TRPGを買いに行こう!




今までのところで TRPG に興味を持たれた方は、どんなもの(こと)を準備すればよい
のかが分かったことと思います。
そして、 TRPG に興味を持ち、実際に遊ぼうと思っていたり、遊び始められた方でおそ
らくほとんどの方が準備しなければならないもの。
「TRPGを実際にプレイするためには?」で述べた、「あとは今読んできた中で、自
分に足りないもの(人それぞれなので一概には言えませんが)を補うだけです」におい
て、ほとんどのみなさんが準備した方がよいと思ったものは TRPG のシステム及び、そ
の周辺アクセサリ−(サイコロ等ですね)ではないでしょうか?

そこで、今回は TRPG のシステムは、どこに行ったら手に入るのかを書いていこうと思
います。

まず TRPG を買いに行く前に自分が遊ぼうと思っていたり、ゲームマスターをしてくれ
た方の持っている TRPG システムのコンポーネント(どんなもので構成されているかと
言うことです)を見て下さい。
それは、箱などの入れ物に収まった形になっていますか?
それとも一冊の本にまとまっていますか?

一般に TRPG のシステムは大きく2つの出版形態に分かれます。
1つが箱などの入れ物に収められている「ボックス型」
そしてもう1つが一冊の本にまとめられている「ブック型」
と、それぞれ呼ばれています。
そして、それぞれのタイプで便利な点、不便な点があります。


「ボックス型」
おそらく日本で発売され始めた頃の TRPG システムはほとんどこの形態で発売されてい
ました。
B5、A4版程度のサイズの箱(最近ではもっと小さな箱であったり、プラスティック
のケースであったりすることもあります)にルールブックやキャラクターシート、サイ
コロ等がセットになって出版されている形態です。

この形態の利点は
中に入っているブックレットが目的別にまとまっていることが多い。
目的別というのはプレイヤーに必要な情報だけをまとめた本、ゲームマスターに必要な
情報だけをまとめた本、ゲームで用いる結果表だけをまとめた本といった具合です。
キャラクターシートの原紙も何枚か余分に入っているのが普通で、この箱を買えばすぐ
にでも遊ぶことが出来る(もちろんサンプルとなるシナリオが添付されていなければシ
ナリオは作らなければなりませんが、概ね「ボックス型」は付いているようです)のが
売りとなります。

また、ブックレット以外にも取り扱っている世界の世界地図とかペーパーフィギュア
(紙で作るゲームの駒)、はてはその TRPG のシステムの役割が持っているメンバーズ
カード(部隊証、学生証等々)等のアクセサリーが充実しているものが多く、視覚的に
も楽しませてくれます。

ただ、欠点として箱である以上、持ち運び難いと言うことや、価格がそれ相応のものに
なってしまう(一昔前では5000円前後が主流だったので、それに比べれば最近のも
のは安くなったと言えるのではないでしょうか)といったものが挙げられます。


「ブック型」
日本で本格的にブック型、いわゆる文庫本サイズの TRPG システムが認知され始めたの
は「ソードワールドRPG」(現在では版が変わり、「完全版」となって少々大きなサ
イズにリニューアルして出版されています)が発売されて以降のことだと思います。

この形態の利点は
とにかく、基本ルールが一冊の文庫本に収まっている。基本的に文庫本なので持ち運び
易い、文庫本と同じ様な価格で出版されているので安い、本屋で買えることが多いので
手に入りやすい、というのが挙げられます。

欠点としては、とにかく一冊にまとめられているので目次、索引がしっかりしていない
とルールを検索するのが困難ということや、キャラクターシートも文庫本に折り込まれ
た形になっているので拡大コピー(最適な拡大倍率を探すのがなかなか難しかったりす
るんです)して用いなければならない、サイコロを使うシステムだとしてもサイコロが
付いていることはない、と言うようなことが挙げられます。

もう一つ、ブック型の欠点と言うべきか、限界と言うべきなのか悩むところなのですが、
一冊の本としてまとまっている以上、記述できる文章量が自ずと決まってくるというの
があります。
どういうことかというと、ルールにページを割けば、必要な世界設定の記述量が減った
り、本来初心者にとっては付いていると便利なサンプルシナリオを載せる余裕が無くな
ったり、といった事態が生じてくるということです。
そうした理由で分冊にしているシステムもあります。

私見になりますが、システムの世界観をおざなりに出来ない(そのシステムで取り扱っ
ている世界の説明がおろそかになっていたらどういった世界で遊ぶシステムなのか分か
らないですよね)以上、一番割を食っているのが「サンプルシナリオ」なのではないか
と思います。
本来、そのシステムでどういったシナリオを作って、遊んでいけば良いかのお手本とな
るべきものが犠牲になっているのが、私としては残念に思えるのですが、みなさんはど
う思われますか?

また、ブック型には文庫サイズのものに限らず、B5版、A4版等のものや、表紙が厚
紙になっているハードカバータイプのものなど、中にはボックス型のように目的別に分
けたブックレットをそれぞれ出版したり、それらをケースに収めてひとまとめに売って
いるものまであり、様々なバリエーションがあります。


さて、こういった2種類の形態で TRPG のシステムは販売されているわけですが TRPG 
システムの構成をもう少し詳しく書きますと...


「基本ルール」
気に入った、もしくは興味のあるシステムを買おうと思ったときに、はじめに買うのが
おそらくこれでしょう。
その TRPG システムの基本的なルールすべて、取り扱っている世界の設定などが書かれ
ています。
また、そのシステムではどういった方向性で遊んだらいいか、遊び方のコツなんかも書
かれているはずです。
さらに親切なルールブックであれば、試しに遊んでみるためのサンプルシナリオやマス
ターをやるためのコツ、シナリオの作り方などのようなことまで記述されているものも
あります。


「サプリメント」
追加のルールを載せていたり、選択ルールを載せていたりします。
前者は基本ルールだけでは解釈が不明だった事例に回答するという形のルールが多く、
後者ではこういったルールを盛り込んで遊ぶと、よりそのシステムで遊ぶのがおもしろ
くなったり、一風変わった遊び方ができるようになる、といった形のルールが多いと思
います。

中には上級ルールという呼称のルールを載せているものもありますが、これはそのルー
ルの目的がシステムをより深く遊ぶため、と定義しているものが多いので、広義の意味
では選択ルールに含まれると思います。

また、基本ルールで紹介しきれなかった世界設定の追加や、シナリオに登場させる道具、
生物(もしくは怪物)などの追加データを載せているものもあります。


「シナリオ集」
システムで遊ぶためのシナリオを、大概の場合は何本か載せた形で出版されています。
こういったシナリオ集は、そのシステムでどういった話を作るべきか、どのようにマス
ターをやれば良いか、といったことのいい見本になります。
そのシステムで初めてマスターをやる場合などでは、参考程度でも目を通すのは良いこ
とだと思います。

ただ、このシナリオ集に載っているシナリオをそのまま遊ぼうと思ったときに、注意す
べきことは、ゲームマスターをやる人以外は、そのシナリオに目を通していないことを
確認した方が良いでしょう。
一人でもそんな人がいると、興ざめすることが多いからです。

ある程度 TRPG というものに慣れてくれば、プレイヤーは知っていてもキャラクターは
知らないという事実に気が付き、あたかも知らなかったようにプレイすることも可能で
すが、実際の話、そう思っていてもなかなかできないものです。
ですから遊びたいと思ったシナリオは、もしプレイヤーとして遊びたいなら事前に読ま
ないように、ゲームマスターとして使いたいならプレイヤーの方々に読まないように言
っておいた方が良いでしょう。

また、シナリオで新たに使われると言った形で追加ルール、選択ルールを載せたり、追
加の世界設定(新しい舞台でのシナリオだったりします)を載せている場合もあります。


「リプレイ」
実際にそのシステムを使って遊んだ様子を、記録したものです。そのシステムでどうい
う風に遊んだらいいのかという手本になります。また、マスターをする際の参考にもな
るでしょう。
リプレイの場合、その書き手がなにを目指すかで内容の様相が大きく変わります。
中を確認できるような文庫形式のものが多いので、少し読んでみて自分が参考にしたい、
タメになる、おもしろいといった何か自分が良いと思ったものを購入することをお勧め
します。


以上のようなものが、だいたい基本になるものですが、中にはサプリメント+シナリオ
集、シナリオ集+リプレイといった形で出版されているものもあるので(もちろんこれ
らも「ボックス型」、「ブック型」が存在します)、 TRPG システムの関連物はかなり
いろいろなバリエーションがあります。

ただ、どのシステムもこうした関連物の出版が盛んかというと、そうでもありません。
中には基本ルールは出たけれど、その後は鳴かず飛ばずで気が付いたときには、絶版に
なっていたりするものもあります。
「それでも私は遊ぶ」という方にはそんなに問題ではないのですが、こうしたサポート
の充実度も加味して、自分の遊ぶシステムを選択しようとすると、悲しいことですが実
に選択できる範囲が狭くなってしまうのが、現在の TRPG を取り巻く状況です。
(1998年4月現在の話です)
それでも、一年に一冊とか、忘れた頃にサプリメントが出たりといったシステムも中に
はあるので、じっくり様子を見るのも一つの手です。


とりあえずは自分の気に入った、目当てのシステムを買いに行くことにしましょう。

どこで手に入れればよいのか?

ブック型の中でも文庫型のシステムは本屋さんで購入することができます。
また、文庫型に関わらず ISBN コードのあるものは書籍扱いなので、現在でも入手可能
なものであれば、本屋さんで取り寄せることができます。
文庫型以外のブック型は、置いてある本屋もありますが、置いてない本屋の方が多いよ
うです。

 ISBN コードというのは、手近な雑誌以外の本の裏表紙を見て下さい。
「 ISBN*-*****-***-*( *は数字が入ります)」
という番号がふられています。
このコードが、その本を表す番号になるわけです。 

ボックス型やほとんどの TRPG システムはゲームショップで購入することができます。
ゲームショップがどこにあるか、どう調べればいいのかというと、手っ取り早いのは
 TRPG を取り扱っている雑誌に広告を載せているお店が、自分の家の近くにある場合は
そこに行ってみましょう。
きっといろいろなシステムが置いてあるはずです。
すでに絶版になってしまった、珍しいシステムに出会うこともあるかもしれません。
ゲームショップでも文庫型のシステムはそこそこ置いてあるのが普通です。

自分の家の近くに、そういったゲームショップがない場合はどうするか、そして欲しい
システムが文庫型以外のシステムだったら...
そうした場合は、通信販売で購入する方法があります。
もう一度 TRPG を取り扱っている雑誌に載っている、お店の広告を見て下さい。
アドレスや電話番号が記されている広告もあると思います。
そういったお店では大抵の場合、通信販売を行っていたりするので、問い合わせるのも
良いと思います。

本屋以外のところでは、一緒にサイコロやサイコロを入れる袋、もしくは TRPG を遊ぶ
上で使う駒(通常は金属でできているものが多いので、メタルフィギュアといいます)
等の TRPG を遊ぶ上で必要なものや、遊んでいる最中の雰囲気を高めてくれるものなど、
いろいろなものが販売されていて、きっと見ているだけでも「こんなものがあるんだ」
という驚きがあると思いますので、是非一度は少し遠くてもお店に足を運んで、実際に
目にしてみて下さい。

最近は本当にカードゲームのみを扱うお店が増えてきたので、 TRPG も扱っているお店
を探すのは難しいのですけれど、きっと何か得るものがあると思います。

こうして、目当ての TRPG システムを手に入れることができます。
後は早速購入してきた、ルールを読んでみましょう。

 

 

Go to 雑想記 page

 


Written by ragou