TOP 
LUMIX L1


“LUMIX L1”

 フォーサーズ規格では2社目の松下電器製デジタルSLR。LUMIX L1です。

 松下電器はソニーと違って(しかし、コニカミノルタから買収したのに「哲学がある」には爆笑させられましたねぇ。余所から買ってきたモノに「哲学がある」とか言われてもねぇ)元々、ウエスト電機というカメラ/写真用品メーカを持っていましたので、その系列と思われがちですが、実はヴィデオ・カメラから発展した系統です。ちなみに、京セラのストロボはどうもウエスト電機のOEMだったようです。

 さすがに、カメラとしての完成度はもっと難しいヴィデオ・カメラで培った技術が反映されれているのか、しっかりしたものです。レンズも“LEICA”ブランドですが、完全日本設計で、松下の東北(確か岩手県の天童....、宮城県の花巻だったかな)にあるレンズ工場で製造されたモノです。ただし、松下は世界初の非球面レンズ自動設計システムを開発したメーカだけあって(現経団連会長のキヤノンの御手洗氏がこれに驚き慌てて、自社のエンジニアに「素人に負けてどうする」と叱咤したという逸話もあるそうです)、下手な光学機器メーカよりもレベルは高いのでバンドル・レンズもD VARIO-ELMARITもなかなかモノです。たしか、日本の家電メーカの中で自社でレンズの設計/生産が出来るのは松下だけだったと思います(画像はオーバーコッヘンのCarl Zeiss製のDistagon 25mm f:2.8ですが)。

 売り物のライヴ・ビュー機能ですが、なんのことはない、シャッタをバルブ状態にしてミラーアップしているだけです。ただし、これが実は大変なことなんですね。
 撮像素子は受光状態で連続使用するとかなり高温になります。特にCCD(電荷結合素子)では顕著で、35mmフルサイズのCCDで同じ事をやろうとすると、多分色分解フィルタが短時間で溶けてしまいます。ですので、CMOSに近いνMICOVICONベースのLiveMOSセンサで、なおかつフォーサーズ規格のハーフサイズでようやく実現出来る機能と言えるでしょう。他社のデジSLRでも受光面のサイズが大きくなるとMOS型が増えるのはこのためです。実際、APSサイズでもかなり厳しいはずです。
 また、距離測定系を複数持つため、他社の類似機能を持ったSLRと異なり、ミラーアップしてもAFが効きます(撮影時はミラーが一回戻って補正をかけますけどね)。実はこれ、凄いアドバンテージで、普及機のL10(ポロミラーではなくペンタ・ダハミラーになっていますが)にも引き継がれています。

 欲を言えば、せっかくミラーが左右動作の横位置なのですから、提携先のオリンパスのPEN-F並のコンパクトボディにして欲しかったですね。撮像素子がハーフサイズですし、フィルムSLRのような巻き上げや巻き戻しの駆動系も無いので、もっと小さくできる筈なんですけどね。実は、本家CONTAX RTSより小さいPRAKTICA B系よりちょっと大きいです。

 で、上の画像にもあるようにこのボディをYASHICA/CONTAXマウントの母艦にしようとしたのですが、フォーサーズ規格はレンズの絞り値が無いとAEが効かないようで、完全マニュアルになってしまいます。
 また、デフォルトの設定ではフォーカス優先の上にシャッタ空打ち防止が有効になっているので、規格外のレンズをアダプタを介して装着しても、まったく動きません。これに気づくまで結構かかってしまって。
 このあたりはソフトウェアの問題なので、せめて絞り優先AEで実絞り対応くらいはファームアップかなにかで対応して欲しいところです。

 あと、巷のカメラ系の雑誌ではまるで見てきたかのような言い方で、オリンパスのE-330がベースだと書いているモノがありますが、ミラーボックスのユニットだけが同じで、あとは画像処理回路から何から全く異なる別物です(強いて言えば、ベースはLUMIX LC1/Lieca Digilux-2。本機のライカ・ブランドはDigilux-3です)。まぁ、バラして見れば一発でわかると思いますけどね。世の中にはいまだにYASHICA FX-3 Super 2000がCOSINA CT-1ベースだと言ってる人も居ますからねぇ。

 レンズのマウント・アダプタはこのY/C→3/4'sの他にEXAKTA→3/4's、Rollei SL35→3/4'sは揃える予定です。さすがに近代インターナショナルでも、PRAKTICA B→3/4'sは無理だと思うので、これはドイツで物好きが作るのを待とうかと。

(2006/10/13:追記)
 このL1、オリンパス純正のOMアダプタや近代インターナショナルのアダプタを介したマニュアル・フォーカス・レンズでは、完全マニュアルになってしまい、単体露出計が必要だったんですが、この10/11にファームウェアのアップデートが公開され、実絞りでの絞り優先AEが使えるようになりました(この点ではEOSよりアドバンテージがあるかも)。これで、Distagon 25mm f:2.8を常用出来るようになりましたね。
 あと、f2.0以上の大口径レンズに対する露出計算に問題があったようで、それも補正されています。だからシグマの30mm f:1.4で、アンダーになったりオーバーになったりしたんだなぁ。

 ファームアップのurlは以下の通り。
 http://panasonic.jp/support/dsc/download/index.html

 主な緒言は以下の通り

外寸(D×W×H):77.2mm×145.8mm×86.9mm、重量:530g
シャッタースピード:1/4000〜60(sec),B、シンクロ:1/60(sec)
ファインダー:視野率 95%、倍率 0.93倍
撮像素子:750万画素LiveMOSセンサ(νMICOVICON改)
手動時感度設定:ISO 100〜1600
定価:\OPEN
国内発売:2006/07/22


at: 2006/07/30(Sun)
Copylight 2003-2009 by Masanori Okie
Any copy, reference and Hyper-link from commercial site (include e-Bay, Yahoo! Auction and any other auction sites) without permission is forbidden (non-commercial site is without this limitation).
商用サイト(特にe-Bay、Yahoo! Auction等のオークション・サイト)からの無許可のリンク、参照、転載は堅くお断りいたします。発見の場合は状況に応じ、ホスティングを行っている企業を含めて損害賠償を請求する場合があります。


TOP