「そよ風」・大屋根・焼杉の家
  期間:平成17年9月〜平成18年9月
  場所:奈良県生駒郡
  敷地面積:166u  建築面積:85u  延べ床面積:113u
作品紹介 (Y邸・囲炉裏とネコの家)
●8月20日 Y様自宅を訪問
  去年のビルダーズエキスポで少しお話をさせていただき、事務所案内をお渡しした方です。私は(まだオープンシステムの体験会員でした)、当番ではなかったのですが、事務所案内が出来上がったのが当日の朝で、仕方なくバイクを飛ばして持ち込んだついでに、せっかく来たのだから、ほんの少しだけブース前でお話やビラ配りをしました。その時に前を通られた方です。ひとのめぐり合わせ、縁の不思議さを感じています。
  メールで数回やり取りをした後、この日初めて(改めて?)お会いしました。いろいろとお話をした後、2週間後に我が家を見学していただく約束をしました。
●9月3日 我が家を見学
  我が家を見ていただき、私の考えていること、無垢材の割れ、曲がり、自分で塗った漆喰のヒビなど、いろいろとお話をさせていただきました。
  まだまだ、くらし方の情報は不足しているのですが、具体的に絵を見ながら、ああだこうだ言い合わないと、逆に話が進まないと思い、まずは、部屋構成が解るだけのラフなスケッチを見ていただきました。
  (契約前に図面をお渡しすると、それを持って工務店に走り、そのまま建てる事が出来るので、はじめの一歩は慎重になり、あえてラフに描いています。)
スケッチを見ながら、「駐車場がこっちでも入る」、「和室は家具を置いて残りが6帖にならないか?」、「玄関に収納がどれくらいいるか?」「キッチンはオープン?クローズ?」など、みるみる暮し方が解ってきます。
●9月10日 第1回打ち合わせ 
  中庭に洗面・浴室が面し、駐車場が道路と直角案(A案)、中庭にリビングが面し、駐車場が道路と平行な案(B案)のスケッチを提示。
  また、いろいろとお話を聞きながら次の案を検討してゆきます。
  この日に契約を交わしたのですが、実際の作業にあわせる意味と、記念すべきオープンシステム第1作目なので、私の誕生日9月1日を契約日としました。
●9月24日 第2回打ち合わせ 
  情報や思いがいっぱいで、まとまりきれず、拡散しつつある段階です。(この日は8案(A〜H案)持っていきました)
  前回の打ち合わせ後、中庭の無い案の検討も要求されています。(このまま中庭案1本では進まないと思ってはいました。必ず条件を変えれば別の意味で良い案は出るものです。その良い案と良い案を比較して決める必要があります。たとえその結果、元の案に戻ることになっても、対抗案をまじめに検討しつぶしておかないと、あんな案もあったかもしれない、あっちのほうが良かったかもしれないと建てた家に心底納得できないと思います。)
  また、直前に、中庭を右左入れ替えた案をFAXしていただきました。四六時中考え続け、そろそろ凝り固まってきている脳味噌を刺激する良いネタをもらいました。中庭に台所が面し、和室のひとつを離す案を検討し始めました。これがなかんか良い案になり、相談の結果この案で検討を進めることにしました。
●10月9日 第3回打ち合わせ 
  中庭の位置を右に持ってきた案で、検討を進めています。
  立面、断面を説明するために、検討模型を作成しました。検討模型と解っているけれど、造り始めると真剣に造り始めました。
  ある案で決心して模型を造り始めたのですが、2間飛んだ梁の上に、本の荷重が重い書斎が乗ることや、中庭の窓と、壁の
関係が納得できないで、材料を切った所で、プランを再検討し、作り直してしまいました。少し、ショックです。
  いずれまた、展開図説明用に模型を作ることになると思います。
●10月22日 第4回打ち合わせ 
  おおむねプランが固まったので、次に、使用材料の相談をしました。見本や材料シートを見ながらあれこれお話をしました。
床、壁、天井等を決めてゆくのではなく、まだ、思いを話し合う段階で、ぼちぼちとイメージの共有化を進めています。話の中
で、滋賀県にあるアウトレット建材屋へ一度見に行き、どのようなものがあり、使えるのか、使えないのか確認することにし
ました。
●10月27・28日 OM講習会 
  当初、OMソーラーは予算が厳しいので採用しない条件でしたが、やはり設置したいということで、急遽、OM講習会を受け
に東京・目白「OMソーラー協会」(住宅の設計で有名な、故・吉村順三の事務所)へ行って来ました。OMを前提に建物の形を
考えていないので、シュミレーションの結果が良くありませんでした。屋根の勾配を変えたり、集熱ガラスの枚数を増やしたり、
書斎の上の小さな屋根も集熱に使ってみたり、いろいろなパターンを検討し、ようやく最終のプランを決心して、新幹線に飛び乗
りました。(ビールは忘れずに買いましたが。)
●11月3日 第5回打ち合わせ+「建材市場」視察 
  滋賀県にありますアウトレット建材屋「建材市場」を視察しました。内部建具、無垢の床材など、使えそうなものがあることが
解りました。
流し台も簡単なI型であれば、安く入ることも解りました。この情報を頭に入れて、設計を進めることにします。
 その後、OM講習会のシュミレーションの結果を説明し、明け方の温度が10度を切る日があることや、OMだけで暖房をま
かなえるわけではないが、リビング・寝室を重点的に暖めるよう噴出し口を計画することで、採用を決心しました。
 これで、材料のこと、OMを採用すること等、設計条件がほぼ固まったので、平面詳細図、矩計図、展開図の作成に入ります。
●11月23日 第6回打ち合わせ
  平面詳細図、矩計図、主な部屋の展開図を見ながら、全体の考え方を、説明させていただきました。OMを採用したことに
より、小屋裏に機械室が必要になり、屋根勾配が4寸になることや、書斎、納戸の上にロフトが出来ることを説明しました。
 展開図については、一般の方が平面図の展開方向記号を見ながら、図面を組み立ててゆくのは難しいので模型を作る約束
をしました。
●12月 3日 第7回打ち合わせ+製材所見学
  東吉野にあります「丸タ銘木」の製材所を見学しました。実際にここを採用するかは未定ですが、オープンシステムのご縁
で見学させていただきました。
 御希望の「サントリーオーク」「竹フローリング」「カリンフローリング」「十和田石」など、今までお話していたことを整理・確認す
るために、着色インテリア模型を作成しました。これで一気に展開図が組み立って、確認・検討が出来ます。
 猫の昼寝の場所は確保したのですが、トイレがまだ・・・・・・?
●12月11日 第8回打ち合わせ
  模型を見ていただいたことにより、細部の変更、調整をさせていただきました。また、構造計算に入る確認をさせていただきました。
●12月24日 第9回打ち合わせ
  構造計算の報告、それに伴う梁サイズの変更を報告・説明させていただきました。照明器具の雰囲気を確認しました。最終的には実際の空間を見ないと決まらないと思うのですが、基本的な考え方を共有したいと思っています。
  木製建具で安いものを見つけたので、説明して採用検討を行なうことにしました。
●1月8日 第10回打ち合わせ
  見積を開始することを説明・確認させていただきました。オープンネット(分離発注方式)第1作なので、慎重に図面などの用意を行なっています。
  前回の打ち合わせ後、先輩事務所を訪問し、実際の話、書類などを見て私なりのやり方を、おおむね決心がついてきました。あわせて、OMソーラー部分のみをお願いできる施工者探しや、友人の大工(私をオープンシステムに引き込んだ責任者)に相談したりと、あれこれと工事の体制を模索し始めています。
●2月4日 第11回打ち合わせ
  見積をとっているあいだは、図面や模型などの変化が無く、打ち合わせの期間が開いてしまいました。
  その間は、状況報告や、お互いに安い材料を探したり、メールでのやり取りを繰り返していたのですが、やはり会って話をする方が早いと考え、打合せを持ちました。私のほうからは、見積の状況報告を、Y様からは希望変更項目の相談がありました。前回打ち合わせ後に読まれた「人生の教科書[家づくり] 藤原 和博著」に、書かれていた内容で、共感できる部分の変更を相談しました。共感できること、納得できること、実際に施工できること(コストも含めて)を、工事までに変更することにしました。
  
●3月21日 吉野「阪口製材所」見学
  前の「H邸」の木材を出してくれた「阪口製材所」が、オープンシステムの業者に登録していることを知り、急遽、お客様と見学に行きました。
   阪口製材所ホームページ:http://www004.upp.so-net.ne.jp/sakaguchi-seiza/
●2月18日 第12回打ち合わせ
  多忙のため、ホームページの更新が出来ず、少し駆け足で進めさせていただきます。
  
●3月18日 第13回打ち合わせ
  見積調整、業者選定など、打合せを重ねました。おおむね決心をつけた段階です。
  
●3月15日 プレカット打ち合わせ(私+業者様)
  阪口製材所とパートナーを組んでいるプレカット屋さんと、どこまでプレカットできるか?どうすればプレカットの組み方になるか?いろいろと相談をしました。今まで見た中で非常に出来ることが多いプレカット屋です。(近いうちにプレカット工場見学に行きたいと思っています。)
  丸紅ランバー株式会社ホームページ:http://www17.ocn.ne.jp/~m-lumber/index.html
●4月7日 お引越し
  ついにスタートです。忙しい中、片付け+荷物の運搬、本当にお疲れ様でした。
●4月12・14日 解体現場 立会い
  解体の状況確認と、相談で現場に行きました。
 次のD邸で使えるような木材は無いかと見に来たのですが、柱、梁が裂かれるような状況にあり、再利用をあきらめました。
 (大壁に合板などを釘固定している建物は、このようになるそうです。)
 業者様と話をしたところによると、ほとんど焼却できるものは無く、非常に細かく分類してゴミ捨て場に受け取ってもらうような時代だそうです。分類が不十分だと受け取ってもらえないとのことです。今後、解体しやすい、分類しやすい建物を設計しておかないと、解体時に非常に高くつくことになると思いました。
●4月16日 第14回打ち合わせ
  主に今後の進め方について相談しました。
●4月21日 地盤調査 立会い
  スウェーデン式サウンディング試験を行ないました。
  その結果、支持地盤が3.5ほど下にあることが解り、地盤改良を行なう決心をしました。
  報告書にまとめる前の粗データーを24日(月)にもらい、見積を取りました。(4社)
●4月24日 地鎮祭・契約
  午前中に三輪大社にお参りして、午後に主な業者との契約を行い、3時頃から地鎮祭行いました。
  今までは工務店任せで、当日お客様で参加するだけでよかったのですが、分離発注の今回は、竹・テントの手配や砂の手配などいろいろと準備があり、目一杯な一日でした。協力してくださいました皆様に感謝です。そんなことで写真を撮る余裕がありませんでした。
●5月9.10日 地盤改良 立会い
  本当はゴールデンウィーク内で行ないたかったのですが、見積比較や、車の手配などで遅れてしまいました。盆、正月、GWは世間が動かないことを計算に入れた余裕のある予定を組む必要を痛感しました。解ってはいるのですが、分離発注1件目なので、胃が痛い思いです。(おそらく、今後竣工するまで胃は痛いのでしょう)
●5月12日〜 基礎工事
  基礎工事開始です。このあたりから家の姿が想像できるので非常に面白くなってきます。
 2〜3日に1回の割合で現場へ足を運んでいます。
5月15日
5月19日
5月20日
5月20日
5月22日・底板コンクリート打ち
5月24日・内側型枠立ち上げ
●5月29日 足場+土台敷き墨付け工事
  6月2日上棟へ向けてみんながんばっています。
  今週は天気が良さそうなので、気持ちが楽です。
●5月30日 土台敷き
  今回は、屋根面集熱暖房(OMOMソーラー)なので、基礎パッキンの代わりに気密性を守る「土間リスト」を、土台と基礎の間に挟みます。床下を空気が通って室内に入るので、薬を床下に散布できません。その代わり、土台を「青森ヒバ」+「木酢液」塗布で、防蟻+防腐に配慮しています。
●5月31日 材料到着
  明日から棟上げにかかり、6月2日上棟を予定しています。材料が製材所+プレカット工場+大工加工の、3ヶ所か集結して、明日の建て方を待っています。
●6月1日、2日 祝上棟
  天候に恵まれ、無事野地板まで張ることが出来ました。皆様、お疲れ様でした。そして、これからも事故の無いことを願っています。
いつもながら、模型と同じなのですが、感動することしきりです。
●6月3日 
  上棟の時はどたばたしていたので、翌日、改めて状況確認です。
プレカット・丸込み栓
(ちょっとおしゃれ?)
手加工・角込み栓
(小根ほぞ差し込栓)
●6月6日 
  屋根集熱暖房「そよ風」(OMソーラーのようなもの)の機械を確認
横引きダクト・取り入れ、排気の切り替え部分、
コントローラー(給湯みたい?)
●6月8日 
  屋根の防水シートが張り上がりました。なんとか梅雨入りに間に合いました。
   (OM用の高温でも性能が変わらない高級品です)
  屋根板金・設備関係の調整を行ないました。
●6月12日 
  屋根板金を施工する前に、屋根集熱暖房「そよ風」の横引きダクトをセットしました。
  アルミサッシを取り付ける木枠の取り付けも進んでいます。
●6月14日 
  板金屋根を葺くための準備。(通気胴縁、瓦棒芯木の据付。)屋根集熱暖房「そよ風」のセッティングなどを行なっています。
  アルミサッシ枠が現場の搬入になりました。
●6月19〜22日 
  サッシ枠+サッシ障子が付いたり、丸窓が開いたり、構造金物が付いたり、着々と現場は進んでいます。(他の現場との調整がつかない、屋根板金工事を除いて)塗装工事に関しては、大工やお客様そして私などが、タイミングよく塗っています。分離発注方式の場合、面積自体が少ないことに加えて、タイミングよく機動的に入らなければならない塗装は、専門業者に頼むのは難しいと思います。
●7月3日 
  ウールの断熱材が入ったり、外壁の焼杉を貼ったりしています。
●8月吉日 
  ようやく足場が取れました。待望の外観がお目見えです。われながらかっこいいと惚れ直しました。
  とは言いながら、現場へ行くといろいろと気になることがあり、業者の人と話しをしているうちに時間が無くなり、写真を撮る
 時間がありません。この写真は、大工の井上君が撮ってくれたものです。平均して、3日に1回程度の現場通いです。ガソリ
 ン代や、高速代を少なくするために、バイクを利用しているのですが、おかげさまで運動部をしていた高校以来の黒さです。
 ただし、シルエットはオッサンになっています。(15キロほどオッサンです)
●7月29日・9月7日 
  この建物は、「そよ風」という、屋根面集熱暖房を行っています。
  7月29日に、屋根集熱面の漏れを確認する煙試験を、9月7日に、吹き出し口の風量を計り、バランスを見る煙試験を行いました。
  (写真では煙が上手く見えないのが残念です。)
●9月7日 
  ようやくここまで来ました。見てやってください。見学を希望される方は、御連絡ください。
  吉野・阪口製材所の協力のおかげで、素晴らしい「木の家」になっています。
床:青森ヒバ
  ウイスキーオーク
壁:Jパネル
  珪藻土
天井:吉野杉小幅板

浴室:青森ヒバ
    十和田石

階段・書棚:
 モミ(一部、ミミ付)

カウンター:イチョウ
木材入手先: 吉野・阪口製材所
●9月14日 
  建具が入りました。その他、最後の追い込みをして、15日の引越しを迎えました。
  もともとお客様の建物なのですが、半年間ああだこうだと走り回っていると情が移り、少しさびしい思いがします。
  今まで現場に行けばいつでも入れたものが、明日からは鍵がかかっているなんて、不思議な気持ちです。
  こういうのを「手塩に掛けた娘を、嫁に出す」というのでしょうか?
← 右下に猫出入口があります。
●11月19日 
  その後、外構関係をぼちぼち進めています。
  中庭のデッキ、塀等を工事しました。塀に使っている桧は、丸太を製材した時に捨てられる皮に近い部分を
 阪口製材所からいただき、利用しています。大工さんが道路に仮置きし、節の調子をそろえた上で貼ってくれています。
 木材の持つ存在感が、非常に面白いと思います。山ですっくと立っていた姿を思い出させてくれます。
●平成20年8月17日 
 竣工してほぼ2年が経ち、駐車場のゲートを木製で造ることになりました。
 まだ、あおり止めが不完全ですが、一応、格子を取り付けるところまでこぎつけました。家というのは、竣工時に完成させなくても良いのだな!と感じています。住める状態にして、その後は住みながら生活に合わせていくいくのが大切なことで、なおかつ、楽しいことのように思っています。
●平成20年9月28日 
 駐車場ゲート・アオリ止め、鍵など、気になっている部分を工事するために行ってきました。
 駐車場回り以外の追加工事として、和室に設けた板の間(奥行き300、巾800程度)部分を、床の間的に使用するために、地板を付けることを行いました。途中にふくらみを持ったおもしろいサクラの板を、阪口製材所で入手してきました。落ち着いた感じが出るように、そのふくらみが部屋の隅に来るように、大工様に板取りをお願いしました。なかなか、良い出来だと思います。3月には雛人形を飾るそうです。こんな感じで、住まいがバージョンアップしていくのは素敵ですね!
●平成21年9月 
 久しぶりにお邪魔しました。ゲートの色も落ち着き、天気が良かったので、写真を撮ってきました。