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解説
(20年以上前のことなので細部がウソかも)

超ショートショート。
この作品は私「小野くん」が中学生時代に「欽ドン」に応募したものを多少アレンジしたものでございます。
「欽ドン」は「欽ドン」でも、当時まだテレビシリーズは始まっておらず、ここでの「欽ドン」とはラジオ版のことです。
「欽ドン」のラジオ版があったなんて知らない人が多いことでしょう。
それどころかテレビ版も知らないかも?

ラジオ版は「欽ちゃんのドンと行ってみよう!」で、テレビ版の「欽ちゃんのドンとやってみよう!」とは微妙に違ってます。
ラジオ版は集英社が提供で、テレビ版と同様に一般からの投稿葉書で構成されていました。
月〜金? の夜10時頃? 毎日10分程度? 放送していました(北海道で)
詳細は忘れましたが曜日毎にお題が変わり「ああ勘違い」「?歌え文句?」「?替え歌?」などあったはずです。
ラジオ版はすぐに終わってしまいましたがウケが良かったのかテレビ版に昇格したようです。
テレビ版でバカウケ、ちょびウケ? ややウケ? など流行語にまでなりましたが
ラジオ版でも同様のスタイルでジャンプ賞、ノンノ賞、プレイボーイ賞など
集英社の発行雑誌名を付けてランク付けしていました。
その日の一番ウケたものには「欽ドン賞」が与えられ、ジャンプ賞を取った中から一つだけ選ばれてました。
「欽ドン賞」は賞金5000円で、毎日こんなお金を払って放送局は大丈夫なのかと心配するほど
当時の5000円には価値がありました。

さて、この私の作品は見事ジャンプ賞を獲得し、あわよくば5000円!?と期待したのですが
5000円は他のネタに持っていかれました。
確かにそっちのネタの方が面白く、不平不満はありません。
当時の同級生達は「昨日はレベル高かった」「先週なら5000円取れたはずだ」などと慰めてくれましたが、
私にしてみれば読まれただけで大感激でそれ以上に望むことなどありませんでした。

5000円は惜しくも逃しましたが、後日「ジャンプ賞」の賞品が送られてきました。
その賞品は、革製の、ライトブルーの、安っぽい「定期入れ」で、
「欽ドン」を連想させるロゴも何も入っていない放送局の記念品みたいな物でした。
それでも学校でみんなに見せびらかした記憶があります。
(北海道の田舎だったので)ラジオとは言え全国放送で受賞した賞品なので何かオーラが出てるような気さえしました。
今はどこに行ったか不明ですが大事に取っておけばプレミア物だったかも?

ちなみに私「小野くん」はその後「欽ドン」のラジオ版でもう一回作品が読まれるとういう快挙を成し遂げました、
が、それはここへ紹介するのもはばかれるほどつまらない作品でした。
ラジオの欽ちゃんの声も寒々としていたのを覚えています。
当然何の賞ももらってません。
しかし若かりし頃の輝かしい思い出ではあります。

欽ちゃんの声で「欽ドン賞決定!」とか言った後「チン・ドン」とお囃子の音が入るのを
胸を高鳴らせて毎日聞いていたことを昨日の事のように思い出されます。
ひいき目(耳)ではなく、ラジオ版はテレビ版に比べてずっと崇高で格調高かったように思えます。


 

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