遠 来    詞・曲/友部 正人  編曲/斉藤 将之

 

 

君がニューヨークにいるのと同じように 僕は東京にいる

君がニューヨークでアパートを借りているのと同じように

僕は東京で借家住まいだ

君はニューヨークで新しい友達を見つけただろうか

僕は東京で見つけたよ

そして僕も君も東京とニューヨークで 歌のことを考えている

 

 

君がインドにいるのと同じように 僕は東京にいる

君がインドで丘の上の大木を見上げているように

僕は東京で公園の木を見上げている

君はインドで赤いけさを着てお祈りしているという

僕は東京でコーヒーを飲みながらお祈りしているよ

そして僕も君も東京とインドで 湯気をたてて晩ご飯の支度をしている

 

 

君がフランスにいるのと同じように 僕は東京にいる

君はフランス人の書類第一主義のやり方に腹をたて

僕は日本人の曖昧なやり方に腹をたてる

君からたまには美味しいものを食べに行くよと手紙が届いた

僕は東京にいて美味しいもんて何だろうと思ってる

そして僕も君も風向きが変わり ヨットは同じ方に走り始めている

 

(間奏)

 

君が台湾にいるのと同じように 僕は東京にいる

君は台湾に行ってアジアが見えたかい

僕は東京にいてこの街もわからない

こんなにもたくさんの人が生きているのにという

そんな悔しさに襲われることはないかい

そして僕も君も東京と台湾で 

捨てるものの無くなったどぶ川を眺めている

 

 

君が地球にいるのと同じように 僕は地球の上にいる

夜になるとたくさんの町の灯が

つながってひとつになるのを見たことがある

ぼくらはいつもどこか遠くから

ぼくらのいる星を眺めている

そして僕も君もこの地球の上で

分かり合えないまま距離ばかりを大切にしている