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KOWA PROMINAR 8.5mm f:2.8


“PROMINAR 8.5mm f:2.8”

 光学機器では老舗の“興和”が本気を出した、マイクロ・フォーサーズ向けの超広角レンズ。
 広角には比較的弱いマイクロ・フォーサーズですので、画角106°は圧倒的で、もう仰天するしかありません。
 元々このレンズは工場のライン監視なんかに使う興和光学の本業である産業用の4/3インチ向けCマウント・レンズ“LM8XC2”をマイクロフォーサーズ用に作り直したものなので、ひずみ自体が極限まで追い込まれているため、解像度と描写は抜群です。

 ただし、この画角を実現したものの、元々は写真用の設計じゃ無かったためか構造的に色々無理をしているようで、レンズの鏡筒にはフィルターが取り付けできません。レンズ鏡筒先端のネジ溝は誤装着防止のためか、ピッチの異なるネジになっています。

 で、専用フードには一般的なピッチのネジ溝が切ってあり、フィルターはこちらに装着するのですが、これがまた、装着しずらい(苦笑)。
 オマケにφ86mmという超弩級の径なので、値段も高いし(笑)。
 ただ、フードにPフィルターを装着してみたところ、何故フードに付けるのかがよく分かりました。



 上の写真でわかるか微妙ですが、鏡筒の先端がガラスに接触しそうなくらいギリギリになります。つまり、鏡筒の先端にフィルターを装着するとフィルターの枠で画面ケラれる危険性があると言うことのようです。
 もっとも、それだったら最初からフードをビルトインにして欲しかったとも思いますが…。
 こうなると、標準添付の純正レンズ・キャップは使えませんし、レンズケースにも入りません。サード・パーティー製のレンズ・ポーチとレンズ・キャップを追加購入する羽目になりました。

 試作段階ではフルラインナップだったのですが、現在マイクロフォーサーズ用に発売されているのはこの8.5mmの他は12mmと25mmの3本だけ。オリジナルの産業用Cマウント・レンズはこのほかに、16mm、35mm、50mmがあります。

 産業用のレンズは解放F値が2.0に抑えられていますが、個人的にはディストーションが0.02という化け物レンズの16mm(LM16XC2)にも興味があります。Cマウント・アダプタを使えば普通に使えますからね。ただ、値段が…。10万超えるんですよね…。

《レンズ緒言》
構成:4群17枚
画角:106°
最短撮影距離:20cm
最小絞り:f:2.8
フィルタ径:φ86mm
寸法:φ71.5mm×86.5mm(レンズフードを除く)
重量:440g(レンズフードを除く)
国内定価:\116,000

作例

長浜御坊大通寺山門


画角比較


↓下は比較で、Leica DG SUMMILUX 15mm f:1.7で同じ場所を撮影した物です。



↓下は近江塩津駅のホーム。このレンズの凄さがわかります。定規当ててみてください。ホームは元々それ自体に歪みがあるので、線路とか架線とかですよ。



at: 2015/08/07(Mon)
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