星誕祭




シナリオ概要
PC達がエルジェネシスを求めて旅する最中で立ち寄った、星王
国「エルレーン」祭りの準備でにぎわうその街に、呪いは突然降
りかかった。その呪いは街に滞在していたPC達にも降りかかる
ことになる。
王族、住人、そしてPC達。呪いが達成されるまでの時間は残り
少ない。果たしてPC達にその呪いを解くことはできるのだろう
か・・・


舞台 星王国(せいおうこく)「エルレーン」 時代 エルレーン歴820年(ルインファーナ歴1799年)秋頃 主要NPC 能力無し エルレーン王 星王国「エルレーン」第27代国王 サラ姫    エルレーン王国第一王女、第28代王位継承候補 能力有り 邪神「オルフェウス」 詳細は本文中の邪神辞典の項目参照 【運動力】6 【体 力】4 【感知力】4 【知 力】10【魔 力】12【精神力】9  HP:180 MP:200 AP:20  攻撃力:17 装甲値:20 防御力:20 竪琴   最大判定値:10(難易度:4)(白兵戦闘扱) 呪い   最大判定値:12(難易度:5) 閃撃裂弾 最大判定値:18(難易度:5、消費MP:15) 回避   最大判定値: 7(難易度:4) 防御   最大判定値: 4(難易度:5) ダイスを振って1〜3が呪い、4,5がサイズ、6がバルハザース 呪いにかけられたものは精神力(難易度:6)でチェック。オル フェウスの成功数を下回った場合、次ラウンドから半透明化する。 半透明化したキャラクターが通常攻撃によって「オルフェウス」 にダメージを与えることはない。 シナリオ本編 ・導入の一例(読むだけで可) 星王国「エルレーン」は首都「フィラーハ」とその周り50km 程度の小さな国家で、星が綺麗であるということで全世界的に有 名な所である。君たちはエルジェネシスを求めて旅する最中で、 「エルレーン」の首都「フィラーハ」へと差し掛かった。 秋の短い日は地平線の下へ姿を隠し、その変わりに限りなく新月 に近くなったか細い月が輝いていた。 ・フィラーハ市街 イベント前 街中は夜だというのに活気にあふれている。 翌日の夜には「星誕祭」という年に一度の祭りが催される。 「星誕祭」では、エルジェネシスの写本の一節が毎年読み上げら れる。 データ:「星誕祭」 星王国「エルレーン」では年に一度、流星群の大出現を見ること ができる。その大出現は「十五夜」の次の新月の晩なので、その 日にちはあらかじめ計算することができる。 そして、星王国「エルレーン」はその流星の大出現を星の誕生と 見なして祭典が催される。この祭典はルインファーナ内でもかな り有名なものである。 その要因として、エルジェネシスの写本の一節(実際にはそれに 手を加えた独自の詩)が毎年読み上げられるというのがあるのは 事実である。 必須イベント(邪神の呪い) その夜(就寝中)にPC全員に精神力(難易度6)でチェックさ せる。 翌朝、成功数が一番少なかったPC(同数のものが二人以上いる 場合はその全て)の体は半透明化している。 イベント後 街の住人の体は、判定に失敗したPCと同様に半透明である。 街中に「身体が変化していないものは王城まで来るように」とい う触れが出ている。 ・エルレーン王城 城の中の人間も全て半透明化している。 半透明化している者は追い返される。 半透明化していない者は謁見の間へ通され、王の話を聞くことに なる。 必須イベント(王の言葉) ・今、王族を含めた街中の人々の体に起きている不可解な現象は  邪神の呪いである。 ・邪神の名前はオルフェウスと言い、いわばエルレーン王家の仇  敵とも言うべき存在であり、その時の王が復活する度に封印し  直していた(倒していた)。 ・オルフェウスの呪いにかかった者は体が徐々に半透明化し、一  番最初の新月の晩にこの世から消え去ってしまう。 ・「星誕祭」が行われる今晩がちょうど新月。 ・娘のサラは王族の中で唯一呪いにかからなかったが、オルフェ  ウスを封印すべくオル フェウスの封印されていた神殿跡へと  向かってしまった。 ・サラを連れ戻し、そしてオルフェウスを封印して欲しい。 ・オルフェウスが封印されているのは「フィラーハ」から1時間  くらい歩いたところにある森の中の神殿跡。 ・日没は7時30分。 ・オルフェウスに関しての詳しいことは書庫に資料があるかもし  れない。 謁見を終えるのが10時30分。ここから時間経過開始。 ・書庫(謁見の間から移動した30分後) 到達時刻11:00 書庫は見張りとして兵士はついているが、管理する司書がいない ため中は迷宮に近い状態と化している。 書庫によらずに森に直行することも可能である。 イベント(本の探索、解読) 知力チェック(難易度4、成功数1〜3以上)に成功すれば「オ ルフェウス」と書かれている本を1〜3冊発見できる。 発見できなかった場合や文献が不満な場合でもう一度探す場合は 全ての文献が発見できる。この場合、30分が経過する。 発見できる本は次の通り。 成功度1:「オルフェウスの竪琴」 成功度2:「オルフェウスの竪琴」「王家とオルフェウス」 成功度3:「オルフェウスの竪琴」「王家とオルフェウス」      「邪神辞典 著オルフェウス・ラヴクラフト」 一人が1冊解読するのには30分を要し、解読に参加できるのは知 力が4以上のPCに限られる。ただし、知力4以上のキャラがい なくても全員で1冊の本を解読することはできる。 基本的には解読した本全ての情報を与えて構わないが、知力チェ ック(難易度任意)を行わせ、成功数によって部分的に情報を渡 すという手段もある(時間は考慮しない)。 データ:本の内容 「オルフェウスの竪琴」 ニンフであるエウリディケと結婚した詩人オルフェウスはふとし た事故により妻を亡くしてしまう。悲しく思ったオルフェウスは 冥府へとおり、妻を生き返らせてくれと嘆願する。オルフェウス の竪琴の音に心を動かされた冥府の王クラーヴは「地上に戻るま での間、後を振り向かなければ」という条件付きで約束してくれ たのだが、オルフェウスが後ろを振り返ってしまったため、妻は 蘇らなかった。オルフェウスは失意のうちに地上に帰る。その失 意の中、他の女達の求婚を断りつづけたため、女達に殺され、竪 琴と共に川へと流された。 それを見た星の王シルヴァリオは、オルフェウスを哀れに思い、 星座にしてやった。 「王家とオルフェウス」 オルフェウスは第4代国王「ノア・エルレーン」の時代(エルレ ーン歴 93〜106年)にこの王国へと降り立った。国王ノアと幾人 かの騎士の力によりオルフェウスは封印されたが、その戦いによ る傷のため、翌年にノアは没する。 以後、百年に一度程度の周期で復活を繰り返しては時の国王によ って封印されている。 最後に現れたのはエルレーン歴729年(第25代国王の時代) である。 「邪神大辞典」 著者について 邪神研究の第一人者。自らのその知識を生かし、ラヴクラフト神 話という独自の物語を綴っていたが、その最中に発狂し653年 に死亡した。 邪神オルフェウス 竪琴を持つ若い男の姿をした邪神。その姿から「オルフェウス」 のながついたものと思われる。オルフェウスの呪いにかけられた 者の姿は透明化し、次の新月の晩にはその存在は完全に消え失せ る。 呪いをかけるためにオルフェウスは五芒星の魔法陣の中に入る必 要がある。 また、五芒星の中に彼以外が入っている場合もある。精神力の弱 い者が中に入った場合はオルフェウスの力に支配され、言葉と自 由を奪われる。 魔法陣の力に支配されないためには、体を刻んで五芒星の刻印 (すなわち、オルフェウスの支配下にあるという証)をいれる必 要がある。無論、魔法陣も魔法であるから解呪することはできる が、かなり強大な魔法であることはたしかである。 また、彼の呪いにかかっている者は彼に直接的な打撃を与えるこ とはできない。 イベント(迷子) 書庫を出る際に知力チェック(難易度5、成功数2以上)失敗し たPCが一人でもいた場合、書庫内で迷ってしまい出るのに 1時 間を要する。 ・森(王城、もしくは書庫を出てから1時間後) 到達予想時刻11:30〜3:00 森の中は邪悪な気配で包まれている。 必須イベント(迷いの森) 感知力チェック(難易度6、成功数2以上)に成功すれば、30分 で遺跡を発見できる。 失敗した場合、森の中で彷徨って2時間が経過する。2回迷った 時点(4時間経過した時点)で遺跡は発見したものとする。 選択イベント(レッサーデーモン) 遺跡を彷徨っている最中でPC数グループのレッサーデーモンと 遭遇。 データは「創世記エルジェネシス」ワールドブック40ページを参 照のこと。全ての判定は難易度5で行うものとする(回避は行わ ない) この戦闘による時間の経過は考慮しない。 ・神殿跡(森での結果による) 到達予想時刻12:00〜7:00 神殿は今にも崩れそうである。 6:00過ぎに到達した場合、辺りはだいぶ薄暗くなっている。 必須イベント(囚われの王女) 神殿を入るとすぐ大聖堂になっており、その中心で一人の少女が 十字架にかけられている。見た瞬間に少女はサラと分かり、彼女 は「はっきりとした言葉で」PC達に助けを求めてくる(もちろ ん、衰弱はしている)。 彼女の足下には五芒星の魔法陣が描かれいる(大きさは半径1. 5mくらい)。 PC達の反応による展開例(A,B,Cの3通り) A 何も考えずに近づき、助けようとした場合は魔法陣に足を踏み入 れた時点でまばゆい光を放つ。足を踏み入れたPCは精神力チェ ック(難易度6、成功数2以上)を行う。チェックに失敗した場 合は体が半透明化する。 また、チェックの成否に関わらずサラの姿は消え失せる。 その後、聖堂内に「地下の私の祭壇で待っているぞ・・・愚かな 者どもよ」と言う言葉 とともに悪魔達の笑い声が響き、奥から地下に続く階段が顔をの ぞかせる。 B 血の刻印(五芒星)をいれたPCが足を踏み入れた場合、魔法陣 は作用せずサラを無事に救出することができる。 サラは自分の紹介、先程地下祭壇まで行ったこと、オルフェウス に負けたことなどを話し、共にオルフェウスを封印しようと持ち かけてくる。 この場合、サラによって地下祭壇への階段は教えてもらえる。 (このサラは偽物なので、どことなく胡散臭さを出すとなお良い  かも知れない) C 魔法陣をマテリアロロジー「ディスペル」で解呪する場合、成功 数5以上で解呪する事ができる。その場合、魔法陣は中にいるサ ラ(のふりをしたデーモンコマンド)は断末魔の叫びと共に消え 失せる。 その後、聖堂内に「ほう・・・トラップを見破るとはさすがだな ・・・奥で姫と一緒に待っているぞ。迎えに来るが良い」という 言葉が響き、奥から地下に続く階段が顔をのぞかせる。 ・地下祭壇(神殿到達20分後) 予想到達時刻12:20〜7:20 暗く長い階段を降り、暗く長い通路をまっすぐ進むと地下祭壇に たどり着く。 時刻を告げる必要は無い(単調な長い通路を歩くことによって時 間感覚が鈍っている) 祭壇の一番奥にある十字架には大聖堂と同じようにサラがかけら れている(いる場合、いない場合関わらず)。 言葉こそ聞こえないが、彼女は必死に助けを求めているように見 え、その姿は半透明である。 その十字架の下にオルフェウスが腰をかけ、竪琴を奏でている。 その下には五芒星の魔法陣が描かれいる(解呪不可能) 必須イベント(ラストバトル) 戦闘前 オルフェウス反応方針(大聖堂のアルファベットに対応) A 期待していたほどPCが知的で無かったという失望と知的でない PCをバカにした態度。 B サラが二人いることに対して驚くであろうPCへの嘲笑、どちら のサラが偽物かというのを理解させる間接的な言い回し。 C 知的な対応をとったPCに対しての賞賛、その知性がこの場で失 われることに対しての悲しみ。 戦闘 ある程度のやりとりの後、戦闘開始。 相手はオルフェウスとレッサーデーモン2グループ。偽物のサラ がいる場合はそれに加えてデーモンコマンド。 デーモンコマンドのデータは「創世記エルジェネシス」ワールド ブック40ページを参照のこと。白兵攻撃、防御の難易度は4、バ ルハザースの難易度は5とする。また、回避を行いたい場合は判 定値5(難易度5)で行う。 また、血で五芒星の刻印をいれているPCがいる場合、マスター がd6を振って偶数だった場合、オルフェウスに操られる。 刻印を解呪するにはディスペル(難易度5、成功数5)する必要 がある。マスターは解呪できるという事を進んで教える必要はな い。 戦闘後 到達時刻が7:20以外 サラからの感謝の言葉、反省、帰還を促す会話などをはじめとす るやりとり。 時間がキリギリならそれに関しての会話など。 帰路についたところでエンディング(成功)へ。 到達時刻が7:20 オルフェウスが倒れる直前での呪いの達成などを消滅(封印)直 前のオルフェウスの口から。 語り終わったところでエンディング(失敗)へ。 ・エンディングの一例(読むだけで可) 成功 神殿や森から邪悪な気配は消え失せた・・・ サラ姫の手を取り城へと戻った君を待ち受けていたのは、人々の 笑顔、街の活気・・・ 式典の最中、君は王によって街の人々に紹介されることになる。 かくして君は一日にして英雄になった。 それを祝福するかのように空から降り注ぐ流れ星、それを見上げ ながらサラは君に呟いた。「兄なる神シルヴァリオ、年に一度新 たな星達を産む。老いたる星達、生まれし数だけ数だけ地に降り 注ぐ・・・王家に伝わるエルジェネシスの一節ですわ」と。 君の長い長い一日は終わりを迎えようとしていた・・・ 失敗 オルフェウスが消えるのとサラ姫・・・そして、君の仲間達の姿 が消えるのはほぼ同時だった。戻った君を待ち受けていたのは・ ・・無人と化した街とそして城。 君は間に合わなかった・・・ その廃墟でただ呆然と立ちすくむ君の頭上では、止めどなく流れ 落ちる涙のごとく流星が流れていた・・・ 作者の戯れ言のようなモノ 久しぶりに体裁を整えてシナリオを書きました。 時間管理をする事によってプレイヤーに緊迫感を与え続けると言 うのが結構重要だったりするシナリオです。 バッドエンドになる確率はこのままだとあまりないでしょうが・ ・・何ならバッドにしやすく調整し直すのも面白いかも知れませ ん(TRPG初心者にはダメです)で、自分で一度マスタリングして みた感想ですが、戦闘系×2、魔道師系×2の4人だとサクサク 進むのではないか、と思います。 戦闘系が一人だと、最後の戦闘がかなりシビアでそれはそれで楽 しいんですが(笑) 元ネタが分かった人には・・・でも、何もあげられないですね。 ではでは、また別のシナリオでお会いしましょう。

 

 

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Written by kazuha kitouin