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関連図書と用語集

関連図書 TKY2JGDや座標変換に関して,参考になる論文や図書です

(1)飛田幹男 (2002):世界測地系移行のための座標変換ソフトウェア"TKY2JGD",国土地理院時報,第97集,(発行されました).

国土地理院時報第97集の中に収められた約21ページの日本語論文です。目次はこちら

(2)飛田幹男 (2002):世界測地系と座標変換,日本測量協会,東京,174ページ,(2002年4月18日刊行).

世界測地系や座標変換について詳しく解説された図書です。座標変換や測量について,あらかじめ知識のない初心者の方にもわかりやすいように解説されています。1600円(税込)。目次はこちら

入手方法:(1),(2)のどちらも(社)日本測量協会 http://www.jsurvey.jp/


用語集 BLconverterヘルプで使用している用語の解説です


英数字

3パラメータ(さんぱらめーた)
詳しい説明は,「『地域毎のパラメータ』と『3パラメータ』」を参照してください。

三次元直交座標系の座標値(X,Y,Z)が2組(同一点の位置を表す異なる座標値が2組)あったとき,「座標軸の方向は平行」かつ「スケールに差がない」と仮定して,それらの間の位置関係を結ぶ座標変換パラメータが,「原点OのずれdX,dY,dZ」の3つのパラメータで表せると仮定したときのそれら3パラメータのこと。
BLconverterでは,3パラメータとして,
dX = -146.414 m
dY = 507.337 m
dZ = 680.507 m
を採用しています。日本測地系(Tokyo97系)からITRF94系への変換では,日本測地系の座標値(X,Y,Z)にこれら3パラメータ(dX,dY,dZ)を加えます。一方,ITRF94系から日本測地系(Tokyo97系)への変換では,ITRF94系の座標値(X,Y,Z)からこれら3パラメータ(dX,dY,dZ)を引きます。

B(びー)
緯度。ドイツ語の緯度の頭文字からきている。

Bilinear補間
「バイリニア補間」を参照。

L(える)
経度。ドイツ語の経度の頭文字からきている。

dB(でぃーびー)
緯度差。BLconverterにおいては,通常,「新緯度−旧緯度」に対応する。つまり,旧緯度にこの緯度差を加えると新緯度が得られる。通常,単位は「秒」である。

dL(でぃーえる)
経度差。BLconverterにおいては,通常,「新経度−旧経度」に対応する。つまり,旧経度にこの経度差を加えると新経度が得られる。通常,単位は「秒」である。

JGD(じぇいじーでぃー)
Japanese Geodetic Datum の短縮形。

TKY(てぃーけーわい)
法改正前の日本測地系の英語名 Tokyo Datum に由来します。

X(えくす)
平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)のX座標値。北方向が正。単位はメートル。

Y(わい)
平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)のY座標値。東方向が正。単位はメートル。


逆方向の変換(ぎゃくほうこうのへんかん)
「世界測地系(日本測地系2000)から日本測地系への変換」のことです。BLconverterでは,メイン画面の右側にある「変換」ボタンで行います。


世界測地系(せかいそくちけい)
「世界測地系」という言葉には広義と狭義があります。広義の世界測地系はITRF系やWGS84系等の総称です。一方,狭義の世界測地系は,平成14年4月1日施行の改正測量法が基づく座標系です。狭義の世界測地系はITRF94系とITRF2008系とを日本に実現した日本測地系2011と同義です。BLconverter関連ヘルプで用いる世界測地系は,狭義の世界測地系です。

測地成果2000(そくちせいかにせん)
日本測地系2000(世界測地系)に準拠した基準点座標成果が「測地成果2000」です。

測地成果2011(そくちせいかにせんじゅういち)
日本測地系2011(世界測地系)に準拠した基準点座標成果が「測地成果2011」です。


地域毎のパラメータ」「3パラメータ」(ちいきごとのぱらめーた と さんぱらめーた)
「地域毎のパラメータ」は,楕円体の大きさ,形状,位置(つまり座標系)の他,「測地網の歪み」も考慮された座標変換パラメータです。測地網の歪みは地域毎に異なるため,変換パラメータの値も地域毎に異なります。
ちなみに,「測地網の歪み」の主な原因は「測地原点から離れるに従って大きくなる累積誤差」です。
一方,楕円体の大きさ,形状,位置(つまり座標系)による座標値の違い,すなわち,座標変換パラメータは,楕円体パラメータ(a, f)と,原点(楕円体中心)の相対位置(dX,dY,dZ)だけで表すことができます。この(dX,dY,dZ)を「地域毎のパラメータ」に対し「3パラメータ」と呼びます。3パラメータは,「東京大正」三角点で測定・定義されました。
一般に,地域毎のパラメータの方が3パラメータより,精度良く座標を変換することができます。しかし,地域毎のパラメータは,一部離島では未整備のため利用できない場合があります。
「地域毎のパラメータの方が精度が高いので地域毎のパラメータがあるところはいつでも地域毎のパラメータを使う」という考え方は正しくありません。「地域毎のパラメータ」と「3パラメータ」のどちらを使うかは,変換する座標値の性質や変換の目的に応じて正しく判断しなければなりません。

度分秒(ddd.mmsssss)フォーマット(どふんびょうふぉーまっと)
緯度と経度を数字で表す場合のフォーマット。"d"はdegree,"m"はmunute,"s"はsecondを意味する。d,m,sの各文字はそれぞれ数字1つに対応する。例えば,経度123度45分56.789秒をこのフォーマットで表すと,"123.4556789"となる。
分と秒の値が10未満の場合には10の位に"0"を埋める。(例:3度4分5.679秒⇒"3.0405678")
緯度の度は2桁(-90〜90)しかないので,経度と区別して,"ddmmss.sss"のように表すこともある。

「参考」度分秒を数字で表す場合のフォーマットとしては,この他,

などがあるが,BLconverterでは,ddd.mmsssssフォーマットとddd°mm'ss.sss"を使用する。

東京大正三角点(とうきょうたいしょうさんかくてん)
一等三角点の名称。日本経緯度原点の東南東約77mのところにある。測地成果2000の構築において,測地原点に代わり重要な役割を果たした。


バイリニア補間(双直線補間,Bilinear Interpolation)
補間法のひとつ。ある点の値を,周りの4つの格子点の値から求める補間法。上の格子点の値同士を直線で結び,下の格子点の値同士を直線で結ぶ。これら2つの横線を通る縦線(直線)を引くことによって形成される曲面が,格子点で囲まれる長方形内の任意の点の値となる。始めに縦線を引いてから横線を引いても,曲面は同一となる。両方向に直線を引くことから,双直線つまりbi-linearと呼ばれる。

バージョン情報
BLconverterのプログラムや座標変換パラメータファイルにはバージョン番号がつけられています。大きな番号ほど後に作られたことを意味します。
BLconverterプログラムのバージョン番号を見るには,

  1. メインメニュー「BLconverter」「BLconverterについて」を選択する。
  2. Finderに表示されている。

のいずれかの方法を使います。
また,座標変換パラメータファイルのバージョン番号を見るには,

  1. TKY2JGD.par等,バージョン番号を調べたいファイルをエディタで開き,第1行目を見る。
  2. BLconverterのメイン画面の右下部に「Ver.2.1.1」のように表示される。

のいずれかの方法を使います。

平面直角座標(へいめんちょっかくざひょう)
平成14年国土交通省告示第9号に基づく平面直角座標系上の座標値。X,Yで表す。


メッシュコード
正式には,”標準地域メッシュ・コード”といいます。昭和48年7月12日行政管理庁告示第143号によって定められたもので,JIS化(JIS X0410:1976)もされています。メッシュの位置する経緯度と直結しているため,位置参照情報として有用です。定義については既刊の文献等を参照して下さい。TKY2JGDソフトウェアに用いられている「メッシュコード」は2002年の測量法改正前の以上の定義によるものを指しています。
測量法改正後は,世界測地系に準拠した定義になりますが,日本測地系に基づくメッシュは,JIS X0410規格の追補規格として登録される予定です。


このページの内容は、国土交通省国土地理院の承認を得て、同院の技術資料H・1-No.2「測地成果2000のための座標変換ソフトウエアTKY2JGD」を使用し、佐藤昭が一部変更した内容です。(承認番号 国地企調発第438号 平成14年9月18日)