━━1998/11/11━━━☆━━━━━━━━━━━━━━━☆━━━━━━

                 たま

          バンコク発!<地球>乗り見聞録

━━━☆━━━━━━━━━━━━━━━━━[第四号]━━━━━━━

   

 

☆☆☆久慈ちゃんのバンコクで、たま乗り☆☆☆

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(4):《B列車で行こう!》 

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チェン・マイのバス・ターミナルへは午後2:30に着いた。

チェン・マイの鉄道駅はバス・ターミナルから遠く離れた所に在り、

ソンテオかサムローで行かなくてはならず、ちょいと不便だ。

メーサイでの件があるので、今度は慎重に人を選び、値段も確認してから

サムローに乗り込んだ。駅まで40バーツ。まあ、そんな所だろう。

 

駅に着き時刻表を見ると、午後3:30発のバンコク行きの急行があった。

二等の普通座席車、ピッサヌロークまで240バーツ。

待つ程も無く発車時間が来たので列車に乗り込み指定された自分の席を捜した。

まったく、今回の旅は席運が悪いと言うか・・・・またしても通路側の席だ。

外の景色は見えないでもないが、これではあの北部独特の爽やかな風を頬に

受けながらの列車の旅を楽しむ事が出来ない(わがままな奴なんだ、オイラって)

しかし、幸いチェン・マイ駅から乗り込んだ乗客は僅かで、オイラの隣はまだ空席

だったので、そこに陣取る事にした。うまくすればこのままスッとぼけてこの席を

キープできるかもしれない。

3:35列車がゆっくりと動き出した。ピッサヌロークまでの所要、約7時間。

のんびりとした鉄路の旅の始まりだ。…………B列車で行こう。

 

ハラがへった。そういゃあ、まだメシを食ってなかったっけ。ちょうどよく弁当売り

がやって来たので、早速一つ買って掻き込んだ。この弁当、もし何処かよそで食ったら

まったくお粗末で食えた代物じゃないのだが、列車に乗るとなぜか、異常にこいつが

食いたくなる。(ちなみに、値段の方も35バーツと、ちと高い)

満腹になったら急に睡魔が襲って来た。いま列車は、タイ国鉄駅の中で最も標高が

高い所に有るというクンターンの駅に向かって山の斜面を上っている所だ。

ひんやりとした、気持ちのいい風がますます眠気を誘う…………………………………

 

ポン と肩を叩かれて目が覚めたのはランパーンの駅だった。なんでぇ、気持ちよく寝てる

所を邪魔しやぁがる、と思いつつ車内を見まわすと、たくさんの人々が乗り込んで来ていた。

オイラの眠りを破ったのは、40歳位のオバチャンだった。困ったような顔で

「あのう、そこは私の席なんですけど……」。

ありゃあ、バレたぁ〜?こりゃ済まんこってしたね。
タイ人はいい加減かと思えば、こういうとこ妙にうるさいんだな。

仕方なくオバチャンに席を返上して自分の席に戻った。
また眠りに入ろうかと思ったが、
もうすっかり目が覚めちまったので、通路側から流れる景色を眺めていた。

どこの駅だったか、更に多数の乗客が乗って来て車内は満席になった。オイラはそろそろ

通路側から遠い車窓を眺めている事に耐えられなくなり、席を立って乗降口の方へ移動した。

デッキにぶっつわって外を眺めるとしよう。ここなら外の景色をいやという程堪能できるし、

スリルもあって面白い。少々座り心地は良くないにしても。

間近に迫る山肌や、遠くまで広がる田畑の中の水牛を眺めつつ、オイラはいい気分になって

思い付く限りのロックやブルースの歌を唄っていた。けっこう大声で唄っても列車が驀進する

轟音に掻き消されて自分の声が良く聞こえないから、ものすごく上手く唄っているような錯覚に陥る。ますますいい気分だ。

デーンチャイを過ぎ、辺りに山々が少なくなってきた頃、日がとっぷりと暮れた。オイラは

あいかわらずノー天気に唄い続けている。ふと、背後に人の気配を感じて振り向くと、車掌が

二人、オイラを不思議そうな顔で見下ろしていた。

「何してんだい?乗車券は?」年配の方の車だん吉みたいな車掌が言った。どうやら無賃で乗り込んで来た太い奴と思われているらしい。

「有りますよ、ちゃんとここに」乗車券を示した。

すると二人はますます怪訝そうに顔を見合わせた。

「なんでこんな所に座ってるんだい?席が無いのか?」今度は、若い方の車掌が口を開いた。

二等車の切符を買っていながら変な奴だ、と思ってんだろう。

「いや、ここの方が気持ちがいいもんで」と答えると、二人はようやく納得したように微笑み、

「そうかい、ま、落ちないように気を付けなさいよ」と言って去って行った。これが日本の

列車だったら「危ないからキチンと席に座ってください!何て野郎だ!」等とムキになって

言われるに違いないが、さすがにタイの国鉄は大らかなモンだ、そんなケチな事は決して

言わない。(オイラはタイの公務員の中では国鉄職員が一番好きだ)

そろそろケツが痛くなってきた頃、列車はピッサヌロークの駅に到着した。時刻は

午後11:30過ぎ。この街はバンコクとチェン・マイのちょうど中間あたりに位置する街だ。
いつも通過する度に降りてみたいなとは思っていたのだが、なかなかその機会が無かった。

わりと大きな街だ。

駅前で自転車力車に声を掛けると、何と10バーツで近くの安宿まで案内してくれた。

いんやぁ〜 いい街じゃありませんか。
今日はさすがに長旅で疲れたので、軽く何か食ってオネンネする事にして。
明日この街を思う存分歩き倒してやろう。

 

       <つづく・・・>

 

 

◆◇◆コバちゃんの世界で、たま乗り◆◇◆

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(4): 快適マックHOTELの薦め

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マクドナルドでの朝食

 

外の人々は厚いジャケットを着こみ、雨の中をそそくさと急ぎ足で通り過ぎてゆく

そんな光景を他人事のように、曇りガラスの窓から眺めている。

まだ9月の始めだというのに、

ここドイツは冷たい雨が降り続き、真冬のように寒い。

 

硬めのパンにトマトとハムが狭まれた欧州の典型的サンドウィッチとコーヒー

のモーニングセットMcBaguetteがすこしだけ体を暖めてくれる。

 しかし、紙でできたコップのコーヒーに量産型のべルトコンべアー的食品は、

確かに味気がない。

まるで自分が飼育小屋で飼われているブロイラーのような気がしてくる。

これでは、ペットフードとたいして変わりはないとまで思ってしまう。

 世界中の多くのマクドナルドにいったことがあるけれど、どこの国も、

店の装飾や雰囲気、ハンバーガーの大きさ、味までもほとんど変わらないのは不思議なものだ。

 少々珍しいのが、インドのマクドナルドにある「マハラジャバーガー」

ベジタリアンの多いインドでは、ハンバーガーなどの肉料理を敬遠する人が多い

そのため、店内のメニュ一にはベジタリアン用とNonベジタリアン用の

二つのメニューが載せられている。

 ベジタリアンメニュー、東の横綱に「マハラジャバーガー」が据えられ、

ベジタブルナゲット、フライドポテトなどと続き、

Nonベジタリアン側、西の横綱には「ビッグマック」、マックナゲット、

照り焼きバーガー...。といった具合である。

 「マハラジャバーガー」の味のほうは?というと、

ビッグマックに対抗するために、スパイシーカレー風味のコロッケバーガーを強引に

ええい二段重ねにしちまえいっ!といった感じで、

少々無理のある作りだが、モソモソ感を除けば、まあまあいける味である。

 

 尚、隣にあるインド人経営のファーストフード店では、これに対抗して、

「スーパーマハラジャバーガー」なるものを販売しているのもインドらしくて

笑える。(但し、味のほうはスーパーと言えるほどうまいわけではない)

 

しかし、World Wideな西の横綱「ビッグマック」にしても、

インドで、ビーフ100%ではまずいんだろうなあと思う。

牛を大切にするヒンドゥー教徒が怒りそうである。

ポーク100%でもイスラム教徒が許さないかもしれない。

いったい何の肉を使っているのでしょうか?

今度デリーに行く機会のある人は、是非ご一報ください。

 

 

「このまえ、マクドナルドの壁にたくさん落書きしてやったのさ、ざまあみろだ。」

 

二年前、僕は東ヨーロッパのハンガリーを旅していた。

そのときSZEGEDという地方都市で知り合った

大学生のGabor(22)が吐き捨てるように僕に言った言葉。

 

 ちょうどそのころソ連の崩壊と共に

東ヨーロッパ諸国にも民主化の波が押し寄せていた。

それは主に、

自国通貨の下落、物価の高騰、失業率の増加、社会不安として僕の目には写った。

ショーウィンドウに飾られてあるけれど、手には届かない西側の高価な商品たち。

働いて得た安い給料も、物価の上昇と共に価値はすぐ、すり減ってゆく。

ハンガリーではそれまで、

地元の人たちで賑わっていた国営の安食堂がどんどん姿を消し、

その跡地にマクドナルドが続々と進出していた。

 

「前は、安くていろんなものが食べれたんだ。それにくらベたら、

マクドナルドは高いし、味は人工的だよ。ここはアメリカじゃないんだ。

以前の国営食堂のほうがずっとうまくかったし、賑やかだった。」

彼は、急激な社会の変化に戸惑っている象徴的な一人だった。

 

良くいえば民主化、

悪くいえば世界画一化の象徴として、マクドナルドは東欧にあった。

 

 

 東南アジアを周るバックパッカーにとって、

物価の壁が高くそびえる国というのが、シンガポールだ。

 

以前、シンガポールの中心ストリート・Orchid Road・

で宿を探したことがあるが、

よいホテルでは、シンガポール$200、安くてもシンガポール$100前後と

とても泊まる気になれなかった。いや、高くて泊まれない!

ゲイランRoad(ゲイは芸者のゲイ、ランはおいらんのランと覚えよう)

などの郊外にでも移れば安宿が見つかるのだろうが、

夜も遅く、疲れている僕にそんな元気はなかった。

 

 そんなとき役に立った、超格安のお薦めホテルを皆さんにご紹介しましょう。

その名も「マクドナルドホテル」

Orchid Road周辺にはたくさんの公園や芝生の広場があり

マクドナルドの付近も例外ではない。

 

 「マクドナルドホテル」のチェックインはハンバーガーの注文で初まる。

夕方から深夜の12時まで、マクドナルドホテルのロビー(つまりマック店内)

でハンバーガーでもツマミながら本でも読んで、時間を潰す。

閉店までにトイレで洗顔や歯磨きの用事を済ませておき、

その後、マクドナルド横の芝生べッドで早朝まで眠る。

芝生べッドはちょっと...という方にはオプションで

木のベッドや石のベッド(つまりべンチのことっス!)も用意されている。

朝は早起きして、

朝7時にチェックアウトを兼ねて、店内でモーニングセットを注文。

お腹をいっぱいにしたあと、

洗顔や歯磨きをしてスッキリしたら、さあて新たなる旅路へと出発!というわけだ。

 

シンガポールの法律に詳しくないので定かではないが、

もし野宿の罪で警察に捕まり、むち打ちの刑になったとしても責任にもてませんので

ご勘弁のほどを...

                               〈つづく〉