<秘書課>    
昼休み。秘書Aは文庫本を読んでいた
秘書B「何読んでるの?」
秘書A「藤村詩集」
秘書B「へえ、島崎藤村か」
秘書A「最近、いいなと思って」
そこへ代表が入ってきた
 代表「来週の月曜日の9時前後に新神戸発のひかりの指定を頼むよ。」
秘書A「はい。わかりました。喫煙ですね」
 代表「ああ。頼むよ。何読んでるの?お!藤村か。」
秘書A「はい」
 代表「いいね。初恋とか好きだな。」
秘書B「代表も島崎藤村がお好きなんですか?」
 代表「ああ。まあ柄じゃないけどな。でも人間が人間らしく生きる事ができた
    時代だからこんな詩が書けるんだろうな。今みたいに、何でもインスタント
    に出来て慌しい時代だと、いくら藤村でもこういった詩は無理だろうな。

    結局は、そういった時代への憧憬なのかもしれんな」
と言いながら代表は出て行った。
秘書B「確かに代表の言う通りかもしれないね」
秘書A「うん。何かかっこいいね。」
そこに代表が戻ってきた。
 代表「ところで、藤村が今いたら何をやってると思う?」
秘書A「さあ」
秘書B「わかりません」
 代表「コンビニの親父だよ。島崎ローソン。なーんちゃって。ははははー」
 代表は去っていった。
秘書A「・・・・損したね」
秘書B「うん・・・。」
   

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