TOP 
“Contax”から、“CONTAX”へ。開発モデルナンバー“131”、CONTAX RTS


“CONTAX RTS”

 西ドイツ(当時)、Carl Zeiss財団(というか、Zeiss Ikonだと思うんだけど)とポルシェ・デザイン(よく、車の“Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG”と混同されますが、同族ではあるもの全くの別会社です)、そして電子制御カメラの代表メーカである日本のヤシカ(当時)のコラボレーションで誕生した、Real Time Systemの名を冠する歴史的なSLRカメラです。

 当時は“あの”Carl Zeissレンズが使える、ということで、かなり高額であったにもかかわらず、爆発的に売れたそうです。
 歴史的な意味もありますので、CONTAX SLRを持つ者としては以前から欲しかったのですが、ようやく入手した次第。
(それ以前に、学生時代に朝日ソノラマの「月刊マンガ少年」で新谷かおる氏が連載していた「シリーズ1/1000sec」を読んで惹かれていたこともあるんですけどね)

 プロ用機材であるにもかかわらず(真のプロ用は見てくれ二の次で、機能美で魅せる物なんですけどね)、結構外見などにこだわりがあり、初期の頃は貼り皮の裏側に銅板が仕込んであり、ボディの継ぎ目の段差が貼り皮に出てこないような工夫がしてありました。
 フィルムの装填などは今はオート・ローディングでフィルムのベロの出方さえ揃っていればあまり手間はかかりませんが、当時は結構難題で、RTSとRTSIIだけが250コマ撮りの長尺マガジンが使えました。
 最近は長尺フィルム自体がほとんど供給されていませんので無意味に近いのですが、新宿の戸山にある極楽堂さんのショーケースにある長尺マガジン付きのRTSなんかは結構ド迫力があります。

 蛇足ですが、京セラさんやCONTAX SLRに強い中古店などでは、RTSを一型、RTSIIと二型、RTSIIIと三型と呼びます。
(画像は、ワインダーW-3を付けた状態。RTSIIの方はPMD(W-6)を付けた状態です)

(2004/3/13:追記)
 先日、件の新谷かおる氏著の「シリーズ1/1000」を古本で買い求めました(実家に帰れば当時のマン少、あるかもしれないけど)。さすがに朝日ソノラマ版は高いので、スコラが再版したときの新書版の方ですが。
 このシリーズ、前半は高校生・牧恭一を主人公とする連続物で、後半が読み切り連載になるんですが、この前半で登場するのがこの131“RTS”。Planar 50mm f:1.4付きの新古品が8万。今の金額だと20万くらいですね。
 絵として登場するのは、この組み合わせの他に、扉絵で登場するPlanar 135mm f:2、Distagon 35mm f:1.4と、いつの間にか主人公のRTSについている、Planar 85mm f:1.4 & RTW(初期型のグリップ無しのタイプ)。
 カメラの販売店として現実に実在するミヤマ商会なんかも出てきます。
 ミヤマ商会の店の壁に貼ってあるCONTAXのシステム・チャートはまだRTSや139Quartzに並んでFR-Iが載っていたり、そういうちょっとした物を見つけるのも楽しいですね。

 前半の連続物のヒロインが持っているカメラがライツ・ミノルタCLのズミクロン40mm付きというのがご愛敬ですかね(当時の女子高校生が持てるようなカメラじゃないですけどね)。

(2004/04/05:追記)
 よく、全部大文字がSLRで、“C”のみ大文字がレンジ・ファインダー・コンタックスだと言われていますが、ContaxのII型やIII型の元箱の表示が“CONTAX”だったのは結構知られていません(それを言い出すと、Contax Sや、Contax F系はどうなるのー、となりますが)。
 実はこの元箱の文字、字体も現行の京セラ・コンタックスと同じで、試作だけで終わったIV型コンタックスは90°倒置の文字でしっかり全部大文字の“CONTAX”表示です。
 経緯はどうあれ、現行“CONTAX”は初代のブラック・コンタックスから繋がっているというのが正しい解釈だと思います。

 主な緒言は以下の通り。

外寸(D×W×H):50mm×142mm×89.5mm、重量:715g
シャッタースピード:1/2000〜4(sec:Manual、AEとも)、B、シンクロ:1/60(sec)
ファインダー:視野率 92%、倍率 0.87倍
フィルム感度設定:(手動)ISO 12〜3200
専用ストロボ:RTF-540
 (手元の資料にはES-20ベースのRTF-24と、RTF-540によく似たRTF-34の記述があるのだが、実際は未発売の模様)
定価(当時):\102,000
国内発売:1975年11月

※当サイトのコンテンツは営利目的サイトからの無断リンクは一切許可しておりません。オークション・サイトなどで無許可リンクを発見された場合はご連絡頂ければ幸いです。


at: 2003/12/30(Thu)
Copylight 2003-2009 by Masanori Okie
Any copy, reference and Hyper-link from commercial site (include e-Bay, Yahoo! Auction and any other auction sites) without permission is forbidden (non-commercial site is without this limitation).
商用サイト(特にe-Bay、Yahoo! Auction等のオークション・サイト)からの無許可のリンク、参照、転載は堅くお断りいたします。発見の場合は状況に応じ、ホスティングを行っている企業を含めて損害賠償を請求する場合があります。


TOP