紫式部

紫式部は平安時代中頃の女性文学者です。小さい頃から物覚えが良くて,父が兄に学問を教えていると,側で聞いている紫式部が先に覚えてしまうほどだったそうです。大人になり結婚した紫式部はその夫と死に別れ,その後宮中に仕えることになりました。その当時は藤原氏を中心とした貴族が天皇に代わって政治を執り,朝廷の重要な役も藤原一族が握っていました。紫式部はこうした貴族社会の生活と宮中に仕える人をモデルにして源氏物語という長い物語を書いたのです。物語の主人公は光源氏,天皇の子である光源氏は美しい上に豊かな才能に恵まれています。この光源氏の様々な交際を通じ,貴族の暮らしや感情などを生き生きと著しているのが源氏物語です。源氏物語のもう一つの特色は仮名文字で書かれていることです。日本ではそれまで漢字だけで文章を書いていたのですが,平安時代になって仮名文字が使われるようになったのです。仮名文字は漢字を書き崩したり,一部を略してつくられました。

今でも読み伝えられる源氏物語を書いた紫式部の声を聴いてみましょう。


紫式部の声 (MP3, size=108K)


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