新月譚
プロローグで謎は提示されますから広義のミステリーにはなりますが、トリックやどんでん返しはありません。とはいえ、これまでぼくの作品を読んでくださっていた読者をがっかりさせることはないと思います。デビュー以来初めて、人物描写に力点を置いて書いた作品です。読者の心に刺さって抜けない棘になることを願っています。
初出=「別冊文藝春秋」2010年7月号〜2012年1月号
2012年4月
文藝春秋
刊 本体価格 2100円
2015年6月
文春文庫
刊 本体価格 820円