
>Date: Thu, 16 Aug 2001 10:22:28 +0900
母60歳が2〜3ヶ月前に風邪をこじらせ、症状が長引いたため、診察を受けたところ「ぜんそく」と診断されました。その後、薬や注射にて治療を行なっておりますが、夜になりますと、ほぼ毎晩と言っていいぐらい、1時間に1度の割合で発作(呼吸困難)が起こります。そのため、夜ほとんど眠れない状態が続き深刻な状態になっております。
主治医の先生もこのような「ぜんそく」の症状は初めてであり、困惑されておられる状況です。発作自体はタンがからんでなるようであり、数分で収まりますが、そのたびに目が覚め、眠れなくなるのが非常につらいそうです。
昼間は発作が起こる回数も少なく、吸引器の使用により、生活には支障が少ないのですが、夜の発作をどうにかすることが出来ないものでしょうか。何か良い治療法や対処法などございましたら、お教えいただければと思っております。
初めての質問にて文書のまずさ等ございますが何卒よろしくお願い申し上げます。
Date: Thu, 16 Aug 2001 16:26:36 +0900
メール拝見しました。
夜間の「気管支喘息」の発作頻度が多く、主治医の先生も困惑されているようですね。
まずは「気管支喘息」の診断が正しいかどうかが重要です。「気管支喘息」と考えていたけれども、症状が特に激しいのでよく調べてみたら実はその症状のもともとの原因に場合によっては「肺癌」や「気管支癌」、「肺結核」であったりすることもあります。レントゲン検査はもちろんのこと胸部CTや喀痰の細胞診、血液検査など基本的な検査はしておかれると安心です。
次に治療ですが、症状が夜間にひどいようですので昼間に飲んでいる「気管支喘息」の中のテオフィリンという系統のお薬を夜寝る前に持っていくように処方を変更してもらうことで改善することがあります。
吸入薬ですが卓上の大きな吸入器のほかにポケットに入るような小さい吸入器でステロイドという薬を利用することにより著明に症状が改善する場合が多いです。これは小児喘息などでも利用できます。
高齢者の場合は、ステロイドのほかに「抗コリン薬」という種類の薬の入った吸入器を使用することにより喘息症状が良くなられる方が目立ちます。
この他に最近は喘息の内服薬で「抗アレルギー剤」や「抗ロイコトリエン」薬という新しい種類のものが出てきており、特に「抗ロイコトリエン」は効き目がはっきりする人も多いですので「困惑」していないで、使い慣れた薬から次々と試してもらわれると良いでしょう。
余り感染症の症状が目だたなくてもクラリスという抗生物質を朝晩2錠何週間か続けて内服すると何故か症状が改善される方がこれも高齢の方の場合多いです。
いずれも医師が処方する薬ですので自分勝手に変更するのではなく、受持ちの先生とよくご相談の上で処方してもらう必要があります。
以上お答えとさせて頂きます。
どうぞお大事になさって下さい。
Date: Mon, 20 Aug 2001 10:14:32 +0900 Subject:
: 病気個別相談
追加質問でお願いします。 お世話になります。 丁寧なご回答ありがとうございました。
先日お教えいただきましたそれぞれの薬につきまして 副作用の有無、程度をお聞きしたいと思います。
1.テオフィリン 2.ステロイド 3.坑コリン薬 4.坑アレルギー剤 5.坑ロイコトリエン
6.クラリス 以上どうぞよろしくお願い申し上げます。
Date: Mon, 20 Aug 2001 16:43:16 +0900 Subject:
: 病気個別相談お答え
メール拝受しました。 「副作用の有無」など、個々の薬の副作用のご質問ですが、通常病院で処方され
る薬で副作用の無い薬は無いと思って下さい。水溶性のビタミン剤などごく稀な
例外を除きほとんどで数十種類の副作用の報告があり、私は薬の処方をする場合、
できるだけそれらをすべてお知らせするようにしていますが皆さんびっくりされ
ます。
但しそれらの副作用はその薬を使った人全員に起こるというわけではありません
から病気を放っておいた場合の身体への害と勘案して使用するわけです。 1−6はいずれも「気管支喘息」の治療によく使われる薬で私もたくさんの患者
さんに投与してきましたが大きな副作用を経験したことはありません。
そういう意味では通常病院で使われる他の薬と比べますといずれも報告されてい
る副作用の頻度や発生可能性が極めて低く、そういう意味で比較的安全な薬とい
えましょう。 しかし、大きな副作用に私がめぐり合ったことが無いのは副作用が無い薬だから
ではなく、一人一人の患者さんにそれぞれ慎重に投与方法、投与量など吟味して
使用するようにしているためもあるでしょう。
実際、水溶性のビタミン剤などごく一部の例を除いて副作用の無い薬はなく、 2.のステロイドなどは局所療法ではなく全身投与などを行いますと感染症、糖 尿病、十二指腸潰瘍の破裂など大変な副作用を持っている薬です。いずれにして も1−6の薬剤は経験ある医師の診察の下で医師の指示と処方に従って使用すべ きであります。
では、項目ごとに報告がある主な副作用を書いておきます。 全部は書ききれませんのでいずれも報告がある副作用のごく一部です。
繰り返しになりますが今までたくさんの方々の診療を行ってきていますが、私の
患者さんでは「抗アレルギー剤」での眠気以外には以下の副作用にかかられた方
はお一人もいらっしゃいませんでした。しかし、いずれにしても薬というものは
十分に気をつけて使用すべきであることには変わりありません。
>1.テオフィリン 慎重に投与量を決めないと血中濃度が上がり、その場合痙攣、横紋筋融解症など
重大な副作用を起こすことがあります。 この他に少量でもアナフィラキシー発作、肝機能障害、動悸、吐血、タンパク尿
など数十種類の副作用の報告があります。
>2.ステロイド 全身投与では上記のほか多種の副作用があります。吸入で使用する場合はその頻 度は全身投与に比べて極めて少なくなります。しかし、口の中のカビの発生など の報告がみられますので吸入後のうがいが勧められます。
>3.坑コリン薬 頭痛、吐き気、発疹、口腔内乾燥、その他の報告があります。
>4.坑アレルギー剤 眠気はしばしば見られる副作用です。 頻度が低くてみられるものには無顆粒球症、霧視、口渇、など数十種類の副作用
の報告があります。
>5.坑ロイコトリエン 白血球減少、血小板減少症、肝機能障害その他。
>6.クラリス ショック、皮膚粘膜眼症候群など。
BR> Date: Wed, 22 Aug 2001 10:18:12 +0900
Subject: Re: 病気個別相談お答え
ご回答ありがとうございました。
大変参考になります。