質問・回答(0351)



(since2006/11/24)

「どうか母を救ってください」

Date: Tue, 9 May 2006 20:42:48 +0900 (JST)
Subject: 母を救ってください。

母の体調について質問です。
昨年1月初旬左腹部に帯状疱疹を発症しました。最初は皮膚科にて治療に当たっていましたが痛みが激しく耐え切れず、知人の勧めもあり4月**日、5月*日の2回麻酔科にて神経ブッロクを受けました。ところが、失敗だったのでしょうか?2回目注射直後、足がしびれ歩行困難となりました。この注射を打つ際医師は、あれ?あれ?と戸惑う様子で、母は不安感を募らせたといいます。後日歩行は可能となったものの、しびれはとれず、事情を話し3回目の予約を取り消し以後麻酔科へは行っておりません。医師には2回位通院したからといって治る訳がないと言われたそうです。

6月に入り、以前母が習っていた中国の気功の先生に現状を相談しました。漢方薬や気を施して頂き、顔色や唇、舌など荒れていた部分が改善し、母も気功を実践するようになりました。しかし、その後も帯状疱疹後神経痛と足の痺れは続き、7,8月頃本人曰く、腹部周辺の神経が壊れ、取れてしまったようで寒い。と真夏だというのに厚着し、体感温度が鈍くなりました。

9月に入り、神経痛とは別に体の中で何かが動き出したと言い、本人は、新しく神経細胞が作られてきたのではないか?と希望を持っていたようでした。その後も漢方薬や気功、別の病院へレーザー光線をあてに行ったりと治療に前向きに取り組んでいました。

ところが12月24日未明突然の発作(意識ははっきりしているが足を上下にバタバタ、それが腕に移動したりする。)12月30日には、瓦や地面が歪んで見えたり、ぬいぐるみが膨らんで見えたりなど幻覚症状が起きました。この日の記憶は本人にはないといいます。

今年に入り、神経痛に加え体内のその動きは、だんだん広がり腹部を中心につっぱり引っかき廻され24時間止まる事無く続き、痛みよりもこの動きが辛いと言いはじめました。ついにはハンマー投げをやられているように振り回されるような感覚まで進み、我慢も限界に達してしまいました。回復している(神経の修復)と信じていたのが、だんだんひどくなっていく事に絶望的になり現在(4月中旬より)死を考えるまで追い込まれています。帯状疱疹後神経痛に耐え切れず、うつになり自殺する人も多いと聞き、とても不安です。

帯状疱疹発症以前より、母は、**市の**病院神経内科にて1ヶ月に1回診療を受け、デハス、トリプタノールを処方、常用しており、担当医は経緯を把握しております。母は、痛みには耐えられるがこのまま一生この動きがひどくなり続けるのではという不安と焦りから不眠状態に陥っています。

4月2*日夜、手足をバタバタさせ唇の震えが起き、話しか出来ない状態となり、**病院を受診。点滴2本受けるも手足の震えは治まらず、薬で眠らせたら翌朝には治まりました。入院を勧められましたが、本人が固く拒否したため自宅に戻っています。神経内科では、対応しきれないとの事で、担当医の紹介状により**市の**病院精神科への受診を勧められましたが、うつではないのです。元は帯状疱疹が原因なのです
。体内の痛み、動きを止めて頂きたいのです。それが無理なら緩和させるような治療、薬を教えて頂きたいのです。現在、**病院にて処方されたルーラン錠4ミリ、ユーロジン2ミリを飲んでいますが、殆ど効かず症状が改善されぬまま眠れぬ日々を送っております。母の年齢67歳、身長153センチ、体重40キロです。

質問
1、母の病気の実態は、帯状疱疹後神経痛なのでしょうか?それとも神経ブロック失敗による神経の破壊が原因ですか?神経ブロック注射の後遺症ですか?
2、どこを受診しても現状ではうつにされ、精神安定剤、睡眠薬しか処方されません。
何科に行けば、また、**県内ではどの病院を受診すれば良いでしょうか?
3、腹部を中心に体中につっぱり、引っかき廻されるグリグリした動きが24時間止まないといいます。それを止めて頂きたいのです。不可能ならば、せめて我慢が可能なレベルまで緩和させる治療方法、薬はありますか?
4、万一、治療法がない場合はどうしたらいいのでしょうか?
5、今後、生活していく上での注意点などありましたら教えて下さい。(薬の飲み合わせ、食べ物、体を冷やすといけない等何かありましたら)

活動的で明るく、みんなの世話焼きだった母が生きる気力を失ってしまいました。どうか母を助けてください。お忙しい所申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願い申し上げます。

Date: Sun, 14 May 2006 11:17:42 +0900
Subject: 「インターネット病気個別ご相談」お答えします。

大変お困りのご様子、胸を痛めつつ拝読致しました。
ご心中お察し致します。

以下、ご質問項目に従いお答え致します。

> 質問
> 1、母の病気の実態は、帯状疱疹後神経痛なのでしょうか?それとも神経ブロック失敗
> による神経の破壊が原因ですか?神経ブロック注射の後遺症ですか?

精神科受診を勧められたのは「身体型妄想性障害(セネストパチー)」や「体感幻覚を伴ううつ病」などを疑われたためと考えられます。
帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛が直接の原因となってこれらの病気が発生することは知られていません。それから神経ブロックの副作用としてやはりこれらの病気を発症することも知られていません。しかし、直接の原因ではなくてもきっかけにはなったでしょうし、病状にかなり影響を与えているでしょう。

精神的な病気と考えられても本当は「てんかん」など他の病気が隠れていたりすることはたまには有りますので神経内科をはじめ他科の先生方と連絡を保っておくことは重要です。

「身体型妄想性障害(セネストパチー)」は軽い場合は「皮膚の下に虫がいて、ムズムズ動いて気持ちが悪い」などと言って来られる患者さんが多く、そういう場合には「皮膚寄生虫症妄想」と呼ばれます。
患者さんにとっては大変つらいことです。不安感も強いでしょうし、不快な気分もあり、症状の強いときには相当なストレスにもなります。

ご相談者の場合に幸いなのはご家族の方がこの辛さを良く理解して差し上げておられることです。ご家族の中には場合によっては患者さんのお気持ちを察することなく症状を非難するような方もいらっしゃるからです。それから入院こそ拒まれてはいらっしゃいますが精神科の先生の診察を外来で何とか受けておられるのも幸いなことの一つではないかと思います。

> 2、どこを受診しても現状ではうつにされ、精神安定剤、睡眠薬しか処方されません。
> 何科に行けば、また、**県内ではどの病院を受診すれば良いでしょうか?

「身体型妄想性障害(セネストパチー)」や「体感幻覚を伴ううつ病」の治療は
なかなか一筋縄には行きませんが精神科に入院すると多くの薬や他の治療法も試すこともできますし、良い対応が出来るのではないかと思います。
現在外来受診をしておられる**病院の精神科でしたら精神科だけでなく他の科の先生方の応援も得ることが出来るので入院するとすればこちらが良いでしょう。

ご本人は入院を拒まれるということですが、精神科には「医療保護入院」という一種の強制入院の制度がありますので担当の精神科の先生に相談をしてみられては如何でしょうか。
この「医療保護入院」という制度ではご本人が入院を拒否されても精神保健指定医という資格を持った医師の診察で「入院が必要」という判断が出れば、あとご家族の方が同意をしさえすればご本人を強制的に入院をしてもらうことが可能になります。
もちろんご本人が納得をされて、ご了解を得て入院されるのに越したことはありませんがどうしてもという場合には検討に値します。
詳しいことは病院の精神保健福祉士が説明をしてくれますので病院の相談室などで尋ねてみて下さい。
病棟ではうまく対応してくれますので強制入院といっても結構おとなしく入っておられる方がほとんどです。

> 3、腹部を中心に体中につっぱり、引っかき廻されるグリグリした動きが24時間止ま> ないといいます。それを止めて頂きたいのです。不可能ならば、せめて我慢が可能なレ
> ベルまで緩和させる治療方法、薬はありますか?

「身体型妄想性障害(セネストパチー)」の薬としては
昔は「ピモジド(pimozide)」(商品名は「オーラップ」)が有効であるなどと言われたこともありますが、むしろ最近では「非定型抗精神病薬」という種類の薬が試みられることが多いです。
現在投与を受けておられる「ルーラン」(一般名は「塩酸ペロスピロン」)も「非定型抗精神病薬」の一種ですが他にいろいろな種類のものがあります。
最近の精神科の薬は昔の薬に比べると副作用が少なくはなっていますが、それでも筋肉のこわばりと高熱、便秘、勝手な筋肉の動きなど十分に副作用には気をつけて使うべきです

> 4、万一、治療法がない場合はどうしたらいいのでしょうか?

「身体型妄想性障害(セネストパチー)」や「体感幻覚を伴ううつ病」で入院をしていろいろな薬物療法や精神療法を試みてもどうしても強い症状が残る場合には無けいれん性通電療法(ECT: electro convulsive therapy)という治療法があります。
しかし、これは麻酔科医師に麻酔をかけてもらうものであくまでも最終的な方法です。

> 5、今後、生活していく上での注意点などありましたら教えて下さい。(薬の飲み合わ
> せ、食べ物、体を冷やすといけない等何かありましたら)

薬の飲み合わせについては病院の薬局から出ている薬でしたら大丈夫です。
お薬を渡されるときに詳しい説明を聞くようにしましょう。
食べ物については栄養の偏りが出ないように気をつけるようにします。
適当な量の水分の摂取も大切です。逆に水分を摂り過ぎるようであればすぐに医師に相談をしましょう。薬の副作用の場合があります。
病院内にソーシャルワーカー、精神保健福祉士などの職種の人が居るようでしたら担当医師から紹介を受けて今後の生活などについてお話を聞くと又別の面で助かることがあります。

以上、今回のお答えとさせて頂きます。
どうぞ、お大事になさって下さい。

Date: Mon, 15 May 2006 11:21:38 +0900 (JST)
Subject: Re: ご回答頂きました。

昨日、足立先生からのご回答、無事受信致しました。
親身になったご回答、一般人にも分かり易くかみ砕いたご説明、大変有難く拝読致しました。
母の病状について疑われる事、治療の方向性に間違いはなかった事、今後の治療にあたってのいくつかの選択肢、可能性などが分かりました。
家族一丸となって、母を支えて参ります。本当に有難うございました。