
「IgA腎症でHCVのキャリアですが」Date: Fri, 7 Jan 2005 01:09:06 +0900 (JST)
初めてご相談させていただきます。3*歳、*性、*婚です。
2年前の健診で蛋白尿を指摘され昨年から内科受診し、昨年10月の腎生検でIgA腎症と診断されました。
主治医によれば予後判定は2から3の間ということです。
10月からコメリアンコーワ100mgを毎食後に内服しています。
その上に、予後 を考えるとプレドニンの内服も半年くらいしておいたほうがいいとのことです。
(30mgから始めて1ヶ月ごとに減らしていくというものです)
しかし、私はHCVの キャリア(分ってから丁度10年くらいです)であり、ステロイドを使用することに より肝炎を発症する確立が非常に高く、またその肝炎が治癒しないかもしれないことも考えられるとのことでした。
この場合、やはりステロイド治療はするべきでしょうか?
ステロイド治療をしつつ肝炎を防いでいける方法はあるでしょうか?
また、肝炎となった場合はインターフェロンなどで治療をしていくことになるのでし ょうか?
(現在までのところは血液検査で異常はありません。尿蛋白定量は昨年6〜8月は、0.8g〜1g、腎生検翌日は2.5g、11月は1.8g、12月は1.4gでし た。)
主治医もこのようなケースは初めてとの事で頭を抱えているようです。
(他の医師に相談してみるとの事でした)腎臓の事を考えると肝炎を起こす可能性はあるけれどステロイドを使用する事は必要であると、ある程度は覚悟はしているのですが・・・。
情報が多ければ多いほど確信を持って治療に望めるのではないかと思いご相談させて頂いた次第です。
予後の事を考えると、結婚や仕事のことなど気にかかり不安です。
どうぞよろしくお願い致します

Date: Sun, 09 Jan 2005 08:24:31 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
「IgA腎症」の予後判定基準の2,3とのことでしたら10年から20年くらいの間に30%から40% 位の人が腎不全が進行し、中には透析が必要となる人が出てきます。
ですから何とかそれをくい止めようとステロイドの投与を検討しておられるのでしょう。
但し、ステロイド治療をした「IgA腎症」の患者さんが必ず腎不全への進行を止めることが出来るかというとそうでもありません。
又、逆に、中にはステロイド治療を行わなくても徐々に良い方向に改善して行く方もいらっしゃいます。
ご質問者の場合にはC型肝炎ウイルスのキャリアということですのでステロイド内服により揺さぶりがかかって眠っていたウイルスを揺り起こしてしまう可能性もあります。
肝炎発症など返って体の具合が悪くなり「ステロイド治療などするのでは無かった」ということになる可能性もあるわけです。
これらを考慮するとステロイド治療をすることが「良かった」と思えるように期待出来る度合いは強いて言うならば半分か半分をやや超えたくらいでしょう。残念ながら判断が非常に難しいところです。
一般的にはご質問者のように尿淡白が1グラムから2グラムの間であればクレアチニンクリアランスという検査結果が1分間当たり70ml以上で腎生検でメサンギウム基質の増加や間質の線維化所見が目立たず、細胞性半月体や糸球体へのマクロファージ浸潤などの急性炎症性変化が見られるなどの条件が整ったときにはステロイド治療が良い結果をもたらすことが多いとも言われています。
主治医の先生はこれらのことも考慮してお勧めになっておられるのだと思います。
なお、インターフェロンとステロイドを併用する方法もあります。
実際、C型肝炎と重症筋無力症を合併したためインターフェロンとステロイドとを併用して一度に両方の病気が治った症例もあります(この例は兵庫県医師会雑誌に載せたことがあります)が投与量の調節など専門家のかなり高度なテクニックが必要でした。
「IgA腎症」の場合はさらに難しいと考えられます。
ステロイド治療をするかしないか大変迷うところです。
改善の可能性が50%を超えているようだから投与をやってもらうというのも一つの考え方ではあります。
しかし、ある程度の危険もあり、掛けのようでもあります。
さまざまな情報を得て、主治医と良くご相談の上最終的にはご自身の考え方でお決めになるようお勧めします。
なお、文面から今回のご質問者の主治医はとても患者さん思いの立派な先生という印象を持ちます。
信頼されていて良いのではないでしょうか。
最後に、どれだけ参考になるかどうかは分かりませんがもしも私がご質問者の場合ならどうするかを申し上げておきます。
私は医療事故調査会で多くの医療事故裁判を扱って来た経験などから
「危険な治療行為は100%かそれに近い可能性で治るというエビデンス(明らかな証拠)が無ければ自分自身にはやってもらわない」
という主義ですので、身体に無理をしないということをしっかりと守り、副作用の少ないコメリアンコーワを服用し続けるだけでステロイドやインターフェロンはやってもらわないと思います。
そうして「IgA腎症」が自然に良くなることを夢見て、あるいは「IgA腎症」を抱えながらも腎不全にまで至らず天寿をまっとうする人も多いことに思いを寄せて、希望を持ちつつ生活をするように努めます。危険な治療行為は治って当たり前で万が一大変なことになったら後悔ばかりすると思うからです。
これでもしも「IgA腎症」が悪くなったとしても運命として諦めようと考えると思います。
「こうすべきだ。こうするのが良い」というような明確な判断を提供できず申し訳ありません。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お返事ありがとうございました
Date: Sun, 9 Jan 2005 21:31:40 +0900
七日にご相談させていただいたものです。(IgA腎症、HCVキャリアの3*歳、*性)
私の相談内容に対し、親身になって考えてくださってありがたく 思います。
今後は先生のお返事、また主治医と相談しよく考えた上で自分の納得のいくように決めて行きたいと思っています。
(かなり難しいことですが・・・)
それから、(中略)と 思っておりますので、宜しくお願い致します。
本当にありがとうございました。