△━1999/4/1━━━☆━━━━━━━━━━━━━━━☆━━━━━━━━━

★☆             たま

◇◆◇     バンコク発!<地球>乗り見聞録

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□■□■□━━━━━━━━http://www.hi-ho.ne.jp/qwerty/[第八号]━━

                       (月一回発行)

 

 

  ホームページに「ふららっとグアテマラ」載りました

  お暇な方はご覧下されまし...

 

◇◆ 久慈ちゃんのバンコクで、たま乗り 

 ◇                            

‖(8):Midnight Rambler      

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暑くなって来た・・・、                 

                        

 昨年の10月頃からあちこちで開かれていたビア・ガーデンも

夏の到来を前に、次々と営業を終了し始めている。

(タイのビア・ガーデンは、

比較的涼しい時期である10月から2月位までをシーズンとしている)

学生達は夏休みに入り、

ソンクラーン(タイ正月)とドリアンの季節も、もうすぐそこだ。

それで、オイラはと言うと、相変わらずダラダラと毎日を過ごしている。

 

 現在、時刻は0:30 ハラがへった。

それにものすごく退屈なので、

何か食いに行きがてら深夜の散歩としゃれこむとしよう。

 

 

 通い慣れた路地をテクテク歩いて市場へと向う。

この辺りに暮らし始めてもう一年以上は経つが、

その間にもずい分と様子が変ってきた。

馴染みだったメシ屋や屋台が幾つか姿を消し、新しいメシ屋が幾つか姿を現わした。

 

 そして、これはこの辺りに限った話ではないのだが、近頃、

水槽に小さなエビを沢山泳がせて売っている店をよく見かけるようになった。

 

それは何もぺットとして売っている訳ではなく、

ヤム・クン・テンの店である。

ヤム・クン・テンとは早い話がエビの躍り食いの事で、

エビを生きたまま辛い和え物にしてしまうという、大変残酷に美味い料理だ。

 

オイラは前々からこいつを一度食べてみたいと思って探していた。

以前は売っている所がなかなか見つからなくて

長らくその機会に恵まれなかったのだが、

今ではちょっとした人の集まる所に行けば簡単に見つかるようになった

(なんでそんな急にあちこちで見かけるようになったのか理由は解らない)。

うれしい事だけどあんまり食いすぎるとハラには良くなさそうだから今日はパス。

 

 路地を抜けて 大通りに出る。

この通り沿いもここ数ヶ月で新しい店が大分増えた。

以前は怪しげだったバーが、

今ではオープン・スペースで見通しのいい飲み屋になっている。

その他にビデオ屋、薬局などがオープンして、ますます通りが賑やかになった。

まるで、現在タイを覆っている経済不況もこの辺りには関係ないかのようだ。

 

 そしてセブン・イレブンである。

こいつの増殖はますます盛んで、全く目を見はらされる。

あまりに密集しすぎているため、

イレブン同士でお客の取りっこになっちゃって今問題になっているらしい

(極端な例では、道を挟んで向い合っていたり、

もっとひどいと二軒並んでいる所もある)。

この界隈もこれで四軒のイレブンが凌ぎを削る激戦区になった。

まぁ、こっちとしちゃあ便利でいいけど。

 

 さっきから何人ものヨーヨーで遊んでいる子供や若者とすれ違っている。

一体いつ頃からなんだろう?

今、バンコクではヨーヨーがちょっとしたブームになってるらしい。

そう言やぁオイラが小学生の時に日本でも流行ったっけ。

ぶきっちょなオイラは、友達のように上手くできなくて悔しい思いをしたモンだ。

 

(これを書いた直後、オイラはモーリシャスという小さな島国へ行った。

そこの空港の待合所でもヨーヨーで遊ぶ子供を数人見かけたから、

これは世界的なブームなのかも知れないと思う)

 

 今日の晩メシは馴染みのぶっかけメシ屋で食う事にした。

ここはマレー系のオヤジが経営していて、

ゲーン・マサマン(チキン・カレー,ムスリム料理)が素敵に美味い。

今日もそれにした。

 

 通りを行く、仕事帰りのオミズ系姐ちゃん達を

ボンヤリと眺めながら遅い晩メシを食った。

この近くには、金持ち相手の高級クラブやソープ・ランドが密集していて、

彼女達はそれらの店から、仕事を終えた後、市場にメシを食いにやって来る。

ちょいと派手目のお姐ちゃん達が大勢、

沿道をそぞろ歩いて行く様は中々好い眺めである。

 

 メシを食い終え、オヤジと二言、三言話し、金を払って店を出た。

と、そこで誰かに声をかけられた。

 

一年程前に、さる飲み屋で知り合った娘だった。

その頃の彼女は、何だかアカ抜けないほんの小娘だったのだが、

今じゃすっかり女っぽくなっていて、始めは誰だか分らなかった。

う〜む、ほんの一年でこんなにも変るとは、女はコワイ。

二、三分立ち話をしたが、

オイラは何だか妙にテレ臭くてロクに言葉が出てこなかった。

 

そのうちに彼女はバイバイと手を振って人込みの中へ消えて行ってしまった。

オイラは狐につままれた様な心地でボーッとその後姿を見送った

        (しまった!電話番号きいときゃ良かったぜ・・・)。

 

 この街へやって来てもうじき三年になる。その間、街も人の姿も変っていった。

そして、これからも変って行くに違いない。

 

〈いつまでたっても変らねぇのはおめえだけだ!〉

 

うるせえな、誰だ。余計なお世話だよ・・・。

                      <つづく>

 

 

  =☆=タイ人10人に聞きました!クイズの結果発表=☆=

 

お題目:あなたが知っている日本語を教えてください

 

《編集部予想オッズ》     A あゆぃのもと(味の素)  5.3倍

               B さよなら         2.4倍

               C 狭くて          12倍

               D トヨタ            8倍

               E 聞く!あのね        26倍

               F その他          1.28倍

 

でしたが、結果はズバリ!

 

     ☆★☆第一位☆★☆ 四票  狭くて

       ☆第二位☆   二票  ありがと

 

       各一票 ◎聞く!あのね

           ◎バンザイ

           ◎さよなら

           ◎あゆぃのもと(味の素)

 

====◆=◇=久慈先生の講評=◇=◆====

 

 街で出会ったタイ人の中から、

 なるべく日本人との関わりが無さそうな人を選んでアンケートしてみました。

 

  一番多かったのが“セマクテ”。

 

 この言葉、一体どこからどう広まったのか、

 又どういう意味に理解されているのか解りませんが、

 かなり以前から日本人へのご挨拶として定着しています。

 “ありがとう”とか“さよなら”といった

 ごく普通のあいさつ言葉が少なかったのは意外でした。

 

 “セマクテ”といい“キク、アノネ”といい

 日本人には何だかよくワケのわからない言葉が、

 彼等ふつうのタイ人達にとっての日本語であるようです。

 

 “腹きり”とか“神風”とかよりは可愛くていいよね。(^。^)コバ

 

 

◆◇ コバちゃんの世界で、たま乗り 

 ◆                            

‖(8)くつろぎと驚嘆と呆然      

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 車窓から外を眺めると、                

 オルガン弾きのジプシー親子がトローリーバスに入って来るのが見えた。

 

 しばらくすると彼らのオルガンの音色がバスの中に響き渡り

 混み入った空間の中にも、くつろぎの雰囲気が流れ始めていた。

 

 気分の良かった僕は、車内を回り始めたオルガン弾きの少女に

 いくばくかの小銭を渡そうと鞄のポケットに手を入れたのだが...

 

   ない!?アレッ?

 

 もう一度手でまさぐってみる。

 

   ない!財布がない!どこにもない。

 

//////////////////////////////

 

  アテネに着いたのは、まだ日の明けていない午前5時だった。

 早朝のエキスプレスバスに乗り込み

 ホテルの密集するシンタグマ広場に向かう。

 

 三年前と街なみや雰囲気はほとんど変わっていなかった。

 

 シャープに差し込む日射しと乾燥した空気。

 通勤に向かう車にパンとコーヒーを売る歩くおやじさん。

 のんきに歩き回る大きな野良犬たち。

 白い建物のすき間や

 ホテルのべランダから見える

 悠然とそびえ立つアクロポリス神殿。

 

 アテネの街は、ヨーロッパの仮面を被ってはいるものの

 仮面を外せば

 そこにいろいろな地域の様相を見ることができる。

 

  地中海地方一帯に見られるオリーブの実や油

  バルカン半島に広がる、イコンに代表されるギリシア正教ビザンチン文化

  ケバブ料理に代表されるオスマントルコ文化の影響

 

 アテネは、地理的に見ても

 中東、アジア、東ヨーロッパ、西ヨーロッパの接点と言えなくもない。

 

 そんなアテネの街をゆっくりと散策したことがなかったことに気づいた私は

 トローリーバスに乗り込んでみることにしたわけだが

 そこで出逢った出来事が、突然の財布の紛失だったというわけ。。。

 

///////////////////////////////

 

 一旦バスから下りて、入念にバックの中を調べてみる。

 が、やはりないものはない。

 

 記憶をたどってみると、上車するときまで財布を持っていたのは間違いない。

 すると、スリに遭った以外に考えられない。

 確かにバスの中は、かなり混んでいて、立っているのがやっとだった。

 

 財布の中に入っていたのは、60USドル、

 15000ドラクマ(50USドル相当)クレジットカードなどなど

 

  仕方がない...

  悔やんでも出てこないものは諦めるしかない。

 

 と思いつつも、衝動的にバスに乗り込んでみる。

  「バス停に忘れてきたのかもしれない...

         一旦いま来た道を引き返してみよう。」

 

 バスに乗り込むと

 車内では、検査官のおばさんが乗客の切符を点検しているところだった。

 

  しまった!

 急いでいて切符を買うのを忘れていた。

 

 ギリシャの乗車券はバスの中では売っていない。

 それはバス停付近のキオスクのような小さな雑貨屋さんで

 事前に買っておく必要がある。

 

 検査官は僕のところまで来ると、切符を見せるように言った。

 僕は肩をすくめて「ない」と一言だけ言った。

 

 彼女は、僕のパスポートを取り出させ、点検したあと

  「切符のない人には4300ドラクマ払ってもらいますからね。

       とりあえずバスターミナルオフィスに来てもらいます。」

 とキッパリと言った。 「言い訳など聞かないゾ!」という強い調子だ。

 

 切符を買わなかった僕が全面的に悪いのだが、

 ここは、おばさんに同情を買ってもらう他に手だてはない。

 

  「それどころじゅないんだ。

   払おうにも財布がない。

   盗まれたんだよ、さっき乗っていたバスの中で

   すぐ戻って行って調べなきゃいけない。

   乗車賃払うって問題より、もっと大きな問題が発生しちまったんだよ!」

 

 やけっぱちの捲し立てである。

 

 英語がうまくできないこのおばさんにも

 僕に何か緊急事態が発生したことを察知してくれたらしく

  「わかった。わかったよ。

   今回は、もういいから次からは必ずキっプ買うんだよ。いいかい!」

 

 と、諦めて次のバスを探しに車外へ出ていった。

 

  ありがとうおばさん。感謝!感謝!

 もう少しで、泣きっ面に蜂というところだった。

 

 と下りたはいいが、財布を探す手だてを考える気力もなく

 とりあえずべンチにべタリと座り込み、

 流れゆく車や人の波を眺めておくことにした。

 

  ヤレヤレ、旅の始めからハプニング続きである。

  これからどうなることやら...

                               〈つづく〉

 

 

それでは、第九号の発刊予定は、5月1日です。

お楽しみに・・・

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