小型3ウェイ製作レポート 東京都 S.O.
方針:高音質、安価、小型軽量、製作容易、である事。
・ユニット
スペックから以下のユニットを選択しました。
ウーファユニット:ParcAudio DCU-171PP
帯域:〜5kHz
能率:90dB/W/m
ウーファユニットのカタログのF特
ウーファユニットの実装時の実測F特 (ネットワーク経由)
スコーカユニット:Onkyo HM500A−MK2
帯域:650kHz〜9kHz(推奨:700Hz〜)
能率:111dB/W/m
スコーカユニットの製品添付の実測F特
トゥィータユニット:Technics 5HH10
帯域:3kHz〜20kHz(推奨:5kHz〜)
能率:100dB/W/m
トゥィータユニットのカタログのF特
トゥィータユニットの実装時の実測F特 (ネットワーク経由)
注)1kHz以下はノイズ
・エンクロージャ
板材:軽量化を重視し、15mm厚シナ合板 (強度/共振は若干妥協)。
寸法:小型化を重視し、各スピーカユニットがぎりぎり収まり、
且つ、2台分が36一枚に無駄なく収まる板取を考慮し、
巾:340mm、奥行:340mm、高さ:400mm としました。
板取
内部
背面
正面
尚、直線切断は近所の材木店に依頼、丸穴は日曜大工セットで加工、
接着は木工ボンド、外装は木目の壁紙、ネット材はサラン です。
又、F特測定、試聴から低音不足が確認されたので、
エンクロジャ背面にポートを追加し、バスレフ型も対応可能です。
( 内径 66mm、ポート長 220mm )
背面に追加加工したバスレフポート
・ネットワーク
スコーカユニットの Onkyo HM500A−MK2 は推奨は 700Hz以上ですが、
大音量で鳴らさない事を条件に、ホーンサウンドを生かすべく、
低域のクロスは低めの 650Hz、高域のクロスは高めの 8kHzとしました。
更に、F特測定にて、クロスオーバ部 (8kHz) のディップを確認したので、
ネットワークの定数変更でピークを作り補正しました。
クロスオーバ部 (8kHz) のディップ
ディップ補正に対応したネットワーク (Coral NT-32V (CX-77用) をベースに改造)
上記ネットワーク特性
今回、完成したシステムのF特
注) 40Hz付近のピーク等は部屋の影響が含まれます
・所感
低域(容積)不足、取付方法(前後位置)不適、対称(コーナ回折無視)、板厚強度不足、
形状(整数比)、板取(バッフル継接)、製作(ホーン入手困難)、仕上強度不足、等、
数々の課題は残るものの、材料費も片チャネル30000円、重量も15kg 以内に収まり、且つ、
水準以上(期待通り) の音質も得られ、目的は達せられたのではないかと思います。
・補足
板取図は ”Visio”、回路図は ”D2CAD”、F特測定ツールは、"MySpeaker"、
回路シミュレーションは、"CircuitViewer" を利用しました。