質問・回答(0291)


「胆石の腹腔鏡手術と開腹手術の危険性」

Date: Sat, 04 Jan 2003 18:55:29 +0900

6*歳の主婦ですが、10数年前に胃痛と思って診察を受けたところ砂粒状の胆石が充満しているのが原因と診断されました。

一時、溶解療法をけましたが、改善が見られなかったため、その後抜本的な治療はしないままできました。この間、多食時や疲労がある場合に痛みが強くなり、近年は年に1、2回、冷や汗をかくような特に強い痛みがあるため、2002年末に改めて検査を受けたところ、胆嚢内の結石が胆管に下りてきたための痛みだと診断されました。

治療方法については今回は手術もやむを得ないかと覚悟しておりましたが、私の場合、25年前に子宮ガンの手術を受けたことがあり、その際に組織が癒着したため、腹腔鏡下胆嚢摘出術はできず、通常の開腹手術しかできないと言われました。

ただ、開腹手術をするにしても、もともと体力のあるほうではなく手術時間も長く、回復にも時間がかかるとのことで、外科の先生からは手術するにしても十分考えた上で判断したほうがいいとのご意見でした。

一方、先に検査を受けた同じ病院の内科の先生からは開腹手術であっても受けたほうがいいと言われました。

私としては実際に執刀する外科の先生のご意見が慎重なので、どうしたものか決めかねています。要するに患者である私自身の責任で判断すべきだということなのだと思うのですが、開腹手術をした場合の危険度がわからないので迷いがあります。

私の平常の体重は40キロですが、今回の入院で36キロになっています。血圧は低血圧気味ですが安定しています。

そこで、足立先生におたずねしたいのですが、

1)組織の癒着がある場合、開腹手術以外の手術法は無理なのでしょうか。(癒着の程度は知らされていません)

2)開腹手術をする場合のリスクはどの程度と見ておけばよいでしょうか。

3)このまま手術せず、経過を見るという選択肢もあるでしょうか。
以上、なにとぞよろしくお願いいたします。

Date: Sun, 05 Jan 2003 23:59:49 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

病気相談を多数の方から受けていますとどうしてもお気持ちを取り乱されて書かれたという状況がはっきりと分かるご相談が多く、それはそれで致し方ないことと考えてお答えしていますが今回のご相談を拝読しますと、大変冷静にご自身の病態を捉えられており、大変感心してしまいました。

ご自身の病状についてこれだけ客観的に、冷静に見据えることが出来る方は実際にはそうはなかなかいらっしゃらないものです。大変結構なことと思います。

それではご質問項目に従いましてお答え致します。

1)組織の癒着の程度に拠ります。
  癒着が高度と考えられる場合は開腹手術が安心です。癒着が軽ければ「腹腔鏡下胆嚢摘出術」も考慮すべきです。
  しかし、癒着の程度というのは実際に見に行くわけにもいきません。
  見に行こうとしてお腹を開けるとその結果、さらに癒着の可能性が高くなってしまいます。  大変ファジーな、どちらかというと曖昧な判断しか出来ないのが実情です。

2)開腹手術での危険性は現在では極めて低いものです。
  もちろん、生身の体ですので絶対などということは有り得ません。しかし、昭和天皇の件でも衆知のごとく相当のご高齢の方でも 開腹手術を受けられることも当然のようになって来ています。
  開腹手術の危険性は特殊な医療事故やMRSAやVRAなどの院内感染、その他を除けば手術自体はとても安全で危険性は少なくなりました。
  
3)このまま手術をせず、経過を見るという選択枝もあります。
  しかし、そうした場合、急にお腹が痛くなって緊急手術となると 全身状態も不安定で、病院側も大慌ての中で手術体制を整えることとなり、どうしてもいろいろなことが起こりうる可能性が増すことは否めません。
  ましてや旅行中などに腹痛発作が起こると 設備や良医の整った病院に搬送してもらえなかったりなどと さまざまな怖いことが私の胸にも過ります。
  しかし一方、開腹手術をすればそれだけ癒着の可能性が高まり将来ちょっとしたことで便秘やイレウス(腸閉塞)を起こす人も中には いらっしゃいます。そういうことを考えると、ほとんど自宅に居る生活で、しかもいつ何時でも手術に駆けつけて下さる信頼出来る良い外科のお医者様がお近くにいらっしゃる場合は 手術をしないで様子を見るという選択枝も良いかもしれません。

以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。


Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お礼
Date: Tue, 07 Jan 2003 01:30:52 +0900

足立先生 胆石についてのご回答、ありがたく頂戴しました。お忙しい中ていねいな返事をいただき感激しております。
これで治療に対する自分の考え方も整理でき、相談をお願いして本当に良かったと思っております。
家族とも話し合った上で、近く追加の質問をお願いしたいのですが、その節は何とぞよろしくお願い致します。なお、***としてのお約束*を*****の**に****ましたのでご確認いただければ幸いです。
まずはお礼まで