<将棋部>
野球部員「こんちわー」
将棋部長「おお。野球部のエースじゃないか。
さっき監督がバット持って捜してたぞ。」
野球部員「ちょっと訳ありでしばらく野球部に顔出せなくて。
で、将棋部でもしようかと思って」
将棋部長「『でも』は気に入らんが。まあいいか。じゃ試しに一局」
二人は対局を始めた
将棋部長「さっきから思ってるんだが、桂馬が一枚足りなくないか?」
野球部員「ふふふ。消しました。」
将棋部長「消した?」
野球部員「消える魔球を応用して、桂馬消しました。ステルス桂馬です」
将棋部長「なぜ桂馬なんだ。半端だろ。銀とか金を消せばいいだろ」
野球部員「桂馬しか消せないんです。」
将棋部長「フーン」
二人は対局を続けた。
将棋部長「王手。これで詰みだな」
野球部員「参りました」
将棋部長「ところで、消した桂馬はどうした?」
野球部員「あ!消したまま忘れちゃってた」
そこへ野球部監督がやって来た
野球部監督「こんにちは。うちの馬鹿の声がしたんですが。来てます?」
将棋部長 「はい。ここに・・あれ?さっきまでいたんですが」
野球部監督「また消えやがったな」
野球部員「失礼しまーっす」
ガツン、バタン。立てかけていた将棋盤がたおれた。
野球部員「痛てっ!!」
野球部監督「将棋盤につまつぎやがった」
将棋部部長「どうします?」
野球部監督「ほっといて将棋でもしましょう」