相続110番

 相続について、実際ご質問のあった事項について、Q&A方式で説明します。誰にでも起こりえる事ですのでご参考になさってください。

 Q: 先日、母が亡くなりました。 現在住んでいる 土地は母の名義
   建物は主人の名義です。私の他に法定相続人としては妹がいます。
   土地は私にくれると思うのですが、貯金等に関しては妹と分けようと思っています。
   相続の非課税限度額、手続きの仕方について教えてください。


A: 法定相続人があなたと妹さんのお二人であれば、相続税の基礎控除は5000万円+1000万円×2=7000万円です。
  保険金についても500万円×2=1000万円までは受け取っても非課税です。また、お母様がどこかにお勤めで、
  死亡退職金を受け取った場合も上記とは別に500万円×2=1000万円まで非課税となります。
  以上の基礎控除内の相続財産であれば、相続税はかかりませんし、申告の必要もありません。
  次に、相続の手続きとしては遺産分割協議書を作っておかれたほうがよろしいでしょう。
  たとえばあなたが土地を、妹さんが預貯金を相続するということをそこに明記し、それぞれ署名実印を押印し、
  印鑑証明書を添付します。この遺産分割協議書を作成しておかないとあとあともめることが多いです。
  また、土地をあなた一人の名義で登記する場合は、この遺産分割協議書にあなた一人が土地を相続する旨が
  記載されていないと登記できません。いずれにしても早めに妹さんと話合われた方がよろしいでしょう。
  遺産分割協議書の作成も登記も自分でできないことはありませんが、面倒ということであれば司法書士さんが両方やってくれます。
  登記は当該土地を管轄する法務局で行います。その法務局に問い合わせ、相続登記をしたい旨をおっしゃれば、
  司法書士さんも紹介してくれますし、必要事項について説明してもらえます。

Q: 祖父の弟Aさんが8年前に他界し、3年前にその妻Bさんも他界しました。
   ご夫婦には子供も、それぞれの両親もいません。Aさんの兄弟は祖父だけですが、
  それ以前に亡くなっています。祖父の子供である父もすでに亡くなっています。
  ご夫婦の主な財産は小さな家屋、土地のみです。 この家屋等の名義がAさんの場合と
  妻のBさんの場合とのそれぞれの場合の法定相続人は誰になりますか?
   また、Aさんご夫婦のお墓が我が家にあり、お墓のお守代というような名目で母がお金を受け取る
  場合の税金等についても教えて下さい。


A: Aさんの相続人はAさんのご兄弟、Bさんの相続人はBさんのご兄弟になります。ご兄弟が亡くなっている場合は
  そのお子さんたちが相続人になります。ただし代襲相続はここまでで、A・Bさんの甥や姪の子供たち(つまりあなたとそのご兄弟)
  には相続権はありません。あなたのお母様も当該相続については無関係です。
   結局、A・Bさん名義の財産をそれぞれの相続人で話し合って相続することになります。 仮にお母様がお金を受け取られる場合、
  お墓のお守代などという名目であったとしても、お母様は相続人でないので、受けとった金額は贈与税の対象になります。
   

Q:  先日母が急死しました。父は10年前に他界していますが、私の祖父の残した土地がまだ相続されぬままになっています。
    父には、姉と妹が居ますが妹とは絶縁状態です。 いままで、税金・お墓等は長男の妻である母がすべてやって来ました。
     父の姉(私の伯母)は放棄すると言っているのですが、 絶縁状態の妹はどうするのかわかりません。
   土地を売ってしまって、今まで支払ってきた税金等を差し引いてみんなで公平に分配したいと考えています。
   必要な手続き等について教えてください。

  
A: まず、おじい様の残された土地をきちんと相続する手続きを行う必要があります。おじい様の相続人であるあなたの伯母様(姉)、
  叔母様(妹)、そしてあなたとあなたのご兄弟で、土地をはじめとするおじい様の遺産について、遺産分割協議をすることが必要です。
  その場合、叔母様が絶縁状態であるということは関係ありません。遺産分割協議の結果、叔母様方が放棄されるのはご自由です。
  いずれにしても 遺産分割協議が整い、土地が相続人の名義にならなければ、当該土地を売却することはできません。
  早めに協議されることをお勧めします。遺産分割協議書に、誰が何を相続するかをきちんと記し、相続人全てが署名実印の押印をし、
  印鑑証明を添付することが要件です。

Q: 15年前に 祖父は老衰のため急に亡くなりました。子ども(私の親の世代)は,男3人女1人です。
   祖母はそれ以前に他界しています。三男である私の父が当時祖父と同居しており,私の母は舅と姑の面倒を見てきました。
    祭具・墓の世話も父と母が行ってきました。ところが、最近になって長男に当たる人(私の伯父)が,
   「自分が長男だから,祭具・墓・その他祖父以前の代からある家財道具(タンスや漆器,掛け軸,屏風類)をすべて相続して,
   自分の物にする。」と言い出しました。このような道具類も相続財産として,分割協議の対象になるのでしょうか。
   また,遺産分割には時効のような物は無いのでしょうか。


A: 遺産分割については、書画・骨董はもちろん、被相続人の日常生活用具などすべてのものが対象となります。遺産分割協議書に、
   書画・骨董は○○に、家財道具一式は○○に、仏壇・仏具は○○にという記載があればよかったのですが、
   ない場合は改めて協議する必要があります。相続税には時効はありますが、遺産分割協議には時効はありません。
   他の相続人(伯父様)からの要求がある以上、話合いを持ち、うまくまとまらない場合は家庭裁判所に調停を申し出られたほうが
   よろしいでしょう。

Q:  叔父が亡くなって13年経ちますが、相続の手続きをしていません。叔父に子供はいませんし両親もすでに亡くなっています。
   その妻である叔母(81歳)が健在です。 叔父の財産としては土地と家があり、相続税の心配をしています。
   また、叔父には兄弟が4人いて、3人からは遺産放棄の書類をもらっています。残り1人は叔父が亡くなって2.3年後に亡くなっていますが、
   その妻が権利があるといっているそうです。叔母も高齢のためこのことが気になってどうしたらよいのか悩んでいます。
    よろしくご教授ください。


A: まず相続税については、時効(5年)が成立していますのでご心配いりません。次に兄弟3人が相続放棄されたとのことですが、
  その手続きは正式のものでしょうか。叔父様の死後3ヶ月以内に家庭裁判所に対して申し立てをしたものが正式のものです。
  正式でない場合、もし気が変わった人がいますと面倒なことになります。また、放棄していない一人の方が亡くなっている場合、
  その妻には権利はありませんが、その子供が代襲相続することになります。その子供が一人であると仮定しますと、
  叔母様3/4、その子供1/4の相続分となります。これはあくまで、法定相続分ですので、その子供が放棄すれば全て叔母様が相続できますし、
  土地家屋を全て叔母様が相続する代わりに、いくらかお金を渡すという方法もあります。
  相続人間でもめた場合は早めに家庭裁判所にご相談されるとよいでしょう。

Q: マイホームを購入しようと考えています。 購入にあたっては、私個人の金も使いたいと思っていますが、
   名義を主人と私の共有にするか、主人のみにするか迷っています。もしも、万が一我が家全員に不幸が合った場合の
   財産の相続はどうなりますか? 両方の両親は健在です。主人には兄弟はいませんが、私には兄弟がいます。
   主人の名義のみにした場合、私の血族には相続権はないのですか?、また両親も他界した場合はどのようになるのでしょうか?


A: あなたの貯金から資金を出されるのであれば、当然共有名義にする必要があります。たとえば3000万円の自宅を購入される際に
   あなたが500万円出すのであれば、あなたの持分は1/6となります。あなたがお金を出したのに、全てご主人名義にすれば、
   あなたが出したお金はご主人に対する贈与と見なされ、贈与税がかかってくる場合があります。
   あなたにもしものことがあった場合、お子さんがいればお子さんに、いない場合はご両親に、ご両親もいない場合は兄弟にという順序で相続権
   があります。配偶者は常に相続人となります。ご夫婦ともに、もしものことがあった場合も同様です。

Q:  伯母は独身で両親兄弟は居ません。伯母の妹である私の母は既に他界しています。
    伯母がもしもの時には、私と妹で分ければといくらか残してあるらしいのですが、 相続の手順や今のうちにしておくべき事
   などがよく判りません。 よろしくお願いします。


A:  伯母様の相続人は、伯母様の亡くなられたご兄弟のお子様たち、つまりあなたと妹さんです。しかし、他にも甥や姪がいるなら、
   その方がたにも同じように権利があることになります。その場合、伯母様があなたと妹さんにだけ相続させたいというお考えなら、
   遺言書を書いておく必要があります。また、たとえ相続人があなたと妹さんだけという場合でも、二人で分けやすいように伯母様
   に遺言書を書いていただくほうがあとあともめずに済みます。

Q:  我が家では20年くらいまで農業を営んでおりましたが、現在は全くやっていません。当該土地(1000坪程度)のまわりは
   完全な新興住宅地になっています。この土地を相続する場合の相続税を計算する際には「農地」を相続するということで,
   土地を相続できるものなのでしょうか。ご教授お願いいたします。
 

A: 回りが新興住宅地になっているということで、お尋ねの土地はおそらく@市街地周辺農地またはA市街地農地として評価される
   のではないかと思います。A市街地農地の場合、宅地比準方式という方法で評価されます。具体的には、
   その農地が宅地であるとした場合の価格から、当該農地を宅地に転用する場合にかかる費用(造成費等)を差し引いた金額
   により評価する方法です。@の市街地周辺農地の評価はAの評価の80%になります。

Q:  小さな会社を経営していた父親が亡くなり、この度社葬が行われました。会社から香典として150万円いただきましたが、
   この一部を50万円会社に 寄付したいと考えています。しかし、寄付することで会社に何か迷惑がかかるようなことはないでしょうか。
    また、香典として受け取った150万円は相続税の対象になるのでしょうか?


A: 会社から受け取った香典150万円は、会社としては交際費として処理しているはずです(会社の規模により一部損金)。
   この処理がすでになされたあとに、遺族が会社に対して寄付するわけですから、150万円の香典と50万円の寄付は
   別個に考えてよいと思います。50万円の寄付を受け取れば、会社は雑収入として計上するわけですから、ご心配はいらないと思います。
   香典として受け取ったものは、金額が妥当なものである限り、相続税の対象になりません。