SQデコーダ調整マニュアル リファレンス番号範囲と回路機能   1〜 6 電源回路。  101〜 144 入力バッファ、ノイズジェネレータ、        QSマトリクス、SQマトリクス、デカップ。  201〜 216 Lch移相回路。  301〜 316 Rch移相回路。  402〜 415 バンドパスフィルタ。  501〜 518 Log比較回路 (Lf/Rf)。  601〜 618 Log比較回路 (Front/Back)。  701〜 718 Log比較回路 (Lb/Rb)  U:Lb、D:Rb。  801〜 813 可変移相コントロール回路。  814〜 837 可変移相回路、クロストークキャンセル、出力バッファ。  901〜 904 電圧制御抵抗(移相用)。  1201〜1204   〃  1301〜1304   〃  1401〜1404   〃  1501〜1504   〃  1601〜1604   〃  1701〜1704   〃  1801〜1804   〃  1001〜1010 電圧制御抵抗(クロストークキャンセル用)。  1101〜1110 電圧制御抵抗(クロストークキャンセル用)。  2001〜2006 音源方向表示回路(兼調整用)。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃LinBf L∠-90移相 ノイズGen QSマトリクス ┃ ┃ ┃ L∠-0 移相 ┃ ┃ ┃RinBf R∠-90移相 SQマトリクス バンドパス ┃ ┃ ┃ R∠-0 移相 (後方ch)  (Log用) ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 電源 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ Log比較 Log比較  Log比較 ┃ ┃ ┃ (Lf/Rf) (Front/Back) (Lb/Rb) ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃Lf移相Ctl 移相 移相 クロストークキャンセル LfBf LfoutBf リレー ┃ ┃Rf移相Ctl (Lf) (Rf)  (Back) RfBf RfoutBf リレー ┃ ┃Lb移相Ctl 移相 移相 クロストークキャンセル LfBf LfoutBf Dsp 方向 ┃ ┃Rb移相Ctl (Lb) (Rb) (Front) RfBf RfoutBf 感度 Dsp┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 調整手順 1.電源を入れる前に  1.1 1段目の中央のノイズジェネレータの半固定 RV101 を左一杯に絞ってください。   上記 RV101 以外の半固定は全て、以下の如くとして下さい。    1.2 2段目のLog比較回路の半固定を全てを中間位置にして下さい。       (RV501、RV502、RV503、RV504、       RV601、RV602、RV603、RV604、       RV701、RV702、RV703、RV704)  1.3 3段目の左側の半固定 RV801 を中間位置にして下さい。  1.4 3段目の中央付近の半固定 RV806 を中間位置にして下さい。  1.5 3段目の右側の半固定 RV2001 を中間位置にして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ RV101 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ RV501 RV601 RV701 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV503 RV603 RV703 ┃ ┃ ┃ RV502 RV504 RV602 RV604 RV702 RV704 ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV801 RV806 RV2001 ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 2. 電源を入れたら先ず、  2.1 3段目の右側のバイアス用 半固定 RV2001 を調整して、     右側の方向表示LEDの明るさが全体的に薄暗くなる様にして下さい。     このLEDは薄暗くする事でバランス調整に使います。     (調整後、適当なバイアスで音源方向表示器として使えます)                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV2001 ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  ここで、移相回路の以下の    RV201、RV202、RV203、RV204、RV205、RV206、RV207、RV208、RV301、RV302、    RV303、RV304、RV305、RV306、RV307、RV308、   の半固定を固定抵抗としなかった場合、調整が必須ですので、   入力にホワイトノイズを加え、FFTにて 20Hz から 20kHz 間の位相差を測定し、   (位相差が測れるFFTが必要です)    R215の L90 側と、R216の L00 側の信号が、     RV201、RV203、RV205、RV207、     RV202、RV204、RV206、RV208、を調整し、90度位相差となる様に、    R216の L00 側と、R316の R00 側の信号が、     RV302、RV304、RV306、RV308、を調整し、同相となる様に、    R315の R90 側と、R316の R00 側の信号が、     RV301、RV303、RV305、RV307、を調整し、90度位相差となる様に、   調整して下さい。   この調整を発振器とリサージュで行なおうとすると可也苦労します。 3. Log比較回路のlogアンプのDCオフセットの調整です。  3.1 100Hz 程度の低い周波数のモノラル信号を入力します。  3.2 2段目の左の回路ブロックの左側の半固定 RV501 を回し、     中央付近の抵抗 R509 の TP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。  3.3 2段目の左の回路ブロックの左側の半固定 RV502 を回し、     中央付近の抵抗 R510 の TP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ RV501 ┃ ┃ ┃ D513 ┃ ┃ ┃ R510 ┃ ┃ ┃ RV502 ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  3.4 100Hz 程度の低い周波数の信号を片チャネルだけに入力します。  3.5 2段目の中央の回路ブロックの左側の半固定 RV601 を回し、     中央付近の抵抗 R609 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。  3.6 2段目の中央の回路ブロックの左側の半固定 RV602 を回し、     中央付近の抵抗 R610 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ RV601 ┃ ┃ ┃ D613 ┃ ┃ ┃ R610 ┃ ┃ ┃ RV602 ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  3.7 100Hz 程度の低い周波数のモノラルの逆相信号を入力します。  3.8 2段目の右の回路ブロックの左側の半固定 RV701 を回し、     中央付近の抵抗 R709 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。  3.9 2段目の右の回路ブロックの左側の半固定 RV702 を回し、     中央付近の抵抗 R710 のTP側をシンクロで眺め、     リップルが均一波形になる様にしてください。                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ RV701 ┃ ┃ ┃ D713 ┃ ┃ ┃ R710 ┃ ┃ ┃ RV702 ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 4. Log比較回路の差分バランスの調整です。  4.1 1kHz程度のモノラル信号を入力します。  4.2 左の回路ブロックの右下の半固定 RV504 を回し、     右下の方向表示の前方左右 ( Lf, Rf ) のLEDを同じ明るさにして下さい。  4.3 1kHz程度の信号を片チャネルだけに入力します。  4.4 中央の回路ブロックの右下の半固定 RV604 を回し、     右下の方向表示の前方後方 ( F, B ) のLEDを同じ明るさにして下さい。  4.5 1kHz 程度のモノラルの逆相信号を入力します。  4.6 右の回路ブロックの右下の半固定 RV704 を回し、     右下の方向表示の後方左右 ( Lb, Rb ) のLEDを同じ明るさにして下さい。                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV504 RV604 RV704 ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ Lf F Rf┃ ┃ ┃ ┃ Lb B Rb┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5. Log比較回路の低レベル差分バランスの調整です。    今回、P板化した結果、5.* の調整は不要の場合があります。    その場合は RV101 を絞ったままにして下さい。 5.1 本機の入力信号を0にして下さい。   (入力RCAはオープンにせず、信号元を0にして下さい) 5.2 1段目の中央上側の RV101 を一寸右に回し、    右下の方向表示のLEDが全て薄暗く光る様にして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ RV101 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ Lf F Rf┃ ┃ ┃ ┃ Lb B Rb┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  5.3 左の回路ブロックの左側の半固定 RV503 を回し、     右下の方向表示の前方左右 ( Lf, Rf ) のLEDを同じ明るさにして下さい。  5.4 中央の回路ブロックの左側の半固定 RV603 を回し、     右下の方向表示の前方後方 ( F, B ) のLEDを同じ明るさにして下さい。  5.5 右の回路ブロックの左側の半固定 RV703 を回し、     右下の方向表示の後方左右 ( Lb, Rb ) のLEDを同じ明るさにして下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV503 RV603 RV703 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ Lf F Rf┃ ┃ ┃ ┃ Lb B Rb┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5.6 3段目の右側の半固定 RV2001 を調整して、通常の方向表示器とするため、    右側の方向表示LEDが通常は光らない様にして下さい。    ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ Lf F Rf┃ ┃ RV2001 ┃ ┃ Lb B Rb┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛                6. FETオフセットの調整です。  6.1 このLEDには入力信号が重畳している為、入力が大きいと光ってしまうので、     調整時は入力信号は 0.1Vpp 程度にしてください。   6.2 3段目の左側の半固定 RV801 を調整して     入力信号を左chだけ、右chだけにした時、     すぐ右の上から1番目と2番目のLEDだけが夫々消える様にして下さい。     (可能でしたら、左chと右chを同一レベルの+90度、−90度の 位相関係にした時、すぐ横の上から3番目と4番目のLEDだけが 夫々消えるか確認して下さい)                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ */- ┃ ┃ -/* ┃ ┃ RV801 (*/-) ┃ ┃ (-/*) ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  6.3 3段目の中央の半固定 RV806 を調整して     入力信号をモノラル信号にした時、すぐ右の下側のLEDだけが光り、     入力信号をモノラルの逆相信号にした時は、     すぐ右の上側のLEDだけが光る様にして下さい。                  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ */- ┃ ┃ ┃ ┃ RV806 -/* ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  6.4 3段目の半固定 RV801 と RV806 を微調整し、     1kHz 程度の同相で色々な異なるレベルの信号を左右chに入力した時、     後方chから歪が余り聞こえなくなる様にして下さい。      可能でしたら、同様に半固定 RV801 と RV806 を微調整し、      同一レベルで色々な位相関係の信号を左右chに入力した時、      前方chから歪が余り聞こえなくなるか確認し、且つ、      クロストークが 15dB (1/6) 程度に揃う様にして下さい。      又、FET Q1001、Q1101 は選別したものを使って下さい。   ここだけが調整が微妙で妥協が必要です。                      又、SQ方式はその非対称性故、左右壁側の音源方向の判別は完全には      行えないので、その方向の調整は程程で諦めて下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ RV801 RV806 ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ これで調整終わりですが、  DCオフセット等の調整は何回か繰り返して下さい。