質問・回答(0292)


「すがる思いでメールします。胃がんについて」

Date: Thu, 09 Jan 2003 22:04:35 +0900

拝啓、すがる思いでメールします。胃がんについてお尋ねします。
私の母5*歳が胃がんを宣告されました。何ヶ月も前から急にやせ始め、何を食べてもおいしくない。背中が痛いと言っておりました。

どれだけ医者に行けと言っても聞かず つい2か月前に病院に行きました。ある程度覚悟はしていたらしく初診で自分はガンだと聞いてきました。 「すぐに手術をしましょう」と説明を受けたそうです。ほかのガン専門の病院で見てもらったほうがいい、と家族がいくら言っても聞かず、「今ならすぐ手術してもらえる。転移もしていないから」と一人で入院を決めてしまいました。家族は検査入院前に担当医から本人のいないところで「ガンは胃の全て、食道にも広がり、出口までもが狭くなり、胃の下にも広がっている。すい臓に癒着している。胃には水がたまっている。食事ももうできなくなるだろう。肺 肝臓には今のところ転移していないが、もう手の施しようがなく stage4の末期で手術は不可能  春までの命」と説明を受けました。

 レントゲンでは胃全体がガンで厚い壁に覆われていました。    
                           
  「どこの大きなガン専門の病院でも同じですか?」失礼を承知で伺ったところ「少しは延命になるかも知れないが どこの病院でも同じです」ときっぱり言われました。そういうクールな先生なのでしょうが、私たち家族はうちのめされました。

 一通り検査が終わったあと、再度担当の先生から説明を受けたところ「今のまま手術をしたのではガンがリンパを通じて広がり、もっと死期がはやくなる。しばらく強い抗がん剤で様子をみてガンが小さくなってすい臓から離れたら手術をしましょう」とのことでした。

すでに抗がん剤を投与し始めて1ケ月半たちました。抗がん剤投与前はご飯も食べていたのですが投与は週1回ですが副作用からでしょうか ほとんど物が食べられなくなりました。 点滴で栄養を取っています。 白血球? タンパク 免疫力が低下しており、肺炎を起こすからと外出も許されません。最初は見放されたのに検査をしてから見解が変わったのでしょうか。それとも抗がん剤は気休めに過ぎないのでしょうか。先日検査をしたらガンはかわらずの状態だそうです。医師の説明に疑問を感じたため本人に転院をすすめたりもするのですが、「同じ検査は嫌だ どこに言っても同じ」と言い、「セカンドオピニオンなど医師を信頼してないことになるから絶対頼むな」と周りから強く反対されました。本当にどこへ言っても同じとなると今の病院に居ずらくなりなおさら頼めません。

そこで質問ですが

1 上記の病状からして今の状態だと手術は本当に無理そうでしょうか。本などでよく拡大手術をして元気にされてるかたがいらっしゃいますが。。。

2 肺 肝臓に転移していないのに本当にSTAGE4の末期なのでしょうか。

3 一度末期といわれた患者に対しての抗がん剤の効果はあるのでしょうか。
  これほど大きくなったガンがすい臓から離れて小さくなることはあるのでしょうか

4 本人を説得したとして、今の状態での転院は無理でしょうか。(よく熱がでるのですが)
  それとも今の先生を信頼して信じてお任せしたほうがよいでしょうか。やはりどこの病院でも同じでしょうか。
  もし転院となった場合でも次の病院の検討もつきません。少し離れたところに大学病院があるのですが、今の先生がそこのガン研究所にいらしたそうです。ということはその大学病院に行っても同じでしょうか。 紹介状は必要でしょうか。

6 もし手術ができるようになった場合いわゆる名医と呼ばれる先生を呼んで手術してもらうことは可能でしょうか。
  あいにく今の病院では胃がんの手術の実績があまりないようです。

7 何ケ月か抗がん剤で様子をみてやはり手術は無理となったら 手術をして治るものと思って入院してる本人へはどう説明すべきでしょうか。
  もし自分が助からないとわかると 本人は何をするかわかりません。

確かにここ数ヶ月で誰が見てもわかるくらいに体重は減っています。素人の私から見ても明らかに病人とわかるのですが、手術をしてもらえばあと何年も生きられる気がしてならないのです。どなたか1人でもよいので主治医のほかに専門の方の意見が聞ければ納得もするのですが、1つの病院でしか見ていただいてないためなおさら あきらめがつきません。本当に末期ならば私もあきらめるしかありません。現実を受け止めようと思います。
どうかはっきりと末期なら末期とお答えください。手術をして元気になろうと入院したのに手術もしてもらえず、本人が一番つらいはずですが、このままだと私もどうにかなりそうです。

お忙しい折 大変申し訳ございませんがよろしくお願い申しあげます。 

Date: Sun, 12 Jan 2003 21:31:17 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

進行癌との宣告を受けられて何とか方法は無いものかとお母様のことを思われるお気持ちが伝わって参ります。

以下、ご質問項目に添ってお答え致します。

2.おそらくCTやMRIなどで膵臓にまで浸潤している様子をご覧になったのでしょうが他の臓器にまで癌が浸潤した場合は、肝臓や肺に転移がなくてもある程度胃の周囲のリンパ節に転移があればStage 4と分類され経験的に最も予後の悪い分類に入れられます。但しこれはあくまでも平均的なものでその人その人で随分と様子が違ってくることも多いものです。

「手の施しようが無い」、「春までの命」と言われたとのことですが、決して決め付けておられるのではなく、手術や抗癌剤で治る可能性がかなり低い、経験的にこの程度であれば数ヶ月でお亡くなりになる場合が比較的多いという意味でおっしゃたのだと考えられます。

1.一般にStage 4では癌を治すための手術はほとんど無理と考える先生が多いです。Stage 4の場合でも手術を行うことがありますがそれは治療のための手術ではなく癌のために食べ物の通りが悪くなったところを広げたりするなど症状を抑えるための手術です。

3.胃癌の場合、抗癌剤の効果は極めて限られていますので現在の状態で「癌が膵臓から離れて小さくなる」というような効果が出る可能性は極めて低いです。

4.白血球の数が減って来ているときに救急車を使って転院となるとそれをきっかけに肺炎を発症したり転院の途中で急変をするなどの危険性が高まってきます。
転院により病状の回復がかなり見込まれるなどということの無い限り出来れば避けたいものです。

5.転院の大前提として受け入れ先が決まっていることが必要です。
ほとんどの場合紹介状を求められますが「今後私が責任を持って診てあげましょう」という医師が見つかりさえすれば紹介状を書くことを拒否する医師はいないでしょうから実際には紹介状の有無よりも受け入れ病院や医師がみつかるかどうかの方が問題になります。

6.昔は大学病院の教授を呼んで手術をしてもらうというようなことをやったことがありますが最近では少ないです。名医と呼ばれる先生を見つけてその先生の承諾を得て、病院側も承諾すれば全く不可能ということはないでしょうが、外科医も慣れた自分の病院で手術をするのが安全ですし他院にまで出かけて行って手術をしようとする先生は最近は大変少なくなってきました。
病院間の連絡などが十分であるなどよほど特殊な状況の下でないと難しいでしょう。

7.本人の気持ちをしっかりと支えながらも当初からうそ偽り無く病状を正直に説明をしているのが理想的でそうするとこういう問題は起こらないのですが実際にはそうは行かないことが多いです。
本当のことを言った場合にご本人が大変なことをされる危険性が高いと考えられるようですがそういう場合にはご本人も周囲が気遣ってうそを言ってくれているということをおおよそは感じ取っているものですのでそのままうそを通すのも一つの方法です。
この場合は「手術の時期を待ちましょうね」と言いつつ見守ってあげることになりますが、本当のことを説明した上でご本人のご希望に添ってあげるということが出来なくて大変つらいものですが致し方無いでしょう。

今からでも正確な病状をお話する方法もあり得ますがそれはご本人が冷静に対応可能であると考えられる場合に限られます。

状況が状況でありますので魔法のような良い方法が私にも思いつきませんが、少しでもお母様ご本人が精神的にも肉体的にも苦痛を少なく今後を過ごされるよう祈っております。

以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。


Subject: Re: 返信メールいただきました
Date: Wed, 15 Jan 2003 23:09:21 +0900

 拝啓、早速お答えをいただき、ありがとうございました

 この先どうなるか想像もつかず怖くてたまりませんが家族みんなでガンと戦っていこうと思います。
今後のことは、また家族で話し合って決めたいと思います。

誠意あるお言葉に涙があふれてきました。本当にありがとうございました。

追伸。今日 顔を見に病院へ行ったら、熱も下がりとても元気でほっとしました。 ずっと今日みたいであってほしいと祈りつつ帰ってきました。
 
 お約束の******本日****にて**いたしましたので後日 ご確認おねがいいたします。