壁の男 壁の男 壁の男
 犯罪が起きないのでジャンル分けすればノンミステリーになるかと思いますが、手法は明らかにミステリーのものであり、ばらばらだったパーツが最後に繋がってひとつの絵になるカタルシスはミステリーの読後感と変わらないと思います。
 彼はなぜ絵を描き続けたのか、という疑問に対する答えが得られるカタルシスを、どうかお楽しみください。

初出=オール讀物2015年7月号〜2016年6月号

2016年10月 文藝春秋刊 本体価格 1500円
2019年110月 文春文庫刊 本体価格 750円