
「全身に出る脱力」Subject: 全身に出る脱力(正確には力が入らない)・麻痺感についてのご相談
Date: Sun, 17 Apr 2005 12:33:43 +0900
以前問い合わせの不備にて、大変失礼を致しました。新たにわかった点を含め、改めてお問い合わせ差し上げます。
**市在住2*歳男性です。
脳神経外科・神経内科をまわり、精神的なものとの可能性の指摘を受け精神科にも参りました。
筋肉に力が入れづらく思うように動かせない、また麻痺のような症状が2ヶ月半続いており、この3週間程は非常に気分が悪いという症状が断続的に出ているですが、原因がわからず改善の気配がないため、大変不安を感じています。
体の部位としては、これまで、両腕、両手(指含む)、両脚(足の裏も)、左右脇腹・腹筋・胸筋、背筋、肩、首、唇、舌の先、まぶた、と ところかまわずという形で症状がでております。
症状は部位によって多少異なりまた軽くなったり重くなったりを繰り返していますが、大体以下のようになります。
・腕 筋肉に力が入らないような感じ(動作に耐えきれない、腕を支えきれないような感じ) たとえば腕を外向きから内向きにひねるような動作をすると、手首が一気に内向きにたれさがる。
症状が強くなると、ずきずき痛んだり、ジンジンとする。
・指の痛み(バツッとするような痛みや、ズキズキとした痛みなどどちらも発生)。
また、指の動きが緩慢になり手を握ったり開いたりという動作が通常よりもゆっくりとしかできない。
・脚の症状は主に大腿部に出て、弱い順に、つるような痛み->筋肉痛のような痛み->ジンジンと熱い、しびれたような痛みが出る。
この2週間程は大腿部表側がジンジンとする(激しい運動を行った後に感じる疲労のような)ことが断続的に発生し、脚に力が入らず、歩行するとカクッとなってしまう感覚がある。
・腹筋・首がつるような痛み。
・背筋・肩胛骨のあたりに、手のひらサイズくらいの麻痺感。
・左目のまぶたが開きづらい感じ(4月15日から、腫れてきたが、ものもらいのよう)・舌先、唇の軽いしびれ、耳、性器などにも軽い麻痺感
・常に微熱がある(朝は6度6から8分程度、午後になると7度ちょうどから7度3分程度)
・非常に気分が悪い状態が、数時間から半日単位で断続的に起こる(寝ても起きてもいられない)。
・以前からあまりよくはないのですが、特に症状がでてから胃腸の調子が悪く、下痢気味。また頻尿ぎみ。
・就寝時(夜中目が覚めた時や昼寝しているときなど)に上半身(腕含む)の筋肉全体が細かく震えてジンジンしている(ぴくつきほど大きくはないが、細かくぶるぶる震えている)。完全に目覚めた状態になると、止む。
・また、時折(場所をとわず)筋肉がピクピクします。多いときは、数カ所同時におこります。
経緯を以下に書きます。
・1月25日にインフルエンザ予防接種を受ける。
・1月29日頃から、両手小指にごく軽いしびれを覚える。
・1月31日の午後、左手薬指と小指、左手首に急に力が入りづらい感じを覚え、その日のうちに肘から先の腕の外側全体に広がる。
パソコンのキーボードが満足におせなくなり、 腕で何かをしている状態に耐えられないような感じがする。
その日に近所の脳神経外科(東京)を受診する。握力に異常はなかった。
・頸椎のMRIをとるが、異常なし。ビタミン剤注射、服用(メチコバール・アリナミン)も効果なし。採血結果も所見なし(二月頭と三月中旬に二度行ったが、CK値100未満、CRP 0.01程度)。
・その後数日で左手がかなり動かしづらくなり右手にも症状が出て、携帯でメールをしたり、鼻をほじるというような細かい動作がうまくできなくなる。また、微熱が続く。
・一週間程たったころ、上記に加え、脚がつるような感覚を覚える。歩行していると脚がつりそうな感じがする。
・仕事を休み二週間ほどたったとき、微熱をのぞきほぼ症状が解消された。 しかし翌日仕事を再開してしばらくするとまた左手と右脚に症状が出てその後数日おさまらないため、再び脳神経外科へ。脳のMRIをとるが、やはり所見なし。
症状の出る一週間前にインフルエンザ予防接種を受けており、検査で異常がないため、副作用かもしれないと様子をみることになる。
・その後、2月後半から3月これまでにかけて、指の症状は両手の全部の指すべてに順次出て(右は軽め) 腕の症状も両腕に、脚の症状も両脚に発生。
3月にはいってからは、首のつり、肩の痛み、腹筋の痛み、背筋の麻痺感まぶたの症状も発生(右と左にわけて)。
・様子をみても症状が軽くなる気配がないため、**精神・神経センター***病院(**先生という方)にいく。
症状や 近所の病院での診察結果を聞いて、精神的なものの可能性が高い(鬱など)からそちら(精神科)へ行く提案を頂く(ここ半年ほど睡眠が浅く、寝付きが悪い等があることが材料のようでした)。
上記をうけて近所の精神科へいくが、「うつ等ではないので、神経内科へもう一度いくべき」との結果(医院が自宅から遠い都合上、薬を頂くためにもう一カ所別の精神科に行くが、同様の結果)。
・再度近所の脳神経外科へいき、脳波の検査をうけるが、これも所見無し。二度目の採血をするが、こちらも所見なし。
・4月4日昼すぎ、脚の症状がひどくなり、また非常なショックを受けた時のように、体から血の気がが引き胸焼けや腹やけ(非常に具合が悪い感じ)とざわざわとした感じがし、口の中が乾くような症状がおこる(数時間続く)。
そのためまた近くの脳神経外科へ行き、****病院(***先生)を紹介していただく。その後2週間、断続的に非常に気分が悪くなる状態が続く。
・4月15日に筋電図検査(針を刺したのは左腕・手の2カ所)、神経伝導速度検査(左腕、右脚)をおこなうが、所見無し。
このときの採血でのCK値は300近くだったようだが、上記検査で異常が特にないため、再び経過観察となる。
自分なりにみつけたこと。
・基本的に左腕には常に症状があり、その上で時により他の部位に症状が出たり、ひいたりする。
・定かではないが、筋肉を使ったあと、症状が出たり、強くなったりするらしい。 腕であれば、数時間パソコンのキーボードをうっているとだんだん思うように動かせなくなってくる。
脚については、ここ一月程は30分程度ぶらぶら歩くだけでも、太股の表側に筋肉痛のような痛みを感じ、運動後数時間経過するとジンジンする痛みへと変化する。そして、おそらくこの痛みが出ると、気分が非常に悪い状態となる。
長時間押さえつけられた場所にも症状がでるらしい(一日座業をしていると、大腿部の裏側に筋肉痛のような痛みを感じる)。
・以前から使っているハンドグリップを使ってはかる限りでは、握力の低下はない。症状が軽い時には、ふつうに走ったりもできる(ただし走ると症状が重くなるようです)。
・当初は運動(走るなど)しても、症状が出るのが翌日や翌々日くらいだったため運動と症状の因果関係に気づいていなかったが、ここ一月ほどは上記のように30分程歩いた程度でも症状が出るようになっている。
・安静にしても、症状は軽くなるが根本的には治っていない(症状が始まった当初2週間自宅で安静にしていましたが、通常の生活を始めるとすぐ再発しました)。
・運動をすれば使った部位の症状は顕著にでるが、そうでなくともいろいろな部位にいろいろな症状が現れ、パターンがよくわからない。
・症状発生前後に、特に転んだり、ストレスを強く感じたりしてはいない。またこれまで、このような症状の経験はない。症状の出るまで、週2度ほど水泳をしていた。
・1月頃から花粉症対策のためクラリチンを飲んでいたため、2週間前から服用を中止してみているが、特に症状の改善にはつながらない。
これまでに、症状は当初の左手のみから体全体に広がってきており、神経内科で所見無しではありますが、症状は重くなったり軽くなったりを繰り返しており、今のところ治る気配がありません。
そのため、何か根本的な原因があるのであれば早くつきとめて対応したいと考えています。
回答いただきたい点は以下になります。
・考えられる原因、疾患(一つの原因?複数の原因?)は何か。
・予防接種が引き金になっていることは考えうるか。その場合、時間がたてば症状が解消するのか。
・神経内科ではなく、腎臓や肝臓など内臓に問題がある(ないかとは思いますが、たとえばガンなどが転移したような)等から診療をしてもらったほうがよいか。 治療をすべき場合、どちらの病院で診察を受ければよいか(もし、千葉・東京あたりで推薦の場所がございましたらお願い致します)
・考えられる対策(治すための)は何か。
・医院で診療してもらうよりも、仕事を1,2ヶ月休職する等のほうがよいのか。 *ただ、現在も2週間ほど仕事を休んでおりますが、改善する気配はありません。
・安静にしていたほうがよいのか。それとも症状が出ることを覚悟しつつ、少しずつ体を動かしたほうがよいのか。
*今はラジオ体操や軽い外出・散歩程度をしています。
長文となり恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。

Date: Sun, 24 Apr 2005 08:50:17 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
大変不可解な筋肉の症状が続き、あちこちの病院に行ってもはっきりとした診断が付かず不安なままどうしたら良いのかも分からずお困りのご様子が良く分かりました。
神経内科的に究明されるべき病態でしょうが、現時点の医学では解明されていないものによる症状と考えられます。
全身の筋肉の力が低下してしかも筋肉の痛みが出る病気としてはまず「多発性筋炎」があります。
微熱があるのも合っています。
50歳くらいの人がかかると全身のどこかに癌が隠れていたりすることもありますので注意が必要ですが ご質問者のように若い方の場合はそういうことは少なく、純粋な自己免疫疾患と考えられています。
「多発性筋炎」の場合は普通血液中のCKが結構高くなることがほとんどです。
ご質問者の場合、一度少し高くなられたことがあるようなので時折は測定をしてもらうようにされては如何でしょうか。
それから「多発性筋炎」ではCKのほかに「Jo1(ジェイオーワン)抗体」というのが高くなっていることがありますので採血の場合はこれも確認しておいてもらわれるのが良いでしょう。
もしもこの「Jo1(ジェイオーワン)抗体」が高くなっておればかなりの正確さで「多発性筋炎」だと診断が付きます。「多発性筋炎」の確定診断は筋生検と言って、最も侵されていると思われる部位の筋肉の一部を小さな手術で取り出して顕微鏡で検査をすることが行われます。
痛い検査でもありますし傷を付ける検査ですのでよほど可能性が高い場合にのみ行ってもらうようにするのが良いでしょう。
筋肉の力が弱くなりしかも全身の筋肉にピクツキが見られる怖い病気としては
「筋萎縮性側索硬化症」があります。
この病気の場合は筋肉の力が衰えるだけでなく、筋肉自体が萎縮をして扱けて来ます。
ですから発病して数ヶ月も経つと誰の眼にも全身が痩せてくるのが分かるようになります。
「筋萎縮性側索硬化症」はそういった症状の他に「筋電図」の検査をするとかなりの確率で大きな波が出るので診断がより確実になります。
ご質問者の筋電図の検査では異常がみられなかったとのことですのでどちらかというと考えにくいでしょう。
それにこの病気では発熱も一般にはありません。
筋肉の力だけが弱くなり他の症状があまり目立たない病気には「重症筋無力症」があります。
この病気では朝よりも夕方筋肉の力が弱くなるという特徴があります。
血液中の「抗アセチルコリンリセプター抗体」が検出されたり、筋電図で「waning ウエイニング」と言って徐々に波が小さくなる現象が観察されたりしたらほぼ診断が確定します。
全身の筋肉だけでなく眼の筋肉の障害が目立ち、瞼が垂れたり、物が二重に見えたりすることも多いです。心配な場合は神経内科の外来で「テンシロンテスト」と言って注射で症状が良くなるかどうかの検査をしてもらっておくと良いでしょう。
「重症筋無力症」に良く似た病気に「イートンランバート」というのがありますが若い人には珍しいですし、筋電図に異常が出ることがあります。
脊髄の病気を疑われてMRIなどの検査を受けられたようですが脊髄の病気の場合はほとんどが身体の右か左かに分かれて症状が出ますのであまり可能性は高くありません。
軽いうつ状態もあるかもしれませんが、「うつ病」ですべての症状は説明が付きません。
ありとあらゆる検査で身体に異常がみつからない場合、「身体表現性障害」との診断を精神科で受けることもありますが十分な検査無しに安易にそう決め付けるのは問題で相当慎重に診断すべきです。
このように検討してみますと、今までに解明された病気に当たるものではなさそうです。
むしろ未だ現在の医学では解明されていない疾患の可能性が高くなって来ます。
原因不明で筋肉の力が衰えて、ありとあらゆる検査をしても診断が付かない患者さんを時折拝見することがあります。
そういった場合、まだまだ医学の進歩は遅れているのだと考えざるを得ません。
では、個々のご質問項目にお答えします。
> ・考えられる原因、疾患(一つの原因?複数の原因?)は何か。
筋肉の力の低下は現時点で医学的に解明されていないいくつかの原因が重なって出ている症状の可能性が高いように考えます。
しかし、いろいろな病院での検査で見落とされた点があるかもしれません。
> ・予防接種が引き金になっていることは考えうるか。その場合、時間がたてば症状が 解消するのか。
時期的に一致しているので予防接種と関連していることも考えられますが、これも原因と結果の関係が判明したものではありません。
予防接種による神経障害は一時的な場合もありますし、あとあとまで残る場合もあります。
> ・神経内科ではなく、腎臓や肝臓など内臓に問題がある(ないかとは思いますが、た とえばガンなどが転移したような)等から診療をしてもらったほうがよいか。
全身のありとあらゆる検査をしておいてもらうと癌などの心配は確かに少なくなり安心ですがご質問者の場合、年齢などからも癌が見つかる可能性が極端に低い場合、健康保険も効かなくなり自費扱いとなってしまうのではないでしょうか。
> 治療をすべき場合、どちらの病院で診察を受ければよいか(もし、千葉・東京あた りで推薦の場所がございましたらお願い致します)
治療よりもまずは診断が必要です。
> ・考えられる対策(治すための)は何か。
診断が付いていないので特効的治療は望めませんが栄養に気をつけ、特に良質のたんぱく質を適量摂り、適度の運動と明るい日常生活を送ることが先ず重要です。
> ・医院で診療してもらうよりも、仕事を1,2ヶ月休職する等のほうがよいのか。
> *ただ、現在も2週間ほど仕事を休んでおりますが、改善する気配はありません。
かかりつけ医と連絡は保つべきですが、一般的な医院に罹って診断が付くような病態とは考えにくいです。
> ・安静にしていたほうがよいのか。それとも症状が出ることを覚悟しつつ、少しずつ 体を動かしたほうがよいのか。
*今はラジオ体操や軽い外出・散歩程度をしています。
無理をしない範囲で仕事も少しずつ始められては如何でしょうか。
こういった症状の患者さんにたまにお会いしますが、
いつの間にかほとんどの症状が消えてしまわれる方もいらっしゃいます。
さまざまな症状がその後も出たり消えたりしながら長年にわたり同様の症状が続く方もいらっしゃいますが、命に別状はなく、何となくその症状と付き合って居られる方が多いです。
中にはパキシル、トリプタノールなどの抗うつ剤を少量飲んでもらうことにより症状が結構改善された方もいらっしゃいます。
かかり付け医と連絡を保ちつつ、気長に付き合って行くような気持ちでこれらの症状に対応されるのも一法です。
医学がさらに進歩していつの日かこういった病気も解明される日が来るものと期待したく思います。
治療法ももっと進むことを望んでいます。
以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。
Subject: Re: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。
Date: Wed, 27 Apr 2005 20:25:04 +0900
ご回答ありがとうございます。
原因が不明なため対応策が特段ないということでその点なんとも残念ではあります
が、結論までの考察やアドバイス等を先生より頂戴でき
大変感謝致しております。
現時点で追加の質問はございませんが、今後のご参考に、お問い合わせ後の経過をお知らせ致します。
・数日間外出を控えていたところ、安静にしていれば、筋肉の痛みは軽くなるらしいことがわかった。
逆に5分も歩くと症状が出る。
・症状が強く出ている時は、鋭い痛みも混じることがある。
・ここ数日は、胸から腹にかけて、非常にムカムカする状態が続いている。また胃腸の調子は引き続き悪い。
・右手小指外側のしびれが少し強くなった。
・左まぶたが、見た目にも少し厚くなった。
全体として、悪化しているようです。
今後も経過をみつつ、病院の先生と相談してみます。
また、以前からお世話になっている気功の先生にもみていただいているので、気や自分で行う体操なども併用しつつ回復につとめたいと思います。
日曜日にご回答頂いたのですね。
先生も是非健康に気をつけられて、元気で仕事を続けられることを願っております。