第6章 DVDの選び方について



1)種類、速度

DVDには、「DVD-R」「DVD-RW」「DVD+R」「DVD+RW」「DVD-RAM」という5つの規格があります。日本において最も広く利用されているのが「DVD-R」であります。これは、一度書き込んだデータを消すことができないディスクで、容量に空きがあれば、何度でもデータを追加できますが、データを消せないため容量が一杯になると記録ができなくなります。「DVD+R」についても同様です。
これに対して「DVD-RW」「DVD+RW」は、盤面に書いたデータを約1,000回も書き換えられるため、全ファイルを消去して、ディスクを繰り返し利用することができます。ただし、ファイル単位での削除はできません。
「DVD-RAM」は、10万回までの書き換えに対応しており、しかも、ファイル単位での削除も可能で、ハードディスクやUSBメモリーなどと同様の操作で簡単にファイルを読み書きできます。
現在市販されているデータ用DVD-R 、DVD+Rはほとんどが「1~16倍逮」で、現在の最高速は16倍速です。
1倍速とは1,385キロバイト/秒でデータを書き込むことで、「8倍速」なら約10メガバイト/秒でデータを書き込むことができます。
DVD-Rの容量は、通常は4.7ギガバイト(GB)ですが、中には8.5GBと書かれた製品があります。これは記録層を二層にすることにより、大容量化を実現したディスクのことです。パッケージには「DL(デュアルレイヤー/ダブルレイヤー)」、「片面二層」などと書かれています。レコード盤とは違って、盤面を裏返して使用するわけではありませんのでご注意下さい。
まとめると次の表となります。

メディアの種類
特 徴
DVD-R 1回だけデータを書き込むことができます。記録したデータは変更したり、削除したりすることができません。記録型DVDの中では、再生可能なDVDプレーヤーが最も多く、低価格なので配布用メディアとして適しています。
DVD-RW 記録したデータを書き換えることができ、1,000回以上データを書き込み、削除することができます。DVDプレーヤーでも再生可能ですが、再生できない機器もあります。容量は8.5GB。
DVD-RDL DVD-R DLは、記録層の数をのぞけばDVD-Rと構造はほぼ同じで、1回だけデータを書き込むことができ、DVDプレーヤーで再生可能です。
DVD+R 1回だけデータを書き込むことができます。記録したデータは変更したり、削除したりすることができません。再生可能なDVDプレーヤーが多く、低価格なので配布用メディアとして適しています。
DVD+RW 記録したデータを書き換えることができ、1,000回以上データを書き込み、削除することができます。DVDプレーヤーでも再生可能ですが、再生できない機器もあります。
DVD+RDL DVD+R DLは、記録層の数をのぞけばDVD+Rと構造はほぼ同じで、1回だけデータを書き込むことができ、DVDプレーヤーで再生可能です。容量は8.5GB。
DVD-RAM

およそ10万回の書き換えが可能です。カートリッジに入っているタイプのものと入っていないタイプのものがあります。Windows XPでは標準サポートされており、特別なライティングソフトを使用することなく、ハードディスクやフロッピーディスクなどと同じように使うことができます。
ただし、DVD-RAM対応の機器でのみ再生や録画ができます。

「DVD-」も「DVD+」も基本的な仕組みはほぼ同じですが、「DVD+」ではDVDプレーヤーなどで再生可能にするための処理(ファイナライズ)が必要ありません。
また、規格を策定した団体が異なり、「DVD-」は「DVDフォーラム」、「DVD+」は「DVD+RWアライアンス」という団体で策定された規格です。

「DVDフォーラム」: 松下、東芝、PIONEERなどのメーカーが参加しているDVD規格の策定団体です。
「DVD+RWアライアンス」: SONY、DELL、PHILIPS、リコーなどのメーカーが参加している任意団体です。

2)用途

各ディスクには、「データ用」「録画用」という用途が決められており、前者は、パソコンで各種ファイルを保存するためのディスク、後者は、パソコンやDVDレコーダーでテレビ放送を録画するためのディスクで、「私的録音録画補償金」がディスクの価格に上乗せされています。ディスクそのものは「データ用」と全く同じものです。
録画用は、さらに「アナログ放送用」と「デジタル放送用」にわかれています。
後者は、「CPRM」(Content Protection for Recordable Media - 著作権保護技術)という映像の著作権を保護する技術に対応しており、デジタル放送はこのディスクでないと録画できませんのでご注意下さい。

 

3)寿命

量販店では一枚30円前後のDVDディスクも販売されているが、一方で傷が付きにくいハードコートを使用したり、エラーが少ないことをウリにする商品には、140~250円のものもあります。
では、一枚30円のディスクに問題はあるのでしょうか。実は、格安品と標準価格のディスクでは、品質に大きな差があると言っていいでしょう。
書込み中、ディスクはドライブの中で一分間に数千~1万回も回転しながら、レーザー光線を受けてデータを記録しています。ディスクがほんの少しでもゆがんでいると、回転時にディスクが上下にゆれて、「面ブレ」という現象が起き、レーザーの焦点がずれて書き込みエラーを引き起こす原因になります。
また、全てがそうではありませんが、格安ディスクは記録層に使われる有機色素の質が悪かったり、不純物が混じることが報告されています。
さらに、「メディアID」を偽装したディスクの存在もあります。メディアIDとは、どのメーカーのどんな製品かを記した番号のことで、ドライブはディスクのメディアIDを読み取り、各ディスクに最も適したレーザーの出力で書き込んでいます。
しかし、粗悪なディスクの中には、ほかのメーカーのディスクのIDを勝手に付けているものもあります。これでは、ドライブ側がディスクを誤認してしまい、適正なレーザー光を照射できなくなってしまいます。このようなケースでは書き込みそのものがうまくいかなかったり、たとえ記録できたとしても、書き込み直後からエラーの多いDVDになり、やがては読めなくなってしまいます。
大切なデータを確実に残したい場合の一つの目安として、一枚100円以上の国内メーカー製ディスクなら大きな問題は生じないと言えるでしょう。
寿命に影響する重要な要因の中にディスクの保管管理方法がありますが、これに関しては当サイトの中で何回も紹介していますのでそちらを参照下さい。

 

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