質問・回答(0263)


「グリオーマ脳腫瘍の術後の放射線療法」

Date: Fri, 26 Apr 2002 16:49:23 +0900 (JST)

昨年末から、2回の痙攣発作があり、検査の結果左前頭葉に6センチ大のグリオー マが見つかり、3月*日に手術で摘出しました。 現在は後遺症もなく、まだしんどいけどなんとか回復に向かっています。
MRIで3パーセント脳内に残っているのがわかり、また、組織検査で星細胞腫 と乏突起こう腫の混在型でグレード2だということがわかりました。

今後、放射線療法と化学療法を勧められています。これは、絶対的なものなので しょうか。ズバリこれで治癒できる可能性はあるのでしょうか。 治験の段階でこれに対する回答は難しいとは思うのですが、しないとしたのでは。 予後にあきらかな違いがあるのでしょうか。 放っておいたら、必ず再発しますか? 再発は最初できたのとは、ちがう形でおこるのでしょうか。 脳内にくいこみやすくなるのでしょうか。

再発してから、ガンマナイフ等の処置はむりですか? また外科手術で取り除くことはむりですか? こんなに大きくなるまで、言語とかの症状はでなかったわけですが、今後の再発 ではなんらかの症状がでる可能性が高いのでしょうか? このようなケースでは、治る見込みはないのでしょうか? 脳外のドクターがもし同じ立場に立ったら迷わず放射線と化学療法を受けますか? 正直かつ詳しい説明をお願いいたします。

先日他のインターネット相談にメールしたのですが、 全く誠意の感じられない回答が帰ってきて失望しました。 4>織も断定しているのですから詳しい説明がほしいです。 主治医からはあまり詳しい説明もなく、また聞き辛いので。

Date: Sun, 28 Apr 2002 14:08:21 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

メール拝見致しました。  苦労をして大きなグリオーマの手術を受けられた上にさらに放射線療法と化学 療法が必要と言われたとのことお気持ちお察し致します。

「星細胞種」と「乏突起膠腫」の混在型とのことですね。 この二つはいずれも「神経膠腫(グリオーマ)」に属します。 「神経膠腫」は神経線維の周りにある組織の腫瘍で、 成人の脳腫瘍で最も多いもので全体の約3分の1を占めます。 「神経膠腫(グリオーマ)」には「星細胞種(アストロサイトーマ)」や「乏突 起膠腫(ぼうとっきこうしゅ、オリゴデンドログリオーマ)」、「上衣腫(じょ ういしゅ、エペンディモーマ)」などがありますが8割から9割は「星細胞種 (アストロサイトーマ)」です。 通常の型の「星細胞種」や「乏突起膠腫」は悪性度はIIとされます。

残念ながら放射線療法は、「ズバリこれで100%完全に治癒できる」というも のではありません。 通常の型の「星細胞種」で取り残しがあった場合、手術のみでは 5年生存率が10%から32%と低く、手術後放射線療法を行った場合には 5年生存率が50%くらいに良くなってくるので一般に放射線療法が勧められて いるわけです。 化学療法についてははっきりとした効果が証明できるほどの成果は上げられてい ませんが放射線療法と一緒に行うと少しはその効果が上がるのではとも言われて います。

通常の型の「星細胞種」取り残しがあればほとんどの場合再発をしますし、再発 した場合の80%以上が少なくとも細胞の形は悪いものになり浸潤の傾向が出て きます。ですから、放射線療法が勧められる理由はこういうところにもあります。 また、再手術は勧められませんし、再手術をするくらいなら1回目の手術のとき に十分に取っておくということの方が重要です。

「神経膠腫」に対するガンマナイフ療法は一般的ではありません。 脳外科の医師が同様の病気になれば上記のことを熟知しているはずなので 徹底的な手術と手術のあと、取り残しがはっきりとした場合には化学療法を併用 した放射線療法を受けると思います。
前頭葉ですので比較的いろいろな症状は出現しにくいのですが再発してしかもそ れが広がった場合には、けいれん、手足の麻痺(特に手の麻痺)、視野傷害など の症状が出てくる可能性はあります。

以上のような状況でこれだけ医学が進歩しているようでいながら 良い結果をお伝えすることが出来ず申し訳ありません。 しかし、上記の生存率のパーセンテイジなどは世界的に、はっきりと認められて いる結果の発表のみをもとにしてお知らせしたもので、これらの結果が出てから その後も少しでも生存率を上げることが出来るよう全世界で治療技術が進歩して きていますし、個人個人の患者さんに対して努力がされていますので、 現在ではたとえ未発表でも生存率など実際にはもっと上がってきているはずで それらの結果は今後さらに良い成績が学会などでも発表されることでしょう。

上記をご参考になさって主治医の先生のご意見やご見解、それから主治医の先生 ご自身の今までの治療経験を十分にお伺いになった上で放射線療法もお受けにな られるのが良いと思います。 そうすることにより再発を少しでも遅らせたり押さえ込んでしまわれて、一般人 と同様に長生きをされるよう望んでいます。

なお、直径が6cmとのことですが通常の「星細胞種」では腫瘍の大きさや手術 で取り出した腫瘍の量、放射線照射の範囲によって予後が良くなったり悪くなっ たりすることは無いとの報告があります。 6cmと大きいからといってがっかりすることはないし、 逆に例えば1cmや2cmと小さかったから心配ないとも言えないわけです。 以上、お答えとさせて頂きます。 どうぞ、お大事になさって下さい。

Date: Mon, 29 Apr 2002 09:40:01 +0900
ご回答ありがとうございました。 よく検討させて頂きます