質問・回答(0310)


「肺癌の診断・治療について」

Subject: 肺癌の診断・治療についての質問
Date: Sun, 7 Sep 2003 22:55:09 +0900

肺癌の診断・治療についての質問です。過去の回答集を拝見させていただきまして、非常に丁寧で誠意のあるご回答に感動致しまして、ご相談させていただきます。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

初めてメールさせていただきます。先生のHPの『ご相談フォーム』より題名のみ送信させていただいた者です。

早速ですが、今までの経緯と質問内容を記載させていただきます。

『経緯』

父(6*歳)が7月末に一時的に失神した為、病院に行ったところ胸水が溜まっていました。当初胸水の成分を調べた所、肺癌で腺癌との事でしたが、その後、癌細胞の成分を調べた所、腺癌の成分もあるが(20%以下)扁平上皮癌(3期)との診断を受けました。

左肺下葉内部にできた腫瘍が飛び出して左肺の外部表面全て(上下葉)に数ミリの腫瘍が多数存在している状態で、手術・放射線治療は出来ず抗癌剤(パラプラチン・タキソール)の治療を受けております。

気管支や肺内部には、癌細胞は見られないとの事でした。
また、胸膜癒着術により胸水が再び溜まる事は無いといわれております。今後は、父が日常生活にはまったく困らないほど元気なので(多少の咳と抗癌剤による脱毛がある程度)外来にて抗癌剤の治療を受けることになっております。

しかし、今後の治療効果の判定方法について質問した所、腫瘍マーカーの数値も当初から低く、腫瘍一つ一つが小さい為、CTにも写らないと言われ、腫瘍マーカーの数値を見ながら胸部レントゲンにより他に転移が見られなければ良しとすると言われました。

『質問』

1.癌の治癒・進行状態を検査する方法が、他に何かありますか?

(PET検査は担当医の先生には、癌の存在を探すには良いが、癌の進行状態を見るには適していないと言われました。ヘリカルCTという物が、通常のCTより解析率が良いと聞いたのですが。)

2.抗癌剤治療以外の治療方法は、考えられますか?

(扁平上皮癌には、あまり抗癌剤が効かないと聞いております。)

3.扁平上皮癌の3期の場合でも、転移が見られないケースも有るのでしょうか?

4.治療が始まってから、他の病院に変わるのは問題ないですか?

治療のゴールが見えず大変不安に思っております。大変お忙しい中、恐縮ですがよろしくお願い致します。

Date: Mon, 08 Sep 2003 22:08:12 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

6*歳といえば未だお若いですのに大病に罹られてご心痛のこととお察し致します。

早速ご質問項目に従いお答え致します。

1.PET検査につきましては基本的には担当医の先生のおっしゃるとおりです。何の自覚症状も無い人に体中のどこかに癌が無いかどうかなどを探すのにとても良い検査で、「このあたりに癌がありそうである」という情報を得ることが出来るのでその後、癌の種類や大きさなどはその他の検査で確認するのです。

遠隔転移(遠くに転移しているかどうか)を見るのにも役立つときがあります。そういう意味でもPETは癌の早期検出や転移、癌の再発の有無などに良い検査です。

しかし、PETを手術の適応(やった方が良いかどうか)を見るのに参考
にされる先生も多いです。お父様は未だヘリカルCTの検査は受けておられませんでしょうか。これの肺癌の検出率は大変高いです。ヘリカルCTは現在ではほとんどの病院に導入されていますのでお父様も既にヘリカルCTの検査を受けておられるかもしれません。

以上の他に前縦隔と言って胸の前の方にある癌や転移リンパ節の検査には「縦隔鏡」という検査も行われることがありますが場所的にお父様の場合にはあまりこの検査は役立たないでしょう。

2.残念ながら次から次へと抗癌剤療法が開発されてはいますが、抗癌剤で肺癌を治してしまうというような状況からは程遠いです。学会などで推奨されている組み合わせで抗癌剤治療を行っても副作用で苦しみながら亡くなって行かれる方を見ることが多いです。

3.癌により胸水が溜まっている状態でIII−bとなりますのでリンパ節転移が確認されない場合も有り得ます。

4.理論上は可能ですが、治療方針が決まってしまってからの転院では担当医の意気込みを削ぐ事になり、その上受け取ってくれる病院や医師が見つからなければ駄目ですし、その上、本人や家族全員の意思統一も必要ですし、実際には難しいことが多いです。

一番のネックは責任を持って引き受けてくれる優秀な医者を見つけて来るのが大変です。それとたとえ日本一の肺癌の先生にかかったからと言っても今の担当医の先生と結果がそれほど変わってくるということはなかなか考えにくいというのが現状です。

ご本人、ご家族の意志統一なしに転医することは賛成できませんし、たとえそれが出来たとしても数々の問題が山積していてよほどのことが無い限り現実には難しいことが多いです。

以上、今回のご質問項目に対するお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。


Subject: RE: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Mon, 8 Sep 2003 22:51:55 +0900

お忙しい中、早速お返事頂きまして誠にありがとうございます。
全ての質問に、ご丁寧にお答え頂きまして大変感謝しております。
(以下略)