質問・回答(0247)


「多汗症は遺伝しますか?」

Date: Tue, 11 Dec 2001 06:42:14 +0900

私は中学生くらいから掌に異常に汗をかくことに気づきました。特に緊張しているわけでもないのに、季節を問わず汗をかきます。
それが「手掌多汗症」かどうかはわかりませんが、治療して治るのであれば直したいと思っています。冬は汗もかきますが、ひび割れもひどく、1歳になる息子も同じような症状が出ています。皮膚科にかかったところ、「汗泡」だとのことでした。私も中学生のときに受診したら、「多汗症」と言われて塗り薬をもらいました。
精神的なことが関係しているのではと、神経科も受診しましたが成果は出ずに終わってしまいました。異常に汗をかくことで、嫌な思いはもちろん沢山してきましたが、子供に塗り薬を塗る時など、汗と混じってしまい困ってしまいます。また、これから子供と手をつないだりすることも増えてきますが、ためらってしまいます。子供への遺伝もとても心配です。

Date: Tue, 11 Dec 2001 12:28:33 +0900
ご相談のメール拝受しました。

まず、多汗症と遺伝ですが、多汗症の患者さんにお伺いすると3人にお一人位の割合でお父様、お母様も汗が多いといことですので、遺伝疾患というよりは多汗症になりやすい体質は遺伝するのかもわかりません。

次に治療法ですが、多汗症にはいろいろな治療法が言われていますが、手術ほどはっきりとした効果がある方法は私の知る限り見当たりません。

なかなかどこででも受けることが出来るものではありませんがたまたま現在私が勤めている病院でやっていて日本全国各地から多汗症の患者さんが手術を受けに来られて、結果が良いのでほとんどの皆さんがとても喜んで帰って行かれます。

この手術の名前は正式には「胸部交感神経切除術」と言います。もちろん厚生労働省でも正式に認めている手術で健康保険も効きます。

以下、手術の仕組み、日程、副作用、費用の順に説明します。

手術のしくみ

胸の中の背骨の横に縦に長く「交感神経」という細い紐のような白い神経線維が連なっています。そうしてこの交感神経からの刺激で手のひらや脇の下の汗がでるのです。手術ではこの汗を出す命令を出している交感神経を焼き切ってしまいます。
手術は麻酔で意識を無くして、痛みも分からないようにしてから胸の上部・脇の下、2カ所に2ミリくらいの穴を開けて肺をしぼませた上で細い管で中をのぞきながら行います。この操作自体は15分ほどで終わります。
麻酔をし始めてから大体30分から1時間くらいで終わることが多いです。

手術の日程

手術は入院して頂いて行います。
手術のことをよく分かった上で行うかどうかご自分やご家族ともご相談の上で決めて頂くためにも一度は病院の外来に来て頂いて(出来ればご家族もご一緒に)手術の詳しい説明を聞いて頂きます。手術が決まれば安全に行うためにご本人様は手術の前にレントゲン写真、心電図、簡単な血液検査をして頂きます。この説明のときにこの検査や手術の予約をして帰られる方も多いです。

手術日は原則的に土曜日になります。金曜日午前中に入院して頂き手術の最終チェックをして翌日の手術に備えます。
手術後日曜日は術後の回復が順調であることを確認した上で普通は月曜日にお帰り頂きます。

手術の副作用など

手術の副作用としては「代償性発汗」というのがよくあります。手のひらの汗が少なくなった分、腰や足の汗が増えるのです。
「気胸」と言って肺の膨らみの回復が遅れることも稀にあります。これ以外にも「ホルネル症候群」などたくさんの副作用が報告はされていますが「代償性発汗」「気胸」以外には200例近くの今までの経験ではほとんど見られたことがありません。これらについては事前の手術の説明のときに詳しくお話します。

費用はどのくらい?

入院費用も含めての手術費用は保険が適用されますが、2割負担の方で約10万円ほどの自己負担になります。しかし、今(平成13年12月11日現在)でしたら¥63,800を越える分に関しては高額医療の対象になりますので、保険組合に請求することにより、組合より返金されます。

この他、わからないことは何でもお聞き下さい。お答えします。