質問・回答(0232)


「アトピーに伴った原因不明の丘疹」

Date: Sat, 26 May 2001 16:46:46 +0900

 初めまして。質問フォームには書ききれないと思いまして、メールにて質問させていただきます。

過去の質問と回答を読んで、アトピー治療に安易にステロイドを勧めない先生のお考えなら、親身に話を聞いていただけると思い、相談させていただきます。

 実は原因不明の丘疹に悩まされています。私は3才頃(現在31歳)からアトピーでステロイド治療を10年以上くらいして、その後ステロイドに疑問と怒りを感じて現在は自宅で温泉治療を行っています。薬に頼らないで治したいと考えており、離脱も何回もして温泉でアトピーはかなり良くなってきました。

 ところがおととしの夏前から、背中の両肩甲骨の外側、おへその上(ウエストあたり)、おしりの割れ目ちかくに毛穴が盛り上がった丘疹が密集して出てくるようになりました。中心部の盛り上がった部分が赤く、痛みもかゆみも熱もなく、石鹸で洗ってもしみる事もありません。ただ、ジュクジュクと中心部の赤い部分から黄色い汁が出て、夜寝るとシャツやシーツに染み出るほど汁が出て張り付き臭いもあります。

剥がしたりして刺激を加えるとヒリヒリしたりムズムズします。夏が過ぎて涼しくなると乾いてきて丘疹が平らになってきて治ってくるといった経過をたどりますが、決してかさぶたにはなりません。

 この丘疹ができると夏の間、汗とジュクジュクで外にも出れず、お尻にできると座れないし、気になって夜眠れなくなります。 そして、去年の夏前6月からまた同じ丘疹が同じ所に出てきました。

しかし、秋になっても一向に良くならず、温泉に入っていてもアトピー肌の部分は良くなっても丘疹はなかなか平らにならず思い切って皮膚科に行きました。そのときに「しょう液性丘疹」と言われました。

汗に反応して出るということでしたので、だから夏になると出てくるんだと納得したのですが、冬になっても良くならず、逆にどんどん広がってきてしまい、今では左右の胸から脇、背中の広範囲、左右お尻のほっぺ部分、左右ももの内側外側付け根から膝にかけて、右腕の二の腕の外側とできてしまっています。(左右対象で皮膚の柔らかいところにできています)お尻全体にできてしまって、座ることもできない状態です。日中汁が乾くときもあるのですが、夜寝ると汁が特に背中、脇、胸、お尻から出てきます。寝たときにビショビショになるほど汁が出て、その汁が付着するせいで広がっていくような気もします。

 たまたま微熱が 1週間以上続いたので、かかりつけの内科に行き、簡単に説明と、症状を見せたところ、アトピー肌の上にウィルス性の丘疹ができているのではないかと言われました。

家庭の医学書やインターネットの皮膚病検索で探しても同じような症状が見当たらず、悩んでいます。カポジやカンジダ?似ているようでも丘疹自体に痛みや痒みはないのです。アトピーとは別のような気がしています。

ただ、離脱の時にも同じ症状が出たこともあります。おととしは、この丘疹が落ち着き始めたところで、帯状疱疹になりゾビラックスを処方してもらいました。帯状疱疹が治る頃には丘疹も治りました。そう考えるとウィルス系のものだったのかなとも思ってきました。

 かれこれこの丘疹ができてから1年経ち、自由に外に出ることも座ることもできず精神的にも限界を感じています。温泉では治らない症状なのでしょうか。もう一度皮膚科に行く前に、足立先生に相談したく質問した次第です。

ウィルス性なのかそうでないのか、病名と原因、ステロイドを使わずに治すことは可能でしょうか。
どうぞ、よろしくお願い致します。

 去年の夏に撮った写真を添付します。このころより現在は広範囲に及んでいます。(お尻の写真は5年前くらいに離脱したときの写真です。背中の白く色が抜けているのは帯状疱疹の痕です。)



Date: Sat, 26 May 2001 21:14:35 +0900

「アトピー性皮膚炎」の合併症として最も注意しなけらばならないのは「カポジ水痘様発疹症」「伝染性膿痂疹」などの感染症です。特に「カポジ水痘様発疹症」は直径3mmほどの平べったい、しかもほぼ円形の丘疹が特徴ですが「伝染性膿痂疹」と同様急性の発熱性疾患です。

ご質問者の場合はかなり慢性の症状ですので別のものが考えられます。

「アトピー性皮膚炎」には「苔癬化」と言って皮膚が分厚くなってくることがしばしばみられます。ご質問者の場合もある程度「苔癬化」も伴っているようではありますが、ご質問文からはむしろ「丘疹」を特徴としているようです。

「アトピー性皮膚炎」に合併するものでしかも丘疹症状を伴うものとして最もよくみられるのは「痒疹」です。結節型と掻爬型とに分類する人もいます。

痒みを伴った比較的大型の丘疹が、始めは融合傾向は少なく孤立性に散在することが多いです。成人の四肢(手や足)、躯幹(背中や胸、おなか)、殿部(おしり)などに良くみられます。長年経つうちに次第に扁平化融合し、苔癬化することもあります。

PUVA療法と言って薬を飲んでから紫外線を当てたりする光線療法、凍結療法などで痒疹結節消失に成功したという報告もあります。ご質問者の皮膚所見に似たところも多いですが痒みが無いのはあまり当てはまらないので違っているかもしれません。

「アトピー性皮膚炎」に丘疹がみられた場合に考えなければいけないものには下記の如く他にいろいろとあります。

1.cutaneous focal mucinosis
2.丘疹性黄色腫
3.サルコイドーシス
4.lichen myxedematosus
5.痂皮性膿痂疹
6.その他

3.は全く別の病気が合併したもので偶然かもしれません。

「アトピー性皮膚炎」による痒疹については藤田保健衛生大学皮膚科の上田宏先生、秋田浩孝先生が有名です。

香川医科大学皮膚科の西本正賢先生、沼原利彦先生、中嶋邦之先生も大変熱心に取り組まれています。
合併症の治療方法も随分と検討なさっています。

「アトピー性皮膚炎」のその他の合併症については獨協医科大学皮膚科の大塚俊先生、順天堂大学の大熊よう子先生などもよく研究されています。

詳しくは存じ上げないのですがステロイドに対する考え方はご質問者の方と違っているかもしれませんね。

最後に、ご質問項目のお答えをしておきます。

ご質問者の丘疹は経過が長いことからヘルペスウイルスによる「カポジ水痘様発疹症」は考えにくく他のウイルスの可能性も低いと思います。

考えられる病名は上記の如くたくさんあり、診察無しに診断することは出来ませんし、ステロイドを使わずに治療できるかどうかは疾患によります。

以上お答えとさせて頂きます。


Date: Mon, 04 Jun 2001 13:27:33 +0900

こんにちは。お返事ありがとうございます。
病名が分からなかったのは残念でしたが、参考になりました。 内科で血液検査をした結果、内臓に異常は見られなかったので、 紹介された皮膚科に行ってきました。 そこでの診断も結局、この丘疹がなんであるかは、分からずアトピーのひどいも のということだけでした。

私としては、丘疹自体にかゆみがないので違うものだと思うのですが。 ステロイドじゃないと効かないと言われ、なるべく使いたくないことを伝えたと ころ、弱いものを処方され、他のものと混ぜて使ってもよいとのことでした。

 ・キンダーベート軟膏  ・アズノール軟膏   ・亜鉛華軟膏  ・白色ワセリン  ・ゲンタシン軟膏  ・アレロック錠 を処方されました。

精神的に限界なので早く丘疹を治したいが、正直ステロイドをまた使うのかとい う葛藤があって、短期間だけと言っても不安があります。 ジュクジュクがあって黄色い汁で広がる傾向もあるので、とりあえずゲンタシン を使って、それでも落ちつかなかったら、ステロイドを使おうを思います。

痒みがないから一年経ってしまった訳で、原因が分からないと予防策ができない ので困ります。 症状が落ち着いて外出できるようになったら、先生の回答にもありました専門家 に一度診てもらいたいと思います。