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次期のフォルダで期首に行なうこと(法人の場合)

期末に当期利益と(期首の)未処分利益が合算され(期末の)未処分利益となり、翌期に繰り越された未処分利益は、通常株式会社では株主総会の承認によって利益処分されます。

例1.配当金と役員賞与金とを利益処分として捉える場合

下記の例に沿って説明します。

利益処分案
昭和??年??月??日#株式会社
(単位千円)
当期未処分利益15,000
当期処分額6,000
利益準備金500
配当金4,000
役員賞与金1,000
別途積立金500
次期繰越利益9,000

例のとおりの案で処分されたとすると、これらは実際の処分では繰り越された未処分利益を今期中の日常取引として処理をします。

借方側金額貸方側
貸方貸方・資産勘定純資産の部利益準備金
振替する金額
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益
(反対符号)配当金の額
借方借方・資産勘定流動資産現金
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益
(反対符号)役員賞与金の金額
借方借方・資産勘定流動資産現金
貸方貸方・資産勘定純資産の部別途積立金
振替する金額
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益

借方に属する勘定科目で記帳する場合などで金額の符号を反対にしなければならないときもあるので注意して下さい。
また期首の未処分利益と期末の未処分利益との残高は違ってくることもあるので注意して下さい。
しかし、これらの処分は総て資産勘定内で行なわれ損益勘定には影響を与えませんので、期首と利益処分案の承認時は、時間的ずれがあっても利益処分は前期末の直後に行なわれたものと考えて良いと思います。
ただし前期末の貸借対照表・損益計算書は利益処分前のものです。

前期─────────────────

未処分利益+当期利益=当期未処分利益

繰越─────────────────

期首の未処分利益=利益処分株主総会後処分額+当期未処分利益の残高

例2.配当金と役員賞与金とを販売費一般管理費として捉える場合

下記の例に沿って説明します。

利益処分案
昭和??年??月??日#株式会社
(単位千円)
当期未処分利益10,000
当期処分額1,000
利益準備金500
別途積立金500
次期繰越利益9,000

配当金と役員賞与金とは利益処分に関係なく、損益勘定に影響を与えます。

借方側金額貸方側
借方借方・資産勘定販売費一般管理費配当金
配当金の金額
借方借方・資産勘定流動資産現金
借方借方・資産勘定販売費一般管理費役員賞与
役員賞与の金額
借方借方・資産勘定流動資産現金
貸方貸方・資産勘定純資産の部利益準備金
振替する金額
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益
貸方貸方・資産勘定純資産の部別途積立金
振替する金額
貸方貸方・資産勘定純資産の部当期未処分利益

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