
「腓骨神経麻痺は手術でも起こりますか」 今までから、足立先生のホームページを参考にさせていただいております。
非常に心のこもった懇切丁寧な回答の内容にはいつも感銘を受けております。
さて、今回は母(7*歳)のことで相談させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
先月2*日午後3時ころ、自宅近くの道路を歩いているときに道路工事中のくぼみに足を取られ、転倒しました。
そのときは左足の膝と股関節に痛みがあったものの、我慢できないほどのものではなく、歩いて帰宅しました。
ただ、その後左の股関節が痛み出し、立ち上がるのも億劫になりましたが、何とかその日は我慢して明くる朝、近くの*****病院の整形外科を受診しました。
医師からは、「レントゲンで見たところ、骨がずれるなどの異常は無いようだが、MRIで見ると大腿骨のけい部に、ひびが入ってるようだ。安静が必要なので入院してはどうか。」と言われましたが、母は生来の病院嫌いのため、「自宅で安静にしてます。」と言って帰ってきてしまいました。
(今となってはこのとき入院して安静にしておればと悔やまれますが・・・。)
帰宅後は、処方された痛み止めを飲んでおとなしくしておりますと痛みもだいぶ治まりよろこんでおりましたが、翌日から次第に痛みが大きくなってきたので、再度病院へ行こうと考えましたが、4月*日に孫たちがやってきたため、その食事の用意をしようと立ち働いていたところ、左の股関節が激しく痛み出し、やがて我慢できずトイレにもいけないほどの痛みになってしまい寝込んでしまいました。
そこで、タクシーを呼んで以前診てもらった病院(前回と同じ医師)に駆け込んだところ、MRI検査等の結果、「左股関節がずれて一部が骨折してしまってるので、手術をして金具で関節を固定する必要がある」とのことで、2日後に手術を受けました(その際の診断は「大腿骨けい部内側骨折」)。
手術後は、痛みが激しく、痛み止めも一日に2本までしか注射できないとのことで、見るに忍びないような苦しみの一日を耐えて翌日はやや痛みが和らいだため看病する私も胸を撫で下ろしたようなことでした。
それから4日が経過し、まだベッドから降りてリハビリはできませんが、日中は看護婦さんに車椅子に乗せてもらって病院の中を一回りするなど上半身は動かせるようになりました。
しかしながら、ここに非常に困ったことが起こりました。
手術の翌日に執刀医から気になる説明がありました。
それは「左の足首に腓骨神経麻痺が出ているようなので、今までのように歩くのは難しいかも知れない。」ということでした。
私は、手術後、一定期間のリハビリは必要だとは思っていましたが、まさか歩行困難などの障害が残るとは夢にも思っていなかったため頭の中が混乱し、腓骨神経麻痺について執刀医に何を質問していいのかわからなくなってしまいました。
執刀医の説明では、「道路で転倒したときに膝を強く打ったか、または、自宅で寝ているときに膝の下あたりを強く圧迫していたか、あるいは、転倒したとき脊椎の損傷があり、これらの影響で腓骨神経に麻痺が出ているようだ。」とのことでした。
私が、「2年前に自転車に乗ってて自動車にぶつけられて転倒した際、腰椎の4番目の骨が少しずれたこと(当時の医師の診断)により背中から腰にかけていまだに痛みがあるようだ。」と言うと、「それが原因であることも十分あり得る。」とのことでした。
私は帰宅し、冷静になって考えてみるに、病院に入院して手術を受ける前には痛みのため歩行が困難だったとは言え、足首の背屈が困難というようなことはなかったことから、大腿骨けい部の手術(左腿の内側を切開)の際、神経を傷つけたことが原因で腓骨神経に麻痺が出たのではないか、と思うに至ったのですが、証拠があるわけではなく、執刀医に不信感はいだくものの、それを口にして執刀医との関係を悪化させるのも患者本人(母)のためにはならないと喉の奥に呑みこみました。
なお、手術後の執刀医からの説明では、母は、十数年前からリュウマチを患っており、リュウマチの薬(約10種)をずっと飲み続けており、相当骨が脆くなっている(以前に別の病院で骨粗しょう症と診断されてます。)ことから、予想外の場所で大腿骨の一部が折れていたんで、金具が完璧にしっかりとはめ込むことはできなかったが手術はとりあえず成功、との話でありました。
私は、執刀医に対する不信感を声高に唱えて医療過誤で訴訟に訴えるとか、病院に苦情を申し出るとかを考えているわけではありません。
執刀医に対する信頼は崩れましたが、それよりも何よりも、母がこれから厳しいリハビリを乗り切っていくにあたって、私自身が事実関係をしっかりと把握して、母に対して適切なアドバイスをしてやりたい(私にはそれしかできませんが)ということだけなのです。
そこで、以下のような質問をさせていただきたいと思います。
(1)股関節(大腿骨けい部)を手術した結果、腓骨神経麻痺が出ることはありますか。
(2)それは手術による神経の損傷が原因か、そうでない原因があるとすれば、どのようなことが考えられますか。
また、その原因を特定でき る方法はありますか。
(3)腓骨神経麻痺が出た場合、症状を軽度にとどめ少しでも回復を早めようとすれば どのような医療上の処置を行う必要がありますか。
また、それをいつまでに行う必要がありますか。
(4)腓骨神経麻痺が出た場合、その時点でそれが回復可能なものか不可能なものか判断する術はあるのですか。
また、どの程度の確率で回復が可能なものですか。
(5)***南部(**市、**市、**市)やその周辺及び**府、**県で、腓骨神経麻痺、そのリハビリに関する専門医(名医)をご存知であれば教えてください。
以上、ご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご回答いただけますようよろしくお願い申し上げます。

Date: Sun, 24 Apr 2005 10:19:12 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
拝読しまして、お気持ち、良く分かりました。
腓骨神経は坐骨神経から分かれる神経の一つですが、とても傷つきやすい神経として知られています。
膝窩部周辺の異変で障害されることが多いのですが、股関節部の脱臼などで坐骨神経麻痺を起こしたときにその後に分かれる腓骨神経が障害されることもあります。
変な格好で寝たあと、お酒に酔っ払って変な格好でしゃがんでしまった後などでも見られることが多いです。
ギプスなどの圧迫、ときには全身麻酔の手術のときに膝のあたりに圧迫があり起こることがあります。
股関節部の手術でも手術中に出血などで坐骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりして起こることがあります。
治療としてはビタミン剤を飲んで、温泉などでリハビリを勧められることが多いです。
発症直後には浮腫の予防と改善のために下肢の挙上、弾性包帯などによる圧迫、マッサ−ジなどが効果的です。
その後は腫れや痛みに注意をしながら拘縮の予防・改善と循環の維持・改善などに努めます。
なお、凝固した内出血が原因のときには早めでしたら神経剥離術という手術をして治ることもあります。
数ヶ月、何年も経って全く治らない場合はクレンザックという装具を足に付けるとバネがついていて歩行がしやすくなります。
若い方で装具が面倒な場合、腱移行術という手術方法がありこれでとても良くなります。
それではご質問項目に従いお答え致します。
(1)あります。
股関節部の手術でも手術中に出血などで坐骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりして起こる場合と 手術中に膝に圧迫がかかったりしてでも起こり得ます。
(2)発生した時期から考えて手術をきっかけとして、あるいは関連して起こっているのではないかと推定されます。
しかし、原因を特定するのはほとんど不可能と思われます。
(3)ビタミン剤を投与されることがありますがどれだけ効果があるか疑問です。
出来るだけ早期にリハビリを開始することの方が大切です。
(4)2−3ヶ月以内に回復の兆しが見え始めると完全に治ることが多いのですがそれ以降になっても 回復の兆しが見えて来ないときは徐々に回復の可能性は低くなって行きます。
(5)**でしたら、開業されていらっしゃる先生ですが、
日本リハビリテーション医学会専門医の***人先生が良く知られています。
**医院の電話番号は0**−**1−**71です。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: 回答受領しました。
Date: Mon, 25 Apr 2005 00:15:26 +0900
「腓骨神経麻痺」の件で御相談申し上げました****でございます。
大変お忙しい中、ご丁寧な回答をいただきまして誠に有難うございます。
今後のリハビリに向けて先生からアドバイスいただいた点も参考に前向きに取り組んでいきたいと思います。
どうも有難うございました。