ちびなり・・・君は、女の子だったの?

痛い。痛い。痛い。痛いなんてもんじゃない。痛いを通り越して熱い。吐く、吐く、絶対吐く。
なにがなんだか分からない。子宮が破裂してしまうんじゃないだろうか・・・そんな恐怖が襲って来る。
自分のお腹がどうにかなってしまうような・・・・・

12時半。「ライスさん、まだ生まれないんだって?」分娩室に、他の助産師さんが二名入ってくる。「ずいぶん長引いてるけど、だいじょうぶなのかな?もう、赤ちゃん出してあげましょうよ」
・・・・ああ、その言葉が聞きたかった。本格的なお産の処置を始める・・・とのコトで、旦那が外へ出されました。

助産師さんの一人は、入院中からお世話になっていた、ぽっちゃり系の優しいお方。もう一人は・・・・あぁ。入院中から、何かと噂の「怖い」と評判の助産師さん(病室では密かにオバサマと呼ばれていました)。苦手だ、私、この看護師さん・・・。オバサマは、分娩室の状況を見るなり激怒。今までずっとお世話してくださっていた助産師さんに向かって、「なにチンタラやってんのよ!こんなんじゃ、生まれるもんも生まれないじゃない!!促進剤、これじゃ足りないわよ!!」

・・・・・・嘘。まだ上げるというの・・・・・・・

あまりにもお世話してくれた助産師さんを責めるので、思わず「すいません、私が促進剤の濃度あまり上げないでと頼んだんで・・・」と小声で言ってみましたが、・・・・・シカト。ちょっと!有無を言わせず、濃度は「30」・・・いや、もしかしたら「35」だったかな・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・☆!?×■◎
なんじゃこりゃ!!!!!痛い、痛い!痛い!いたいいたいいたいいたいいたい!!!!やめでえええええええ!!!いだいよおおおおおおおおおお!!!!!
いきみたくって我慢できない!いきむ!でも、いきんでもいきんでも、やっぱり生まれない!!
(この辺りから、非常に記憶が曖昧・・・・たぶん所々気を失っていた・・・・かも)

更に追い討ちをかけて、オバサマに叱られる・・・・・
「大体ねえ、母体がこんなに体重増やすから、赤ちゃんだって大きくなりすぎちゃって生まれて来れないのよ!!あんた、太りすぎなの!!!」
ガーン!確かに16キロ弱・・・・体重増えました・・・・・

オバサマに叱られてる間に、私のお産の状況に変化あり。私の体力の低下と、ちびなりの心拍が弱まってきたとの事で(私が上手に深呼吸できないのが悪かったのです・・・・)、先生に鉗子(もしくは吸引)分娩をお願いするとの事。(・・・・と、これがドクターがたくさんいらっしゃる大きな病院の欠点で、W先生の時にお産をしたかったんですが、当番のドクターはW先生じゃなかった・・・・残念。結局、W先生の直の下にいらっしゃるT先生にちびなりを取り上げていただきました。)

先生が分娩室に来るまでの間に、強烈ないきみ感が!「いぎびだいです(いきみたい)」と訴えると、助産師さん二人が、私のお腹の上に乗って、押すとの事(赤ちゃんを押し出す形)。
いきむと同時に、痛い!重い!痛い!重い!!ひいい!重たいよ・・・・

同時に、助産師さんの「あ!」という声。どうやら、ちびなりの頭が見えてきてるらしい。
「いけるよ!ライスさん!もうちょっと!!」

そして、午後1時。ドクター到着。そして、いきみの波。
「思いっきりいきんで!!!」
いきむ。お腹を押される。同時に鉗子を使用。(会陰切開はいつされたんだったかな?切開される音だけ聞こえてたかな。全く痛くなかったけど・・・それよりも、お腹の方が痛かった。)もう、ますます何が何だか分からない。あの感覚は・・・・なんというか、火であぶった超熱い毒針を、何百万本と体の中に刺されてるような感じ・・・?うまく言葉にできません。

目の前が白くなって、「あ、たぶん気を失うんだろうな」そう思った瞬間に、「ほげ、ほげ、ほげ」と赤ちゃんの産声が聞こえた訳です・・・・・・

「へ?」首をぐるりと回して声のほうを見る。赤ちゃん・・・・が、そこにぽっこりといました。まさしく「ぽっこり」という感じ。あなたはどっから現れたの?みたいな・・・・・。助産師さんに抱っこされて、小さな体。大きな声。「元気な女の子です!」

「あ、ありがとうございます!!」それが一番最初に出た私の言葉でした。そして、「健康ですか?」と聞いていました(全くの無意識・・・これは今考えても不思議です)。同時に心の中で、一箇所冷静な部分があって、その部分は「え?オンナの子??男じゃないの??」って考えていました・・・・^^;

ちびなりは、すぐに分娩室の端の方にある処置台で、お口の中(もしかしたら胃の中も)を洗浄されました。・・・というのも、なぜ分娩にここまで時間がかかったかというと、へその緒の位置が悪く、ちびなりの首に巻きついていたわけではないのですが、下に降りようとするとへその緒が首に引っかかる状況だったそうで、ちびなりはそれが苦しくて、下がって来れなかったのだそうです。

降りてくるとき、ちびなりも苦しかったらしくお腹の中で胎便をしてしまっていて、足が冷えきっていたとのコト。万一の事態に備え、私が抱くより先に彼女は保育器に入りました。でも、「念のため」の処置だった為、保育器に入る前に、助産師さんは旦那にちびなりを抱っこさせてくれたそうです(〃^▽^)ノ

旦那が分娩室に入ってきて・・・・感動の抱擁・・・にはならず、
私:「なんか実感ないよね・・・」・・・って、生んだでしょう、あなた、たった今!
旦那:「ないね」・・・って、抱っこしたんでしょう、あなた、たった今!

一時間後、ちびなりの状態が良好なので、保育器から出してもらえることに。看護婦さんが、ちびなりを連れてきてくれました。そして初めての抱っことおっぱい。あとはもう・・・涙、涙、涙。私と旦那とちびなりの、初めてのスリーショット。実感・・・・・ちょっと湧いてきたぞ。

後日談・・・・
オバサマに「赤ちゃん、思ったより大きくなかったわね。お母さん、体重増えすぎてたから、てっきり赤ちゃんもデカくなり過ぎてる・・・と思ったわよ。3090g・・・ちょうどいい大きさの赤ちゃんだったわね、うん」となにやら早口で言われる。・・・・・・ああ、勝った・・・・・(←何に?)

でも、このオバサマ、怖いって評判だけど、赤ちゃんにはすっごい優しいのです。ちびなりもお風呂入れて貰ったんだけど、ほんっとうに優しいんだよね。そんな訳で、私、このオバサマ結構好きになりました。