
「気管切開後考えられるパターン」Subject: 肺梗塞の予後について
Date: Sun, 7 Mar 2004 23:58:34 +0900
母(5*)が今年の1月14日に自転車で転倒し、左大腿骨頚部骨折をしました。そのまま入院し1月22日に人工股関節手術を受けました。手術中・後の出血は多少あったものの輸血するほどではないということで、鉄剤・抗生物質を飲み貧血の経過をみていました。また、血栓予防に足裏を圧迫する機械を術後すぐから一晩使用していました。その後の経過はとても良く、順調にリハビリも進み2月14・15日、21・22日は帰宅し、家でも寝てばかりいないで積極的に動いて歩いていました。なので、3月の上旬には退院をするつもりでした。
しかし、2月26日の病院でのリハビリ中「胸が苦しい」と訴えはじめて、病院ではレントゲン・心電図をとったようです。「心筋梗塞の疑いなので至急来てください」と呼び出され到着して担当医の説明は「レントゲンには影らしいものは見うけられず、心電図は虚血がみられる」という説明で、酸素マスクと点滴をしていました。しかし母の訴えは変わらず心配のまま、8時頃心拍が乱れ目は白目をむき失神しているようでした。
急遽救急車で転院、救急室に運ばれました。
到着後「おなかも痛い」と言い直後に大量の下血(タール便)をしました。CTをとって左肺が詰まっていることがわかり、「肺塞栓症」と診断されました。その後ICUに入り検査をした結果、肺血流シンチで左肺の壊死を確認、心エコーで右室の負担それに伴う左室への負担もあること、上部内視鏡では出血部位は見られなかったことが分かりました。
容態が落ち着いた27日午後より、ヘパリンによる抗凝固剤療法を開始した。3月3日には右肺の換気能力は良さそうなので抜管したのですが、気管が腫れていて自己呼吸できなかったので再び挿管しました。
呼吸器をしている事自体が気管に良くないので「気管切開」を明日行うことになりました。
一時期の一番危ないときは乗り越えられたようですが、今後どのような予後をたどる可能性があるのか検討もつかないので、まだまだ不安です。
なので気管切開後考えられるパターンと、特に注意しなくてはならない点(肺炎等)を教えて頂けないでしょうか。よろしくお願い致します。
母は157cm、54kg、軽度高血圧、少々コレステロール高め、それ以外基礎疾患なし。

Date: Mon, 15 Mar 2004 19:36:41 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
退院を間近に控えて「肺塞栓症」になってしまわれて大変残念なこととお気持ちお察し致します。
ご質問項目は
「気管切開後に考えられるパターンと特に注意しなくてはならない点」
とのことのようですのでお答え致します。
気管切開で最も多い合併症は気管切開手術直後の出血です。
気管切開直後、しばらくの間、吸引などをしているときに血液がどうしても混じりますが通常は24時間以内に血液はほとんど無くなり、ガーゼ交換の時に付着している血液もわずかとなります。血液の固まりやすさの異常その他があれば出血が続くことがありますので注意が必要です。
また、血液が気道の中で固まってしまうと呼吸がそれで遮られることもあります。ですから医師や看護師は十分に注意深く観察をしてくれるはずです。
気管切開の時に肺を傷つけると、傷ついた方の肺がしぼんでしまうことがあります。私たちはそういう状態を「気胸(ききょう)」と呼んでいます。
もしもこれが起こると普通手術の直後に呼吸の状態が変化しますのですぐに分かります。
気管切開をしたところにばい菌が入り感染を起こしてしまうことがあります。
何度も消毒をして、ガーゼを毎日のように取り替えるのはこれを防ぐためでもあります。
気管切開をしたところにチューブを入れますがこれがはずれてしまうことがあります。ガーゼなどで丁寧にはずれないよう固定します。
チューブ交換を乱暴にしたり、あるいはそういうことをしなくてもあとあとになって傷口がケロイドのようになり、空気の通る道が狭くなってしまうことがあります。「上気道狭窄」と呼んでいます。チューブは風船を膨らますようになっていますがその風船の中の圧を高くし過ぎない、すなわち風船の中に入れる空気の量を適切にするなどの注意も必要です。
また、風船の圧が高い場合にその周辺の動脈や食道と通じてしまうことがあります。そういう状態を「動脈ろう」、「食道ろう」などと呼びます。
特に「動脈ろう」の場合は大変な出血を起こすなどして命に関わります。風船の圧を高くし過ぎないことが大切です。
チューブの周りが固まってしまい抜きにくい、または抜くことが困難になることがあります。適切な時期にチューブを交換するなどして予防します。
気管切開をする場合、慎重で経験ある医師や看護師は上記のようなことを十分に踏まえた上でやってくれるはずです。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Mon, 15 Mar 2004 23:56:07 +0900
回答ありがとうございました。