
「非常に体調が悪いので心配です」Subject: ご相談ありメール致しました。回答をお願いします。
Date: Sun, 19 Dec 2004 13:04:28 +0900
足立憲昭先生殿
**県に住む3*歳男性です。(181cm、78kgf)
今年は非常に体調が悪く、何かあると長引いてしまい、いろいろと心配しております。
大変長くなってしまいますが、始めに今年おこった症状についてご説明します。
1月中頃 :
朝起きると背中左肩甲骨の下あたりが体を曲げると痛む。 すぐに治ると思ったが1週間たっても痛みがひかず、今度は首がだるく なり、頚椎左側すぐ横の縦の筋肉?にときどき痛みあり。
1月下旬 :
近所の**整形外科に行き、首と背中のレントゲンを撮られる。「骨に異常はないが首の骨がまっすぐに並んでいる。通常は後ろに湾曲 しているがまっすぐなので首、背中に負担がかかっている。姿勢が悪い
のが原因」と診断され、首に巻くスポンジのカラーとシップ、筋肉疲労を取る薬を処方してもらい、またまくらをしないで寝るように指示される。リハビリで背中に真空と電気でマッサージをすることを始める。(リハビリは行ける時に行っていました)この頃枕をとって寝ていたときに左腕がかなりだるいときが何度もありました。
2月 :
背中の痛み、首は相変わらずで、更に気分が悪くなることあり。(吐き気等)それまでジムに通っていたがこの辺りから休み始める。
今度は両足の膝から下に脱力感が出てくる。(力が入らないことはありません)整形外科Aでハンマーでたたいて反射や腰を触診され、腰椎の両脇の筋肉が凝って疲労しているため足にきていると診断。
金属プレートが2本入った腰ベルトをもらう。
3月 :
首のほうはおちついてきたが、背中、腰の症状が改善しないので**クリニック整形外科で診断してもらう。首と腰のレントゲンを何枚も撮られ、腰については脊椎分離症が見られるということと、腰の筋肉がレントゲンで写るくらい疲労して凝っている。この筋肉が肩甲骨下あたりに繋がっているので背中の痛みに繋がっていると診断され、レーザー光みたいなもので血流の流れをよくするようなリハビリを指示される。(こちらのリハビリは1回しか受けずその後も**整形のリハビリを受けていた)
更に周りより背中の痛みは内臓からくることが多いので内科も見てもらった方がいいといわれ、**共立病院内科へ行き、尿検査、レントゲン、血液検査、胃カメラ、エコー、検便をしてもらうが異常なしの診断。
4月 :
中頃になってようやく背中の痛みが取れる。首のほうもいつの間にかだるさもなくなっていたので首のカラーもはずす。
腰は足の脱力感はかなりひいてきたので、ベルトはつらいときだけでリハビリも背中から腰へシフト(治療方法は同じです)
5月 :
ジム復帰。腰のリハビリは継続。
6〜8月 :
腰のリハビリを継続するが調子がいいので回数は減っていた。
9月中頃 :
風邪?をひいて痰がとまらなくなる。(11月終わりにやっと止まった)再びジムを休み始める。
10月中頃 :
首が再びだるく、頚椎横の筋肉が痛くなる。
10月下旬 :
両腕が時々だるくなり、再び首にカラーを装着。
11月 :
**整形外科でのリハビリを増やす。朝起きたときの首の疲労が激しい。この頃から**整形外科で握力を測るようになった。左右とも大体40〜46kgfくらい。
元々握力はなく、ジムで前から測っていたときも両方45kgfあるかないかであった)
自分なりにどんな症状があるか試してみる。
@まっすぐ背筋よく立っている状態が一番楽。腕を後ろで組んで肩を張った状態だと更に楽。
A時々手のひらをゆっくりと握ると、人差し指〜薬指が震える時がある。(両手)
B早く握るときは震えはない。
C物を軽く持ちにくい時がある。
D朝起きて首がだるいときは寝た状態でAの状態あり力が入りにくい。但し 立ち上がって首のだるさが取れてくると手の症状は改善する。
また、腰の具合も再び悪くなり足にくる状態となった。 インターネットでいろいろ調べはじめる。パーキンソン病やALSを見て自分の症状はこの病気ではないかと勝手に想像をはじめてしまいびくびくしてしまう。
12月上旬 :
**整形外科では首の疲労、背筋が弱っているとこのような症状になるので筋力をつけたほうがよいとのことで、体操を指示される。また首のリハビリ(真空と電気を利用したもの)を始める。
リハビリ師に首のマッサージをされると、頚椎横の縦に走る筋肉が両側凝っていて痛む筋肉と同じであることが分かった。
12月中頃 :
寝ているときにビクッと体が動くのがありますが、これが起きているときに体の一部に1日1回くらい起きる。(場所はいろいろ)
元々ビクッと動くのはよくある方で、ひどいときには目が覚めることがあります)
この症状が出てきて、また悪い病気ではないかと心配する(ALSが頭から離れなくなる)あまりにも長引くので、***立中央病院整形外科に行く。頚椎、腰のレントゲン、頚椎のMRI(造影剤なし)、握力計測する。レントゲン、MRIは異常なし。握力も40〜45kgfであり、特に異常はないので当面**整形外科で見てもらい、今後握力が半分になるとか、歩行障害(左にあるいていくとか)出てくれば、また検査しましょうとのことになる。
最近 :
@腕がだるくなる回数は減ってきた。
A手のひらをゆっくり握ると指が震える症状も回数は減ってきた。
B握力はあまり変わらない。
C首はあいかわらずだるく(時に痛く)、特に下を向いている時間が長いとつらい。
D朝起きたときの首のだるさは日によってまちまち。(手の症状も首の疲労具合に連動しているみたい)
E足にきやすい姿勢は足を窮屈目にして座った状態です(腰が曲がりやすい状態?)。普通に歩いている。
E先日1日ほど下あごの前歯後ろ〜舌の手前部分に違和感あり、一日中口の中が乾く 感じがあった。(今はなし)
F先日の会社の大掃除後大変疲労し、体中の筋肉がピクピクしている。
GALSが頭から離れられず、手足が痩せていないか心配している。昔よりも手が痩せたような気がするが、猿手のようにはなっておらず握力も変わっていない。
指輪のはまり具合も昔と同じ感じです。
この他:1月〜3月頃原因不明のじんましんが首から胸に発疹。
以上大変長々と書き申し訳ありません。
お聞きしたいのはこれらの症状から見て、首の疲労(姿勢が悪い)のが原因となるでしょうか?
それとも他の病気の可能性もあるでしょうか?
もう少し様子を見たほうがいいのでしょうか?
今まで手にこのような症状が出たことがなく、また前文にも記載しましたがALSの情報を知ってからちょっとした症状でも大変心配になっております。(現在心労的にかなりまいっています)
また何かアドバイスなどいただければ幸いです。
よろしくお願いします。

Date: Sun, 19 Dec 2004 19:13:29 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
大変詳しく症状が書いてありますのでじっくりと拝読させて頂くことが出来ました。
また、ご心配のご様子も良く分かりました。
まずはご心配のALS(エイエルエス、amyotrophic lateral sclerosis、筋萎縮性側索硬化症)の可能性ですが極めて低いです。
もしも1月頃にALSが発症していたとすると既に1年近く経過しているわけですので、手足や舌の筋肉が誰の目にも明らかなほど筋肉の萎縮が進行してしまっているはずです。
特徴的にはご質問者が書いておられるような猿手などのような状態になり、握力も目に見えて落ちて来ます。
当然のことながら体重もはっきりと落ちてきます。
ごく稀には筋萎縮の進行が非常に遅いALSもありますが そういうALSはむしろ(MND: motor neuron disease モーターニューロンディジーズ)というもう少し広い概念の病気で確かに有効な治療法も無いのですが、進行もゆっくりとしているのでその点、通常のALSのようにまで怖がる必要はありません。
ご心配の筋肉のピクツキも病気の進行のある時期、特に筋肉の痩せがすすむ直前あたりにもう少し目立つようになるはずです。
この筋肉のピクツキというのは全身の筋肉、特に胸の辺りの筋肉とか口の中の筋肉である舌などに目立ちます。
もちろん、手足の筋肉にも出ます。英語ではfascilulation(ファスチキュレーション)と言って筋肉が瞬間的に数センチほどピクつくことを言います。日本語では「線維束性筋攣縮」などと昔は呼んでいましたが、
今では「線維束性収縮」と呼ぶことになっています。筋肉の線維の発達を保つ脊髄の前角細胞の崩壊と関係がありそうです。
しかし、この「線維束性収縮」というのは健康人であっても運動会のあとなど運動のあとにみられることはしばしばあります。
ご質問者が大掃除のあと経験されたのはこのためでしょう。
ALSが発症して1年も経つと歩き方も異常になって来る事が多いです。
そういうことからしてご質問者が1月からALSを発症された可能性はとても低いと考えられます。
では、ご質問者に現れているさまざまな症状の原因は何かということですが、脊髄や脊髄から出ている神経の周辺の軟骨組織や線維組織(いわゆる「スジ」)あるいは血管などレントゲンには写って来ない組織の小さな変化が原因ではないでしょうか。
老化現象のひとつで20歳以上になりますとほとんどの人でこういうところの変化が起こってきます。
これらの組織は通常のレントゲンには写って来ません。
ご質問者が中央病院でやったもらわれたMRI(エムアールアイ、核磁気共鳴装置)という検査では骨以外のこういった組織の異常を発見することもある程度以上の大きさがあれば可能です。
頸髄や腰髄周辺を詳細にMRIで検査をしておいてもらうと珍しいことではありますが
脊髄腫瘍などの手術が必要な怖い病気では無いことを確かめるのにも大変役立ちます。
MRIの検査で脊髄腫瘍や脊髄血管奇形など怖い病気で無いことがわかります。
MRIでの詳細な検査でも異常が無ければ、MRIでも発見できないほどの小さな軟骨、線維などの異常と考えられます。
つらい症状は理解出来ますがこれらの症状を取るために脊髄や脊髄の周辺を守っている脊椎の手術は極力避けるようにお勧めします。
腰の骨の手術もそうですが、往々にして脊椎の手術はその手術をしたために返って困った症状が出てしまい、またそのための手術を行うといった悪循環に入ってしまわれる方もいらっしゃいます。
日頃からラジオ体操、テレビ体操などで身体をやわらかくしておくとともに手足のしびれなどの症状が強い時だけ頚椎や腰椎の牽引を行うというようなオーソドックスな治療が一番です。
なお、「皮膚筋炎」という筋肉の病気うや「シャーグストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)」という
血管と神経、筋肉などの病気のときに皮膚の症状が出ることは多いですが、ご質問者の「蕁麻疹」と現在の症状は特別結びつけて考えなくて良いでしょう。
特に後者の場合は気管支喘息も合併することがほとんどです。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Mon, 20 Dec 2004 21:42:24 +0900
足立憲昭先生殿
休日にもかかわらず、早急な回答を頂きありがとうございました。
また丁寧に説明いただき大変分かりやすかったです。
先生のご説明でかなり安心いたしましたが、追加質問をさせて頂きたいと思います。
@ 10月から再び首の状態が悪くなりましたが、ここ2ヶ月の症状から 推測した場合、これは 1月からの体調不良と同じ症状が再び現 れたと見ることができるでしょうか?
A 1月からの首、背中の症状が治って、10月からの症状は私が心配 しているALSがこの時期 に発症したという見方はあるでしょうか? (春から夏は腰の症状は少しありましたが、首、
背中については治 っていたので、10月からの症状は別の病気ではないかと心配し ています)
今のところ体重が減ったということはありません。
B 先日1日ほど下あごの前歯後ろ〜舌の手前部分に違和感あり、一 日中口の中が乾く 感じが ありましたが、こちらは特に心配しなくて いいでしょうか?(現在はそのような症状はありません)
C 寝ているときにビクッと体が動くのがありますが、これが起きてい るときに体の一部に 1日1回くらい起きるのがまだ続いているのと、 筋肉のピクツキがまだ体のあちこちでおきてい
ますが、心配しな いでいいでしょうか?(体の疲労はまだきちんと取れていない感じ がします)。
D 指を組んだ状態で手を握ると昔より痩せた感じがどうしてもします。 (昔はもう少し太くて手を組むと 指と指が開かれるような感じがし ていました) ただ痩せた感じが10月からなのか、最近なのか、
もっと前からなのかよく覚えていないのでなんともいえないの、
ですが 見た目が今のところ痩せた ように見えないのと、指輪を 付けた感じが昔と変わらない気がする(普段つけていないので) のと、
握力が10月前の頃と変わっていないので、手が痩せたよ うな感じがするというのは今のところ心配 しなくていいでしょうか ? 腕のだるさ、軽く握ったときの手の震えというのは減ってきて いるので、症状は少しづつ改善してきている のではないかと思 っておりますが、今まで経験したことのない、上記C、Dの症状が まだ続いているので、安心しきっていないのが正直なところです。
大変お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。
今回の質問および追加質問に関する********につきましては、12/24(金)までに****の**のほうに****させて頂きます。
以上よろしくお願いします。
Date: Wed, 29 Dec 2004 05:18:22 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
年末多忙のためお答えが遅くなりました。
1)症状全体の流れから関連した症状と考えられます。
2)ALS特有の症状として首のだるさとか筋肉の痛みや指の震えなどはありません。
ご質問者が書かれている10月以降の症状の中で敢えてALSと診断出来る症状はほとんどありません。
3)口の中が乾く症状はありふれたものとしては「糖尿病」、比較的稀なものとしては「シェーグレン症候群」などの病気があります。
ある程度続く場合はこういった病気を考える必要がありますが
一日だけであれば注意して様子を見て行くのが良いでしょう。
これも特に先ずALSを疑わなければいけない症状でもありません。
4)大変ご心配をされておられる点の方がむしろ心配になって来ました。
ALSは非常に考えにくいです。筋肉の痩せが進まない限り心配は要りません。
では、今後筋肉の痩せが進行してALSになってしまう可能性が絶対に無いかといえば 生身の身体のことですから「絶対に無い」ということはどんな名医でも絶対に言えません。しかし、その確率はご質問の文章だけから類推して何百、何千分の一でしょう。
外に出歩いて交通事故に会う可能性の方が高い、むしろそちらの心配をしようと考えると心配が吹っ飛んでしまうことがあります。
5)ご質問者が大変気にしておられる筋肉の痩せの判断は程度が軽い場合、専門の医師でも大変難しいものです。
一般の内科の先生では単なる身体の痩せと筋肉の萎縮との区別はまずつかないでしょう。
熟練した神経内科医ならある程度は見極めることが出来ますがそれでも難しいことが多いのです。
そういった場合、筋肉の痩せを判断するときに患者さんの昔の写真を持って来てもらって参考にすることがあります。
ご自身の手や手の指の写った以前の写真は無いでしょうか。何年も前のものでも構いません。
もしもありましたらそれと比較してみるのは最も信頼出来る方法です。
もしも適当な写真が無い場合は何ヶ月か先に比べるために
現在筋肉の痩せがご心配な箇所をデジカメなどで数種類の拡大でいろいろな方向からしっかり撮っておかれることをお勧めします。心配がぶり返した時にはその写真とご自身の手を見比べて再度写真を記録しておかれると安心です。
ALSという病気は進行性の病気ですので一旦痩せた筋肉が元に戻ることはありませんので
痩せたり元に戻ったりしている場合はALSではありません。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Wed, 29 Dec 2004 18:00:52 +0900
足立憲昭先生殿
年末の大変お忙しい中、回答いただきありがとうございました。
いろんな症状が出てくるたびに不安になっておりましたが、先生の回答を読んで大変安心しました。 心配しすぎもよくないとは分かっているのですが、そうはいってもなかなか安心できないものですね。
こちらのその後ですが、
@ 首の痛みが後頭部付近まできて、朝から昼ごろまでは食欲があまりない時あり。 (今年始めのころにも同じような症状がありました) A 筋肉のピクツキはまだ体のあちこちでおこっていますが、体を動かしているときはでてきません。 おとなしくしていると出てきますが、回数はすこしずつ減ってきているような気がします。
B 起きていて体がビクッとするのはなくなりました。
C 口の中の違和感はその後2回ほどありましたが、すぐ消失しました。 (何故か全て風呂に入っているときにおこりました)
D 腕のだるさはほとんどなくなりましたが、上腕(力こぶやにの腕)あたりに筋肉疲労感が一時期ありましたが、いまはだいぶなくなりました。
とこんな感じでよくなっているのか悪くなっているのかなんとも言えない感じですが、まずは首をしっかり と治していこうと思います。
最初の質問および追加質問に関する********につきましては、12/22頃に****の**へ ****いたしましたのでご確認願います。