
「キャッスルマン病の治療について」Date: Wed, 14 Jul 2004 23:48:48 +0900
先生はじめまして。私は3*歳の会社員です。
まずは先生がこのようなホームページを開設したこと、感謝とお礼を深く申し上げます。藁をもすがる思いで今このメールを書いております。
さて、本題ですが、
2*歳の私の弟がキャッスルマン病という病気の診断を受けました。質問は最後に簡潔に述べますので、まずは病気の経過を簡単ながらご説明させて頂きます。少し長くなりますがご了承ください。
発病当初、弟は風邪と思い、内科を経て耳鼻咽喉科で診察を受けましたが治りませんでした。
1週間ほど微熱が続き、今度は腹部が痛くなってきたことから、市の大きな市民病院(病床900以上)に入院することになりました。
その後病状は悪化し、肝臓と脾臓が大きく張れ上がり、血小板数が9万くらいに減り、また腹水が溜まるという症状が起きました。
MRIや人間ドックなどのあらゆる検査をしましたが何も異常は無く、病原を特定できませんでした。途中首筋のリンパ部に腫れが生じ、最後にリンパ手術検査を受けました。
リンパ検査結果の出る前でしたが、血小板数が約7万とさらに減った為、手術の翌日からステロイド処方が開始されました。
それから2、3日後に手術検査の結果が出て、この病名を伝えられました。
発病からおよそ1ヶ月後です。同時に主治医の方が血液免疫内科専門の方に代わりました。
現状ですが、点滴によるステロイド投与が終了し、錠剤投与に移行しました。
病状はステロイド投与後は36度代の平熱ですが、夜になると37度前半〜後半に上がります。
主治医の見解では、熱はあまり気にしなくてよい、また血小板数値等も回復してるとのことです。
ただ問題は肝臓の腫れが収まらないことだそうです。肝臓自身は問題ないのですが。
今基本治療法としては、まずはステロイド処方を中心にし、経過を見ていく模様です。
期待はそれで血液検査数値の安定と臓器の腫れ(特に肝臓)が改善されることです。
その先の処方としては免疫抑制剤、抗癌剤があるが、やはりなるべくステロイド処方で対処できればと考えている模様です。
その他の治療法として、LI-6?(米国承認済)という薬品があるらしいのですが、**大学での臨床試験は済んでいるものの、日本での使用は法律上不可能と聞きました。
米国に渡ってその薬を使うことはどうか尋ねたところ、主治医の見解では、その薬の抗体がまた必要となり、副作用もでる為、今はそのような処方はしなくてよいし、主治医自身もそのつもりはないとのことです。
主治医は肝臓の腫れさえ引けば、退院してステロイド処方と定期通院による管理が可能との見解のようです。とにかく肝臓の腫れが引かないのが問題だそうです。
そこで先生に質問です。(ただいま病名を伝えられてから2日経過したところです)
1.キャッスルマン病に対して有効な治療法、または情報があればお教えお願いいたします。
2.キャッスルマン病が要因で肝臓が腫れたりするのでしょうか?
(首筋のリンパ部の疾患が肝臓を腫らす要因となるのか疑問を持っております) もし他に肝臓に腫れを起こす可能性のある「要因」およびその「治療法」についてご知見があればお教えお願いいたします。
3.キャッスルマン病治療において、進んだ病院や専門医師をお知りでしたら教えお願いいたします

Date: Sat, 17 Jul 2004 14:30:41 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
大変珍しい病気で、さぞご心配のことと存じます。
「キャッスルマン病」というのは顕微鏡検査などによる病理検査によって診断が付けられるのでなかなか捕らえどころの無い感じのするリンパ節、血液の病気です。
英語では「Castleman's disease」と言いますが、1956年にCastlemanという人により心臓の前にある胸腺という臓器から出来た腫れ物を研究していて初めて報告されたのでこのように呼ばれています。
リンパ節を顕微鏡で見るとヒアリンという透明性の高い物質が滲み出て血管とその周囲のものが増殖する「ヒアリン血管型(hyaline
vascular type)」と形質細胞という白血球やリンパ球の仲間が増えてくる「形質細胞型(plasma
cell type)」などいくつかの種類があります。
「形質細胞型」では生理活性物質IL−6(インターロイキン6の略ですが「アイエルシックス」とも呼ばれます)が形質細胞により作られすぎるのが症状の原因と考えられています。
「形質細胞型」にもリンパ節が身体の中の一部だけで腫れる限局型と全身に認められるmulticentric
Castleman's disease(MCD)とに分類されています。
形質細胞型の主な症状としては食欲不振,体重減少,倦怠感などがあります。
検査所見では貧血,高γ-グロブリン血症,CRP高値,赤沈の亢進,低アルブミン血症,血小板増多,タンパク尿などがあります。
他にいろいろな自己抗体というのが血液中にみつかることも多いです。
そのためか、ご質問者の弟様の場合のように血小板が返って減ることもあるようです。
キャッスルマン病の本当の原因は不明とされていますが最近ヘルペスウイルスの一種であるHHV-8/KSHVが関係しているのではないかと言われ始めています。
原因が不明で確かな治療法はなかなか見つかっていません。
腫れているリンパ節が限られた場所にある場合には外科的に取ったり放射線を当てたりすることもあります。
全身に広がっている場合には副腎皮質ステロイドホルモンで症状を抑えたり症状が激しかったりすると、場合によっては「メルファラン」という抗癌剤を加えたりすることもあります。
最近、特効的な治療法としてIL−6の働きを抑えるMRAが**大学で開発され**製薬が増産体制に入りつつあるようです。
副作用などさらに調査する必要はあるでしょうがキャッスルマン病の特効薬として期待されています。
それでは、以下ご質問項目に従いお答えします。
> 1.キャッスルマン病に対して有効な治療法、または情報があればお教えお願いいた
します。
原因を取り除くような特別な治療法は開発されてはいませんが、最近は上記MRAが特効薬として期待されています。
> 2.キャッスルマン病が要因で肝臓が腫れたりするのでしょうか?
(首筋のリンパ部の疾患が肝臓を腫らす要因となるのか疑問を持っております)
もし他に肝臓に腫れを起こす可能性のある「要因」およびその「治療法」につい
てご知見があればお教えお願いいたします。
原因となっている形質細胞が全身のさまざまなところに増えるためにいろいろな場所のリンパ節、脾臓、肝臓などが腫れることはよくあります。
病気の場所が限られておれば放射線を当てたりすることはありますが発熱、全身倦怠感などの副作用の割には効果がはっきりとしておらずあまりお勧め出来ません。
現在のステロイドによる治療のみで症状が治まれば身体に注意して医学の進歩に期待をしながら様子を見て行かれるのが良いと思います。
> 3.キャッスルマン病治療において、進んだ病院や専門医師をお知りでしたら教えお>
願いいたします
〒***-0871 **府**市山田丘*-3
**大学大学院生命機能研究科免疫制御学講座
の客員教授 ****先生、****先生たちの研究によるMRAが使えると良いのですが未知の副作用など危険性も考慮に入れなければならずいつでも誰でも試してもらえるというものでもありません。
MRAが使えるようになったときには使用経験が豊富な**大学で診療を受けると最も早い段階で的確な治療法で試してもらえるということも考えられますので現時点で一度診察のみでも受診しておかれると良いかもしれません。
受持ちの先生にもご相談の上、規定に従って下記に「キャッスルマン病の専門の先生の診察を一度受けさせたい」とご連絡を入れてもらわれてはいかがかと思います。
〒***-0871 **市山田丘*-15
**大学医学部附属病院保健医療福祉ネットワーク部
TEL **-6879-****
FAX **-6879-****
http://www.hosp.med.****-u.ac.jp/contact/contact.html
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Sat, 17 Jul 2004 23:36:57 +0900
足立先生
お忙しい中、かくも早く誠意あるご回答を頂き、誠にありがとうございました。
深くお礼を申し上げます。
私自身ができる限りのこと、精一杯やろうと思っております。
今回の質問に*する****および**について:
7月20日(火)中に、下記**の****に「*****」の***として、
「*******」を**いたします。
また、**が**した際にはその旨メール連絡いたします。
以上、よろしくお願いいたします。