薬草と毒草




シナリオ背景

かつて「混沌の王国」と呼ばれていたファンドリアも賢王キーシュアスの粛正
により、その悪い印象をぬぐい去ることに成功した。今では他国同様に王が権力
を持ち、国家公認のファラリス神殿は存在しない。
だが、隣国オーファンとの対立が良い方向に向かうことは無かった。
キーシュアスの命の下、数人の騎士達は街道を整備するため近隣の村へと赴くこ
とになる・・・。


NPC 賢王キーシュアス 45歳 男性 器用度16(+2) 敏捷度14(+2) 知力18(+3) 筋力13(+2) 生命力16(+2) 精神力18(+3) 所有技能 キング7 セージ6 ファイター4 冒険者レベル6 武器:ブロードソード+1 攻撃力 7 打撃力13 追加ダメージ 7 盾 :無し       回避力 7 防具:ハードレザー+1  防御力13 ダメージ減少 6 オーファン女王シュノー 16歳 女性 器用度8 (+1) 敏捷度16(+2) 知力14(+2) 筋力6 (+1) 生命力10(+1) 精神力12(+2) 初級技能 プリンセス5 セージ1 冒険者レベル1 武器:なし 盾 :なし       回避力 2 防具:クロース     防御力 6 ダメージ減少1 オーファン近衛騎士カシューナ 24歳 男性 器用度12(+2) 敏捷度17(+2) 知力16(+2) 筋力15(+2) 生命力18(+3) 精神力13(+2) 所有技能 ナイト6 ファイター6 セージ2 冒険者レベル6 武器:バスタードソード 攻撃力 8 打撃力23 追加ダメージ9 盾 :なし       回避力 8 防具:ラメラー・メイル 防御力18 ダメージ減少 6 ・導入 君たちが謁見の間へと入ると、国王キーシュアスはすでに玉座に腰を下ろしていた。 深々と礼をする君たちの顔を上げさせると、王は言った。 「このたびオーファンに向かう街道の拡張工事を行おうと思う。それにあたって街道沿 いの集落が妨げになってしまうのだ。そこで、お前達に彼らを説得に言ってもらいたい というわけだ。かわりの土地はこちらで用意してある」 「なに・・・先を見据えただけの事だ。どのみちオーファンとは決着をつけ、再びファ ンが再興されるべきなのだから」 ・集落 長老をはじめ、多くの住人は土地を離れることを良しとしない。 「土地を離れろ・・・じゃと?」 「我々は長年この地と共に生きてきた・・・どうしてその土地を簡単に捨てられると言 うんじゃ」 「それに・・・街道を整備するとはオーファンと戦争でも始めるのかね?」 「儂らがどいたら多くの人々の命が失われ、不幸な思いをすることになる。それが分か っていながら・・・どいてやるとは口が裂けてもいえるはずがなかろうがっ!!」 2d6+騎士技能+知力ボーナスで判定。難易度は11(通知) 成功した場合は、何とか住民を納得させることができる。失敗した場合はその逆で住民 は納得しない。ただし、住民を納得させられたから立ち退かせるという選択肢を取る必 要はない。住民の言い分に心が動く可能性はあり得るのだから・・・。 また、納得しなくても住民は最終的に土地を明け渡す。 ・ファンドリア王城 「首尾はどうだったのだ?」 「ふむ、そうか・・・それでは早速工事に着工するとしよう」 ・インターミッション 君たちの功績により街道は拡張されていき、進軍の準備は着々と進んでいった。そして、 翌年の春・・・ファンドリアは今、まさにオーファンへと攻め込もうとしていた。 ・ファンドリア王城 「諸君、ついにオーファンと決着をつける時が来た。略奪王リジャールによってファン の国の半分を失ってから長い年月・・・我らはこのときを待っていたのだ!!」 「ファン王国再建のためにも・・・国民の為にも我々は勝たねばならぬ。勝ってその正 当性をここに証明するのだ!!」 王への異議申し立てなどがなければ、そのまま戦争へと突入していく。 異議があるのであれば一応、王は聞いてくれるが、戦争が覆ることはない。どうしても 戦争に参加したくないというのであれば、許してはくれるが、騎士資格は剥奪されてし まう。その場合、この時点でセッション終了。エディングEへ。 ・インターミッション オーファンとの戦はファンドリアに優勢に進んでいた。と言うのも、オーファンの盟友 たる大国ラムリアースが内乱とザインの牽制によりオーファンへと出兵できなかったの だ。不意をつかれる形になったオーファンは体勢を整える事すらできなかったのだ。 しかし、形勢は徐々に変わりつつあった。ラムリアースはザインを、そしてファンドリ アをうち破りオーファンへと近づきつつあった。 ・オーファン王城 PC達はオーファンの女王シュノーを捕らえてくるよう命じられ、城内へと突入する。 ただし、君たちに与えられた時間はさほど多くない。与えられた時間は2時間。それを 過ぎた場合、ラムリアースの介入により形勢は火を見るより明らかである。 その為、2時間を過ぎてPCが戻ってこなかった場合はオーファン城に火が放たれる手は ずとなっている。 2時間で調査できるのは6ヶ所。調査できる場所は以下の通り。 女王居室 女王寝室 侍女居室 近衛騎士団控室 謁見の間 王城裏出口 (地下室) 室内を捜索する場合、目標値は10(非公開)。 女王居室 女王の姿はない。 室内を捜索した場合に見つかるのは、衣装棚にかくれている女(侍女)と衣装、宝石の 類。衣装と宝石は合わせて2000ガメル相当(衣装800ガメル、宝石1200ガメル) 侍女に女王のことをたずねても口を割らないが、2d6+精神力ボーナス(+騎士技能)で12 以上が出れば、侍女は口を割る(偽情報)。 「女王様は・・・寝室から通じている地下室におられるはずです」 女王寝室 同じく女王の姿はない。 捜索して見つかるのは巧妙に隠された隠し扉の奥に延びる階段と、女王自らがつけたで あろう日記。 日記には「カシューナさえ・・・近衛騎士のカシューナさえ無事ならば彼が私を守って くれる・・・ファンドリアの手のものが城につく前に彼を捜さなくては・・・」 侍女居室 多くの侍女(一人は侍女の衣装をまとった女王、一人は近衛騎士)達が身を寄せ合い、 部屋の隅に固まっている。 捜索して見つかるものは何もないが、侍女達を調べていけば、一人だけやけにごつごつ した侍女がいるのが分かる。 彼女(彼)を追求すると、彼はヴェールを取り、PC達に戦いを挑んでくる。 「我こそはオーファン近衛騎士カシューナだ。我と戦う勇気があるのなら、剣を手に取 るがいい!!」 近衛騎士団控室 人の姿はない。 捜索しても出てくるのは武具の類。見つかるのはオーファン王家の紋章が入っているご く普通の武器。 謁見の間 入るとオーファンの近衛騎士達二人が戦いを挑んでくる。データは騎士(p249)参照。 「残念だったな、ここに女王陛下はいない。もし、他の場所を探したくば我らを倒して いくがいい。だが、我らも騎士のプライドに賭けて負けるわけにはいかない!!」 王城裏出口 裏口には脱出用と見られる馬数頭が繋がれている。 人が入った形跡はありすぎて、捜索したところでいつ誰がナドの特定は不可能である。 ただ、裏門は閉まっており、その周りに兵はいない。 地下室 一人の騎士と女性(少女)が部屋の隅に身を寄せている。 少女は良い服(女王の部屋のものと同等)を着ているが、偽物である。 「くそっ、ここの場所・・・誰がばらしたというのだっ。しかし、女王様の命はこの私 が守り抜いてみせる・・・いざ勝負!!」 騎士団長(p249)参照。 「ファンドリアにこれほどまでに腕の立つ騎士がいようとはな・・・オーファン近衛騎 士団長アルドレンに勝利したのだ・・・お前達に勝てる人間もそう多くはあるまい。だ が、残念だったな・・・この女王は偽物だ。真の女王は別の場所・・・そこで、私より 更に腕の立つ騎士がまもっている」 「最後にお前達のような腕の立つものと戦えて良かった・・・マイリーは・・・私が嘘 をついてお前達の足止めをしたことをゆるし・・てくれ・・るだろ・・・う・・・か」 ・侍女居室 多くの侍女達が壮絶な戦いを目前にして失神していく中、一人の少女だけがその様子を じっと見つめている。少女は戦闘中は微動だにしないが、カシューナが倒れるとゆっく りとカシューナの下に歩いてくる。 「シュノー様・・・もうしわけ・・・あり、ま・・・せん。カシューナは・・・貴女様 をお守りできな・・・かっ・・・」 「私さえいなければ・・・カシューナは死なずにすんだ・・・。私さえ・・・私さえ・ ・・」 連行しようというのであれば、女王は気丈に反発する。 「無礼者っ・・・このシュノーに気安く触るなっ!」 「私がお前達に素直についていくはずがないでしょう・・・この人のいない世界で捕虜 にされて生き延びるくらいなら死んだ方がマシです・・・私にだって自分の喉を切り裂 くくらいの力はあるのだから・・・」 説得するというのであれば、2d6+騎士技能+知力ボーナスで目標値13。 力尽くで止めるというのであれば2d6+筋力ボーナスで目標値5。 説得に成功すれば、シュノーは大人しく従ってくれる→エンディングA 力尽くで止めるというのであれば、その場に崩れ落ちる→エンディングB 黙って自殺するのを見ていても構わない→エンディングC タイムアップの場合はエンディングD 以下エンディング パターンA(ベターエンディング) 君の説得により、女王シュノーは自殺を思いとどまった。そして、彼女は自ら捕虜にな ることを選んだ。 オーファンが陥落したことによりラムリアースは撤退。一般市民をあまり巻き込むこと なく、この戦争はファンドリア側の勝利で終結した。 そして、翌年・・・キーシュアス王のもとに新生ファン王国の建国が宣言される。 その横には、ファン王国の正当な血筋を残すためと王が妃に据えたシュノーの姿があっ た。彼女の表情に喜びはなかったが、何かを決意したという事を感じ取ることはできた 。 君は新生ファン王国建国の立て役者として近衛騎士団長の役職を手にした。 パターンB(バッドエンディングA) 君は寸前で女王の自殺を阻止し、そして彼女をキーシュアス王の下へと連れ帰った。 オーファンが陥落したことによりラムリアースは撤退。一般市民をあまりまきこむこと なく、この戦争はファンドリア側の勝利で終結した。 そして、翌年。キーシュアス王のもとに新生ファン王国の建国が宣言される。 その場でキーシュアス王と女王シュノーの婚約が発表され、国民は沸き上がった。しか し、時を同じくして彼女は自室で死を選んでいたのだ。 国民にその事実は発表される事はなかった。 ファン王国の血筋はここに途絶えた。 パターンC(バッドエンディングB) 君は女王の亡骸を王の前へと持ち帰った。王は終始無言だった・・・。 オーファンが陥落したことによりラムリアースは撤退。一般市民をあまりまきこむこと なく、この戦争はファンドリア側の勝利で終結した。 そして、翌年。キーシュアス王のもとに新生ファン王国の建国が宣言される。 しかし、この国の統治者はファン王国の正当な血筋を引いていない・・・それを知って いる国民の反応はあまりにも冷たかった。 新生ファン王国は賢王キーシュアスの死後、再び崩壊することになる・・・ パターンD 2時間。思い出したときは既に手遅れだった・・・。君の目の前のガラス窓が割れ、そ こからものすごい勢いの火が噴きだしてくる。 火が城を覆い尽くすのに大した時間はいらなかった。 灼熱の業火と激しい痛みの中、君の意識は遠のいていった・・・。 パターンE(リタイア) 戦は終始ファンドリア有利に進み、そのままファンドリア側の勝利で幕を閉じた。 街道が整備され、オーファンを奇襲するという形が取れたため、一般住民をさほど巻き 込むことがなかったのだから、何とも皮肉なものである。 数日後、君は王から呼び出しを受けた。 王は君に言った。 「オーファン女王の処刑執行人になれば剥奪した称号を返してやる」と。 君はどういった決断をするのだろうか? 成功報酬はありません。 経験点は500点〜3500点。 PLに自分の行動を考えさせ、その上で自由に決定させて下さい。
作者の戯言みたいなモノ ローフルな考え方は本当に正しいのだろうか? それを問いたかったのでこういうシナリオを作成してみました。 シナリオとしての出来が良いのか悪いのか。それは分かりません。 ただ、PLにその意義を問うことができれば、それでいいのではないかと思っ ています。

 

 

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Written by kazuha kitouin