水に関する本
次のテーマは「水」にします。
環境ホルモンの暴露経路には、「大気」「食物」と並んで「水」も非常に重要な要素をしめているし、ヒトの生存には必要不可欠の物質であるからです。
河川や湖沼の水質悪化から水道水の汚染まで、相変わらずいろいろと話題に登ることも尽きません。多品種の浄水機が売られ、販売されているミネラルウオーターの種類と量は以前ではとても考えられなかったほどです。
このような「水関連産業」つまり「水商売」が隆盛を極めているのは、やはり
飲み水が汚れてまずくなっている証拠だと思います。
正直に言えばこの数年間は「水」の本は読んでいません。しかし、以前に「水」の不思議な性質に惹かれ、「水の本」をいろいろと読みました。半分は仕事がらみでした。というのは、化粧品特に美容関係で、「水が違う」ことを
売りにした商品がいろいろと登場し、それなりの評価を得ていたからです。
書架に入りきれず、段ボールに山積みされた蔵書の中から「水の本」を探したら10冊余り出てきました。、何度も読んで勉強になった懐かしい本もあれば、期待はずれの本もありました。その中から数冊を取り上げますが、今では書店では見当たらないものもあると思います。古本屋の100円や50円均一売り場で見つかるようなものもあります。
「水とは「なにか」 ミクロに見たそのふるまい
上平 恒
講談社(ブルーバックス)
1977.10.25
202頁
840円
講談社のブルーバックスは、科学的なテーマをわかりやすく解説した入門書とでも言える、ポピュラーサイエンスの叢書で、かなり専門的な部分にまで触れられていることが多く、私は良く読みます。これまでに多分50冊以上は読んでいると思います。
なお、私の持っているものは94年3月25日の第34刷ですが、現在書店には
96年6月24日の第38刷が並んでいます。改版されていないので内容は変わっていませんが、長い間良く読まれている本だと思います。
また、ブルーバックスには水に関したものはこの他に「水なんでも小事典」と「調べる身近の水」の2冊がありますが、これらは本書とは別の観点から水を取り扱っており、ずっとやさしい内容です。
本書は副題にあるように、水分子の運動というミクロの観点から水を取り扱い、あまり知られていない水の特異な性質や水と生命の関係など、相当に専門的な部分にまで立ち入って書かれています。完全に理解するには、化学的な知識がある程度必要です。
水は1個の酸素原子に2個の水素原子が結合した非常に単純な化合物に見えますが、どうしてどうして水ほど変わった化合物は他には見当たりません。
代表的な液体は?と聞けば多分水という答えが返ってくるでしょうが、水ほど特異な液体はないのです。
「水と油」というように、水と混ざらないもの、水に溶けないもの、といいますが、水は時間さえかければ何でも溶かしてしまいます。
このような色々なことが本書を読めば良くわかりますが、その中から面白そうなものを少し拾って紹介しましょう。
- 水の凝固点は0度であるが、2枚のガラス板に挟まれた水は、その隙間が狭いほど凝固点が下がり、0.001mmでは零下100℃でも凍らない。
- 氷は水より密度が小さいため水に浮くが、圧力をかけて凍らせると、非常に重い氷が出来る。一番重い氷は、零下50℃、25000気圧で1.66g/1立方センチとなる。
- 水10mlとエタノール5mlを加えると、15mlでなく、14.6mlとなる。
- 細胞内の水は、零下10℃で凍る水と、零下80℃で凍る水があり、これは動物でも植物でも同じである。零下80℃で凍る水は生体内のたんぱく質などの高分子と結合している水である。
- 水は特定な温度(15℃、30℃、45℃、60℃)で性質が変わり、この温度は生物にとって好ましくない温度である。(どのように好ましくないかは本書をお読みください)
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