今は、直径が1センチ半ぐらいあります。痛みもありますが、今のところは深さがあまりないせいか、それほどでもないです。
日本にいた時にリンデロンをもらっていたので、それをうすく塗っていますが、よくなっているようには思えません。親が送ってきてくれたプロポリスも4カ月ぐらい飲んでいます。黄蓮解毒湯という漢方薬も、炎症によい、ということなので飲んでいます。
5年前のときより、大きいものができていますが、以前のような、小さくても深さがあって、ピリピリ焼けるような痛みはではなくて、もっと表面的な痛みが、尿がつくと時々あります。潰瘍の中心部よりも、縁のほうに赤みと痛みがあります。
これはやはりベーチェット病なのでしょうか? ベーチェット病以外にも、例えば細菌などで、このような病症を起こすものはあるのでしょうか?
検査をしようと思うのですが、日本でするか、アメリカでするか、悩んでいます。ベーチェット病の患者数は、アジア、中でも日本が一番多いというように聞いています。
日本の方が、この分野に関しては、より経験があり治療法も進んでいるのでしょうか?アメリカは使う薬品が強いというイメージもあり、言葉の問題もあるので、日本の病院でしたほうがいいような気がしているのですが、日本でも、アメリカでも(できればDCの近くにあれば一番なのですが)、この分野に強いよい病院をお教え頂けないでしょうか? また、検査をする場合は、タイミングが問題になるのでしょうか?病症が出ている時でなくては検査できないのでしょうか?費用もかかるというように聞いているので心配です・・・。
御忙しいところ、お時間を割いて頂き本当に有難うございます。盛夏の折、先生方もくれぐれも御自愛くださいませ。
外国での特別な症状でさぞご心配のことと思います。
ご質問の順に従いまして以下お答えさせていただきます。
ご指摘のようにご自身で本などをお調べになった結果の「Behcet(ベーチェット)病」の可能性も確かにあります。
外陰部の潰瘍がみられる疾患としてはまず性器ヘルペスを考える必要がありますがこれは多発性で小水疱(みずぶくれ)がみられることがあり、口腔内アフタは通常伴いません。再発するタイプもあります。
若年女性に「外陰潰瘍」と「口腔内アフタ」がみられる病気としては「Lipschutz潰瘍」というのもあります。
メールですのでドイツ語のウルラルトを打てませんが「Lipschutz潰瘍」の「u」の上に点を2つ付けます。 「Lipschutz潰瘍」という病気はベーチェット病と同様原因が不明で若年女性の外陰部に突然深い潰瘍が出現します。潰瘍が深いのがこの病気の特徴とされていますのでご質問者の症状とはややくいちがうかもしれません。
単純ヘルペスというウイルス感染による外陰部の病気とは違って性行為などの感染の機会なしに発症するのも特徴のひとつです。数日間高熱が続くこともあります。
「Lipschutz潰瘍」の外陰部潰瘍は単発性のこともあり、左右対称的にできることもあります。ベーチェット病と同様に「口腔内アフタ」を以前から経験していることもあり、場合によっては外陰部潰瘍とほぼ同時に出現することもあります。ベーチェット病の亜型とも考えられています。
「Lipschutz潰瘍」の場合、血液検査でCRP(シーアールピー)という全身の炎症を示す検査が強く陽性に出るのが特徴です。
次に、「ベーチェット病」ですが、これはシルクロード沿いの国に多く日本も多発国のひとつです。ちなみにベーチェットさんはトルコのお医者さんの名前です。
1991年の調査ですが「ベーチェット病」の患者数は日本国内では18300人で男性にやや多く徐々に増えつつあります。罹病率では15000人に1人ともいわれます。しかし、アメリカでも全く無いわけではなく研究も随分と進んでいます。ワシントンDCでしたら専門家もいらっしゃると思います。
日本では聖マリアンナ医科大学の皮膚科溝口昌子教授が最近は「ベーチェット病」について良く名前が知られています。あまり気にしてはいけませんが女性ですので受診しやすいかもしれません。
ワシントンDCで日本語を話せる医師としてはジョージ・ワシントン大学医学校ご卒業のノリコ・サカイ・ハンターさんがいらっしゃいます。電話は703−444−3345です。一般内科と婦人科をご専門とされておられるので今回の場合ご相談にのっていただけると思います。簡単な診察だけでしたら100ドルくらいで診てもらえるとのことですが確かめてください。ご質問者は既に数年間アメリカにいらっしゃるので英語がご担当でしたらワシントンDCでしたらベーチェット病の専門医もいると思いますのでご紹介願っても良いでしょう。
検査については針反応は陰性のようですね。潰瘍の生検で診断を確定しておくと気持ちの区切りもついて良いかもしれません。組織の一部を取り出して顕微鏡などで検査をするのです。もちろん潰瘍があるときにしか出来ません。 この他にHLA−B51の検査も大変参考になります。一般の日本人では16%しか陽性に出ませんがベーチェット病の人では50%が陽性に出ます。 いずれの検査も詳しい値段は知りませんが自費でやると日本でもアメリカでもかなり高額になります。日本の保険を使うのがやはり一番安いのでしょう。
長期の病気ですのでご帰国の折をみて溝口先生を受診されるのが良いかもしれません。聖マリアンナ医科大学附属病院は電話044−977−8111ですので溝口教授の初診診察日などを電話で確かめて行かれると良いでしょう。お知り合いの先生に紹介状を書いてもらうと他の医者に回される可能性が少なくなります。 疲労、ストレスなどで増悪しますので極力避けるようにすることが重要です。是非ともお大事になさって下さい。
To: 足立憲昭
Date: Thu, 15 Jul 1999 12:13:05 -0400
こちらの気持ちを配慮してくださったお答えを頂き、本当にありがとうございます。
お教え頂いたサカイ・ハンター先生にも電話をかけてみたのですが、少し家から遠かったこともあり、他にもいろいろ考えて、主人(アメリカ人)にもっと協力してもらいやすいようにすることにしました。
今までは、夫婦とはいえ恥ずかしくて、病気のことをあまり詳しく説明していなかったのですが、これではいかん、と思って、これからは、通訳兼マネージャーになってもらうことにしました。サカイ・ハンター先生も卒業されたジョージ・ワシントン大学に、ドクター紹介サービス というのがあることがわかり、そこに電話をかけ、主人が私の病状を説明したところ、家から近い所にある産婦人科を紹介されました。
そこは同大学卒の先生が5人いる産婦人科だそうです。明日行くことになっています。有難いことに、母が今までの病気の経歴を記録していてくれたので、それをファックスしてもらい、今日これからそれを翻訳します。
生検をするらしいので、細胞を採った後の傷が深い潰瘍になったらいやだなあとか、いろいろ不安ですが、主人に手伝ってもらってがんばって行ってきます。
日本に帰ることも考えたのですが、今飛行機に乗ると、また歩けないくらいひどくなる(飛行機で長時間座っているとなぜかとても悪化するのです)と思い、まずこちらでお医者さんに行ってみる方を選びましたが、帰国する際には、ぜひ聖マリアンヌ医科大学付属病院に伺いたいと思っています。
貴重なお時間を割いていろいろと調べてくださり、本当にありがとうございます。明日一体どうなるかわかりませんが、またご報告させて頂きます。そちらはもう梅雨は明けたのでしょうか?前回、こちらが猛烈に暑かったため、つい「盛夏の折」と書いてしまい、失礼しました。先生方も御自愛くださいませ。
To: DR.Adachi" " FE4N-ADC@ASAHI-NET.OR.JP"
Date: Thu, 22 Jul 1999 09:51:54
-0400
Subject: No subject was specified.お元気でいらっしゃいますか。梅雨はもうそろそろ明けたのでしょうか。
近況報告いたします。
やはりベーチェットかもということで、その先生の知り合いの皮膚科の先生を紹介されました。
他の自己免疫系統の病気の可能性もまだあるので、それも調べてみるという話です。明日行ってきます。
もしベーチェットだとなった場合、治療法は、アメリカと日本で違うのかな?漢方薬などは治療に使えないのかな?(長期の病気なら、私としてはできるだけ副作用の少ないものを使いたいと思うので)とか、まだその病気とわかったわけでもないのに、いろいろな「?」が頭に浮かびます。とりあえずは行ってみて、その先生と話してみます。(漢方のことはわからないと思いますが...) またご報告させて頂きます。
近日中に日本の親のほうから**させて頂きます。 先生方もお元気で よい夏をお過ごしください。