第13回
ベルリンその3
ベルリンといえば芸術の都だそうですよ。街には戦争の爪痕とでもいうのか記憶とでもいうのかそんなものがたくさんあります。それに貧富の差の激しさが目に見えて感じられ,また遷都の真っ只中で工事だらけということもあってか今回の旅では汚い暗いイメージを受けることが多かったです。しかし,stastsoperで観たセビリアの理髪師は芸術の都を感じさせる素晴らしいものでした。オイローパセンターの中にあるプレイガイドでオペラを観ること出来ませんか?と尋ねると,非常に親切に教えれくれました。わたしは少々クラシカルな音楽を演奏することがあり,ベルリンでは是非ベルリンフィルかなんらかのオペラを観たいと思っていました。ベルリンフィルは残念ながら室内楽しかやっていなかったのでオペラにすることにしたのです。
観たい当日の昼にプレイガイドに行くとその日の空席を調べてくれます。あまりお金をかけたくないのなら少々観づらいですが3階席を取るといいでしょう。もしも行ってみてみやすい所に空席があれば移動することが出来ます。わたしはその安さに驚きました。12DMに手数料がついて15DMと日本円で約1200円,なんとまあ日本で映画観るより安いんです。おもわず「一桁違うんじゃないですか?」と聞き直してしまいました。
チケットを買ってからはちょっと観光してまわって時間をつなぎました。さすがに変な格好で行くのもなんなので宿(ユースみたいな所)に帰りスーツに着替えて行きました。しかし,スーツで電車に乗ると目立つこと目立つこと。じろじろみられました。日本人ということもあったかもしれませんが,スーツを着るような人は電車に乗らないのかな?と思いました。
stastsoperに到着するとまさにそこはオペラ劇場。日中は街中でみかけないような素敵な紳士淑女がたくさんいました。わたしが座った席は安い席なのでご当地の学生がたくさんいました。馬蹄型の観客席の3階の前から2番目だったので身を乗り出さないとみづらかったです。休憩の後,最前列に坐っていたおじさんが空いていた隣の席を勧めてくれたので後半は大変みやすかったです。
ジャッジャーン,テテテテテ,テテテテテ,テテテテテ,レーレレ,と始まりましたよ,セビリアの理髪師が。感動でした。オペラは初めてで緊張していました。歌も素晴らしくコミカルなシーンでは笑いがおこり,笑ってもいいんだーと思いました。そして,CDで聴いてると絶対に感じることの出来ない生独特の響きというか圧力はなみだものでした。ギターの伴奏で歌われるアリアが特に印象に残っています。
と,美しい話に終始した今回の旅話でしたがひとつおまぬけエピソードを。実は演奏時間が長いので前半と後半に別れ,間に休憩があったんです。わたし,前半で終わってしまったと思いうろちょろしているとロビーで皆さん飲み物など飲みつつ会話しています。誰も帰らないのかなーと思っていると正面のドアも閉まっているし所在無くなりました。びくびくしながら何と非常ドアから外に出てしまいました。そこでこれは休憩だったんだ!と気付き,慌てて正面から何食わぬ顔で戻り,後半を観ました。ほんと,焦りました。
じつはこの次の日にはDEF LEPPARDのライブをみにいきました。それについてはまたの機会に。
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