━━1998/ 6/27━━━☆━━━━━━━━━━━━━━━☆━━━━━━
                 たま
        バンコク発!<地球>乗り見聞録

━━━☆━━━━━━━━━━━━━━━━━[第二号]━━━━━━━


  ☆☆☆久慈ちゃんのバンコクで、たま乗り☆☆☆ ===================================================================
(2):Walk! Don't Run
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 歩く事が好きだ。
よほど体力的に弱ってでもいない限り ちょっとやそっとの遠歩きは苦にならない。
最近はあまりしなくなったが、
バンコクヘやって来たばかりの頃は、 何かといえばやたらめったらに歩き回っていた。

   この街で歩くのはかなり暑くてしんどいが、それ以上に面白い事が多い
(この殺人的猛暑もオイラの好奇心までを溶かす事はできないのさ!)。
 そういう訳で今回は、そんなオイラの街歩きにお付き合いして頂きたいと思う。

 バンコクには色々と面白い所があるが、 特に観光客のやって来ない様な下町がいい。
そこに住む人々の織り成す光景がまるで人情喜劇を見る様に面白い。

 雑貨屋の軒先に佇む老人、元気にハシャぎ回る子供達ヒマを持て余し、
昼間っから酒盛りしている男達、客待ちしているバイク・タクシーの兄ちゃんが、
どこへ行くのか、ちょいとイカしたギャル子ちゃんが 通り過ぎるのをデレレッと見送る・・・・・。

 この街へ来たばかりの頃、こういった人々を眺めながら
除々にその風景の中になじんで行く自分を感じるのが心地良かったし、
すっかりなじんでしまった今でもやはり面白い。

 さて、下町には必ずあるのが市場という所。
ここには早朝に来るのが最も活気があって面白い。
初めてタイの市場を見た時、この国の物成りの良さにひどく驚かされた。
 野菜、果物、魚貝類、精肉類、ありとあらゆる物が溢れんばかりに売られている。
こんなにも大量の食糧品が二日や三日で裁ききれるとは、到底思えない。
結局は腐らせて捨てられてしまう物も大部あるんじゃなかろうかと、
人事ながら心配になってしまう程だ。
そんな事を考えながら市場を隅々まで眺めて歩いて行く。

 ドリアンの山に気をとられ、 生きたカエルがびっしり詰まったタライにけっつまづく、
それを見ていた野菜売りの娘がくすくすと忍び笑い・・・。
今さっき獲れたばかりと思われるエビが 元気よくピンピン跳びはねているのを見ていると、
思わずそのまま取って醤油につけて食ってやりたくなる。
その横では恰幅のいいオバチャンが 赤貝の値をまけさせようと必死にねばっている。
売り手の方のオバチャンもなかなかガンコらしく、容易に値引きに応じない

(よく言われる事だが、
タイをはじめとする東南アジアの国々では往々にして女性のほうがたくましい。
こうして市場を眺めていても、やはり主役はこういうオバチャン達だ。
オヤジの方はといえばなんとなく頼りなげで、申し訳なさそうにしながら、
商品を袋に入れたり、オツリを渡したりしてオバチャンの商売を手伝っている)。

 向こうの方では大きな包丁を持った男が豚を解体している。
その傍らに無造作に置かれた臓物を見ていると、
その昔、豚の臓物を客席に投げ込むパフォーマンスを売りものにしていた
スターリンというパンク・バンドを思い出す。

いつも気になっている事だが、 こういう市場の肉屋のほとんどが冷蔵庫を備え付けていない。
氷で冷やしておくならともかく、 たいていの場合、生肉をそのままボンと置き並べている。
バンコクのこの暑さの中では、肉があっという間にイカれてしまうんじゃないか
と、肉屋の前を通るたびに気が気でない。

(それと、精肉関係の話をもう一つしたい。
 普通日本では、鶏の足を食べる事はない。
せいぜいスープのダシに使う程度であるが、ここタイでは唐揚げにしたり、
汁ソバの具にしたり、ヤムというサラダにしたりして大いに食べる。
たいていの日本人はこれを奇異に思うらしいが、
食ってみれば独特の歯ごたえがあって中々に美味いものだ。
タイにお越しの際は是非お試しあれ)

と、まあこんな具合にウロチョロしていれば一時間位は優に遊んでいられる。
物の本で、"その国の文化を知るには市場を歩くのが一番である"
ってな事を読んだが確かに言えてると思う。
今、バンコクには次々と大きなショッピング・センターやデパート等が オープンし、
こういった市場が姿を消していきつつあるが、
この人間臭い営みがいつまでも絶える事のない様 切に、心から祈らずにはいられない
(ま、そんなに深刻になる事もないか)。

 市場歩きを充分堪能した後は、屋台のコーヒー屋で一休みしながら
「さあて、お次はどこをウロついてやろうか」と、あれこれ思案を巡らす。
これがまた実に楽しい一時だ。 金は無いが、時間なら売る程有る。
のんびり散歩を続けよう。  (つづく)


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♪◎♪《スゥータット・久慈の実用的夕イ語講座》♪◎♪ PART2
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 サワッディー・クラップ!スゥー夕ッ卜・久慈です。
え〜っと・・・・、何でしたっけ? 私は一体何をしに出て来たんだったか・・・?
あ、そうでしたタイ語講座でしたね。
と、ワザとらしい前フリも終わった所で始めると致しましょう。

 さて、前回、 ステキなギャル子ちゃんとのコンタク卜にめでたく成功したあなたでしたが、
今回は更にその関係を深めるべく色々と卜ークを試みてみましょう。
 まずは、あたりさわりの無いような質問から始めるのが良いでしょう。

ヂャ・パイ・ナイ・クラップ(どこへ行くんですか?)

"パイ"は行く"ナイ"はどこへという意味で、
"ヂャ"というのは、未来について述べる時に語頭につけます。
英語の"Will"みたいな物でしょうか。
〔"クラップ"については前回説明した通りです。
以下、面倒なので省きますが、 タイ語初心者はなるべくこれを付けるようにしましょう
相手のこちらに対する心証も違ってきますし、 女性のハートをくすぐる事もできます。
"わぁ〜っこの人一生懸命タイ語話そうとしててカワイイッ!"てなもんです。
但し、年下の相手に対してあまりこの語を連発しても笑われてしまうので、
まあ、状況に応じて上手く使って下さい〕 

 もし、ここで彼女に

 ヂャ・パイ・トゥラ(用事に行く)

などと答えられてしまっては先に進めないので

プラーオ(何でもない), ドゥーン・レン(散歩)チュイチュイ(〜だけ)[別に、散歩してるだけよ]

と、答えてもらう事にします
〔しかし実際の所は、タイ人というのは無目的に散歩するという事を
普通しないのでこんな返事が返って来る事はほとんど有り得ませんが〕。

 あなたに興味を持った彼女は、おそらくこうたずねて来るでしょう。

クン(あなた)コン(人)ティーナイ(どこの) [あなた、どこの(国の)人なの?]

あなたは答えます。

コン(人)イープン(日本) [日本人です]

あなたが少し夕イ語が話せる事を知ると、 きっと彼女は次にこう聞いて来るはずです。

タマイ(何故)プードタイ(タイを話す=タイ語を話す)ダイ(できる) [どうしてタイ語が話せるの?]

〔本来ならば、タイ語を話すという語は"プード・パーサー・タイ" と言うべきですが、
実際の会話上では、 "パーサー"(〜語,言語)を省く事が多いようです〕

 では、答えてみましょう。
たとえ、もし、あなたがパッポンのゴーゴーバーのお姐ちゃんから タイ語を教わったのだとしても、
そんな事はおくびにも出してはいけません。
ここは無難に、

プロッ・ワー(Because)リアン(学ぶ)パーサー・タイ(タイ語) ユー(〜している)
[タイ語を勉強してるからね]

とでも答えておけば、彼女も納得して

  プード・ゲン・ナ[(タイ語が)上手ね]

と褒めてくれるでしょう。 これは、決してお世辞などではありません。
 タイ人は得てしてちょっとした事にも 感心して褒めてくれるという性癖があって、
この言葉にはそういった真実味があります。
さあいよいよ会話がノッて来ました。 と、いう所で今回はお開きという事に致します。

                  《ワンポイント・アドバイス》

今回出て来た単話の中に"プード"(話す,しゃべる)というのがありました。
タイ語では語尾に付いた子音をほとんど発音しない事が多く、
この"プード"の"ド"も聞こえるか聞こえないか位にかすかに発音します。
これからも、これに類する語がたくさん出て来ると思いますが、
(例えば私の名前"スゥー夕ット"の"ト"などもこの類いです)

 このコーナーでは原則として そういった子音も無視せずにカタカナ表記する事と致します。
 という訳で、またね〜っ!
                                (つづく)

       ※CAUTION!
タイ語は声調言語と呼ばれる言葉で、 発音の仕方によって意味が変わってゆきます。
本文の中でスゥータット先生も述べている通りこのコーナーでは便宜上、
タイ語を平坦なカタカナ表記にして発音については詳しく言及せず
(先生が面倒臭がりな為)進めていますが、 正しくタイ語を学びたいという方は、
キチンとしたテキストとカセットテープで勉強される事をお勧めします。
あまり、かの先生の言う事を真に受けると思わぬ恥をかく恐れもあります。
御注意召され。〈スゥータット・久慈被害者の会代表より〉

◆◇◆コバちゃんの世界で、たま乗り◆◇◆
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(2): 日本に着いた浦島太郎
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世界を長く回って旅が終りに近づき、日本が近づいてくると
なんとなしに日本のことに興味が湧いてくるものなんです。
そんなときには日本が、初めて訪れる"不可思議な異国"のように 見えてきて、
英国圏の人達が読む「JAPAN」なんていう 旅行ガイドブックまで買ってしまう...

というのも、日本に居たときは、
日本人という目を通して 外の世界を"外国"って見ていたし
"日本"ってものをあまりにも慣れちゃって、 あまり意識できなかったのですけど、
ところが今回は、いろいろな国々の視点を通して、
"日本"ってものを眺めてしまうわけなので、
見方にしても、質的にも、 まったく以前と異なった印象を持ってしまうわけなんです。

 例えば、中国留学で中国に一年以上居たりなんかすると、
日本に帰ってきたときに文字をことごとく、中国語読みにしてしまうわけです。

「東京海上保険」「紀伊国屋書店」「長期信託銀行」が、

「ドンジンハイシャンバオシェン」 「ジィーイーグオウーシューディエン」
「チャンチーシントウオインハン」

などと無意識に読んでしまって
「すみませーん、ジィーイーグオウーシューディエンはどこですか?」
なんて自然と人に道を尋ねてしまう。
人の名前なんか見ても、中国語読みしちゃって、
みんなに「ナンダナンダお前は何人ナンダと」 気味悪がられることになるわけです。

 同じように、日本に居たときには、何も意識しなかったことに対して、
今までとまったく違ったアプローチを取って しまっている自分に気づいてしまいます。

 例えば、タイに長くいると、人と目が会ったとき
挨拶がわりに自然と、"ほほ笑む"のが常なもので
日本に帰ってきても、なかなかその癖が抜けないもんです。
地下鉄なんか乗っていても、街角を歩いていても、人と目が会うたびに、
自然とほほ笑んでしまう自分に気づいちゃう。
女の子なんか、「この人ナンパ師?」なんて勘違いしちゃう。

 逆に、日本から海外に行ったときに、
日本の価値感を知らず知らずのうちに持ちこんでしまっていることもあります。
例えば、日本では、商売をする人は、
今だに、士農工商の身分制度のなごりで、 お客に対して常にへコヘコしていなくちゃいけない。
逆に言えば、お客がお店で、横柄な態度を取りがちになってしまう。

 今、ラオスにいるんですけど
日本人旅行者組と、Tシャツ屋さんが値段の交渉をしていました。

 日 「このTシャツいくら?」

  T 「5000キップです。」 ※参考3500キップ=1ドル

 日 「高い!高い!4000キップにしてちょうだい!」

 T 「できません。」

 日 「えー、でも、ほら、このマークだってあんまりきれいじゃないわよ。
   (ケチをつけてる)

   それに私たち学生でお金があんまりないの(情けを買おうとしている)
   だから、4500キップでどう?」

 T 「できません。5000キップです。」

 日本人が仲間どうしで、相談して、
   「高いよね。ぼられてる。ぼられてるよねー。」

 日 「じゃあ、いらないです。」

 彼らは、可愛いお姉ちゃんが、ほほ徴えんだのも目に入らないほど、
お店で騙されないように、安く買い物をするために、必死になっていましたが、
でも、どうみても、誰も彼らを騙そうとしている様子もありませんでした
しかし、500キップ(20円)ぐらいなら、別にねぎらなくても、
たとえ騙されても、まあいいんじゃないかなあ..と思うんだよね
お店のおばちゃんもいい人だったし..

 まあとにかく、「お客様なんだかんね、偉いんだかんね!」
というのは、 日本だけなんだよね
ラオスは素朴な人が多くて、お話ししたり、付き合うのが楽しいんだよね
ラオスの豆乳は甘いけど、おいしいのよね

ってことで、これから豆乳飲みに市場行ってきまあす  〈つづく〉

「スゥータット・久慈の実用的夕イ語ナンパ講座」って名前のほうが いいと思いません?
それでは、第三号の発刊予定は、7月20日です。 お楽しみに・・・