マドリッドの地下鉄

 

僕は10年程前、ヨーロッパに留学していたこともあって、

多くの外国人の友人がいる。

なぜか、スペイン人とはウマがあい、首都のマドリッドには

多数の友人がおり、今でもたまに連絡しあうことがある。

それにしても、マドリッドの地下鉄はミュージシャンにとって

とても刺激のある乗り物だ・・・!

 

スペインの地下鉄も東京と同じように『メトロ』と表記する。

そして電車自体も東京の地下鉄とそんなに変わりはない。

変わるとしたら椅子がクッションでないことぐらいかな・・・

でも、明らかに違う点がひとつある・・・

それは、各車両に必ずといってもいいほど『大道芸人』が乗り込んで来て

車内で演奏を始めるのだ!

たとえ、どんなに混雑していても、車内に2,3人くらいしかいなくても

必ず演奏していく・・・

スパニッシュギターやアコーディオンを使って巧みに演奏する。

そして、一駅間で一曲演奏し、車内の人達からチップを催促し、

ホームに降りて隣の車両へ移動・・・再び演奏を始めるのだ!

僕はこの光景を初めて目の当たりにしたとき、ある種の驚きと、

なんて楽しい国民なんだろう!と、痛く感動を覚えたものだった。

もし東京で同じような事をしたら、お客さんのひんしゅくをかうか、

東京メトロさんからこっぴどく怒られてしまうだろう・・・

 

最近、東京の地下鉄に乗っても目にするのは、ほとんどの人が

携帯電話と向き合ってもくもくと指を動かしている・・・

僕はその行動がなぜかものすごく!嫌いである。

やっぱり格好悪いんだなぁ〜・・・

あのチマチマ感というかなんというか・・・

それにしても、マドリッドの地下鉄には希望がたくさんありふれている!

地下のなんの景色のない乗り物の中で、お客さんのために

自らコンサートを開いてくれるのだ!

 

今年の3月、マドリッドに再び訪れた時も、昔と変わらず様々な大道芸人達が

美しい音色を奏で、愛嬌を振りまいて楽しげに演奏を披露してくれた・・・

『人生は大いなる舞台だ!』

まさにこの言葉はマドリッドの地下鉄を象徴しているようで

滞在中、地下鉄に乗るのが楽しくて仕方がなかった!!

いつの日か、東京の地下鉄でもトンネルの中での演奏会が開かれるよう夢見て、

今日はこの辺で寝ることにしよう・・・

アスタルエゴ!

 

拝 マーボ

           2005年12月3日 3時15分 自室にて