<将棋部>

訪問者「こんにちは」
部長 「また、おまえか。今日は何の用事だ?」
訪問者「オセロしましょ」
部長 「ここは将棋部だ!」
訪問者「オセロも将棋も似たようなものでしょ」
部長 「全然違う!帰れ!」
訪問者「わかりました。帰ります」

訪問者は立ち去りかけた
部長 「待て」
訪問者「オセロするんですか」
部長 「不本意だが。将棋盤倒しやってるよりましだ。でも盤も駒もないぞ」
訪問者「じゃあ、紙に書いてやりましょう。私は黒。」

二人は紙に黒丸と白丸を書いてオセロをはじめた。

訪問者「黒で挟んだから、白丸を黒に塗りつぶします」
部長 「じゃあ、私は白丸をここに書いて、黒丸を白で塗りつぶ・・・せないだろ!」
訪問者「はい、消しゴムです」
部長 「消しゴム・・・・。」

部長は挟んだ黒丸を消しゴムで消して、その上から白丸を書いた。

訪問者「また黒で挟んだから、白丸を黒に塗りつぶします」
部長 「じゃあ、私はここ」

部長は挟んだ黒丸を消しゴムで消して、その上から白丸を書いた。

部長「君は楽だな・・・」

オセロは最後の一手となった。

部長「ここに私が白丸を書けば私の逆転勝利!」

部長は挟んだ黒丸を消しゴムで消して・・・・ビリビリビリーッツ


部長「あ!」
訪問者「紙がやぶけちゃいましたね。引き分けです。」
部長「でも、私が勝ってたはずだ!」
訪問者「いえ。紙がやぶけた場合は引き分けです。じゃあ失礼します。」

訪問者は立ち去った

部長「私が勝ってた・・・」
とつぶやきながら、部長はビリビリにやぶけた紙を一人で見つめていた。
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