QSデコーダ調整マニュアル リファレンス番号範囲と回路機能  101〜 130 入力バッファ、出力バッファ、QSマトリクス、デカップ。  201〜 224 Lch移相回路、Rch移相回路。  301〜 306 電源回路。  401〜 433 バンドパスフィルタ、ノイズジェネレータ、ロジックオンオフ  501〜 518 Log比較回路。(RF/LB比較)  601〜 618 Log比較回路。(LF/RB比較)  701〜 726 クロストークキャンセル。 801〜 810 電圧制御抵抗(LF/RB逆相ミックス)。 901〜 910 電圧制御抵抗(RF/LB逆相ミックス)。  1001〜1010 電圧制御抵抗(LF/RB正相ミックス)。  1101〜1110 電圧制御抵抗(RF/LB正相ミックス)。  1201〜1205 音源方向表示回路(兼調整用)。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ バンドパス(LF) Log比較 ┃ バンドパス(RF) Log比較 ┃ ┃ ┃ バンドパス(RB) (LF/RB) ┃ バンドパス(LB) (RF/LB) ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ 電源 ┃ ┃ ┃ LB/RF正相 LB/RF逆相 ┃ ┃ ┃ QS ┃ クロストークキャンセル クロストークキャンセル ┣━━━━┫ ┃ マトリクス ┃ RF/RB正相 RF/RB逆相 ┃ノイズ ┃ ┃ ┃ クロストークキャンセル クロストークキャンセル ┃ ジェネレータ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ Lb∠-120移相 LfoutBf リレー ┃ ┃ LinBf ┃ Lf∠-0 移相 RfoutBf リレー ┃ ┃ RinBf ┃ Rb∠-60 移相 LfoutBf Dsp 方向 ┃ ┃ ┃ Rf∠-0 移相 RfoutBf 感度 Dsp ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 調整手順 1.電源を入れる前に  1.1 3段目の右側のノイズジェネレータの半固定 RV402 を左一杯に絞ってください。   上記 RV402 以外の半固定は全て、以下の如くとして下さい。    1.2 1段目のLog比較回路の半固定を全てを中間位置にして下さい。       (RV601、RV603、RV602、RV604、       RV501、RV503、RV502、RV504)  1.3 2段目の半固定 RV1001、RV1101、RV801、RV901 を中間位置にして下さい。  1.4 2段目の右側の半固定 RV401 を中間位置にして下さい。  1.5 3段目の右側の半固定 RV1201 を中間位置にして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV601 ┃ RV501 ┃ ┃ ┃ RV603 ┃ RV503 ┃ ┃ ┃ RV602 RV604 ┃ RV502 RV504 ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV1001 RV801 ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ RV402┃ ┃ ┃ RV1101 RV901 ┃RV401 ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV1201 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 2. 電源を入れたら先ず、  2.1 3段目の右側のバイアス用 半固定 RV1201 を調整して、     右下の方向表示LED の明るさが全体的に薄暗くなる様にして下さい。     この LED は薄暗くする事でバランス調整に使います。     (調整後、適当なバイアスで音源方向表示器として使えます)                  ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV1201 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 3. Log比較回路のlogアンプのDCオフセットの調整です。  3.1 100Hz 程度の低い周波数のモノラル信号を入力します。  3.2 1段目の左の回路ブロックの左側の半固定 RV601 を回し、     中央付近の抵抗 R609 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。  3.3 1段目の左の回路ブロックの左側の半固定 RV602 を回し、     中央付近の抵抗 R610 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。    3.4 1段目の右の回路ブロックの左側の半固定 RV501 を回し、     中央付近の抵抗 R509 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。  3.5 1段目の右の回路ブロックの左側の半固定 RV502 を回し、     中央付近の抵抗 R510 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。                 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ RV601 ┃ RV501 ┃ ┃ ┃ D613 ┃ D513 ┃ ┃ ┃ R610 ┃ R510 ┃ ┃ ┃ RV602 ┃ RV502 ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 4. Log比較回路の差分バランスの調整です。  4.1 1kHz程度で 左:右 が 1:0.414 のレベル比の信号を入力します。  4.2 1段目の左の回路ブロックの右下の半固定 RV604 を回し、     右下の方向表示の前方右と後方左( Rf, Lb ) のLEDを同じ明るさにして下さい。  4.3 1kHz程度で 左:右 が 0.414:1 のレベル比の信号を入力します。  4.4 1段目の右の回路ブロックの右下の半固定 RV504 を回し、     右下の方向表示の前方左と後方右( Lf, Rb ) の LED を同じ明るさにして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV604 ┃ RV504 ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lf Rf ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lb Rb ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5. Log比較回路の低レベル差分バランスの調整です。    今回、P板化した結果、5.* の調整は不要の場合があります。    その場合は RV402 を絞ったままにして下さい。 5.1 本機の入力信号を0にして下さい。   (入力RCAはオープンにせず、信号元を0にして下さい) 5.2 2段目の右側の RV402 を一寸右に回し、    右下の方向表示の LED が全て薄暗く光る様にして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ RV402 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lf Rf ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lb Rb ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5.3 1段目の左の回路ブロックの左側の半固定 RV603 を回し、     右下の方向表示の前方左右 ( Rf, Lf ) の LED を同じ明るさにして下さい。  5.4 1段目の右の回路ブロックの左側の半固定 RV503 を回し、     右下の方向表示の後方左右 ( Lf, Rb ) の LED を同じ明るさにして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV603 ┃ RV503 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lf Rf ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Lb Rb ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5.5 3段目の右側の半固定 RV1201 を調整して、通常の方向表示器とするため、     右側の方向表示 LED が通常は光らない様にして下さい。                  ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃   Lf Rf ┃ ┃ ┃ RV1201 ┃ ┃ ┃   LB Rb ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 6. FETオフセットの調整です。  6.1 この LED には入力信号が重畳している為、入力が大きいと光ってしまうので、     調整時の入力信号は 0.1Vpp 程度にしてください。   6.2 左:右が 1:0.414 のレベル比の信号を入力します。     2段目の右側の半固定 RV401 を調整して     右下の Rf と Lb の LED だけが消える瞬間にして下さい。     ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃RV401 ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃   Lf Rf ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃   LB Rb ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛               6.3 2段目の右側の半固定 RV401、RV802、RV902、RV1002、RV1102 を微調整し、     1kHz 程度の色々な異なるレベルの同相、逆相信号を入力した時、     クロストークがキャンセルされるチャネルから歪が余り聞こえなくなり、且つ、     クロストークが 20dB (1/10) 程度に揃う様にして下さい。     又、FET Q801、Q901、Q1001、Q1101 は選別したものを使って下さい。     ここだけが調整が微妙で妥協が必要です。 これで調整終わりですが、  DCオフセット等の調整は何回か繰り返して下さい。 補足  ここで、移相回路の以下の    RV201、RV202、RV203、RV204、RV205、RV206、RV207、RV208、 RV209、RV210、RV211、RV212、   を半固定とした場合、調整が必須ですので、   入力にホワイトノイズを加え、FFTにて 20Hz から 20kHz 間の位相差を測定し、   (位相差が測れるFFTが必要です)      R221の L-60 側と、R222の L00 側の信号が、     RV201、RV205、RV209、RV202、RV206、RV210、を調整し、60度位相差となる様に、    R222の L00 側と、R224の R00 側の信号が、     RV204、RV208、RV212、を調整し、同相となる様に、    R224の R00 側と、R223のR+60側の信号が、     RV203、RV207、RV211、を調整し、60度位相差となる様に、   調整して下さい。   この調整を発振器とリサージュだけで行なおうとすると可也苦労します。 ┏━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┳━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ RV201 RV205 RV209 ┃ ┃ ┃ RV202 RV206 RV210 ┃ ┃ ┃ RV203 RV207 RV211 ┃ ┃ ┃ RV204 RV208 RV212 ┃ ┗━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  尚、QS方式は移相の精度が悪くてもセパレーションに全く影響せず、   定位にも殆ど影響しないので、高精度にする必要はありません。